妊娠中のアロマテラピー

妊娠中の痛みやストレスを軽減したいと思っていませんか?アロマテラピーで使われるエッセンシャルオイル(精油)は効果的ですが、正しいものを選んで行う必要があります。
妊娠は、小さな命をおなかの中で育てているのですから、奇跡のような、喜ばしい出来事です。でも、妊娠中は腰が痛くなったり、脚がむくんだりするので、不安を感じたり、身体的にも苦痛となることも多いでしょう。気分が憂鬱になったり、痛みやストレスが増してきたと感じてくると、どうにかしてリラックスしたいと思うでしょう。リラックス方法として、温泉にのんびり入るのが好きな自然派ママには、アロマテラピーもおすすめです。植物から抽出したエッセンシャルオイルを使って健康を維持したり、気分を高めることができるリラクゼーションです。アロマテラピーは、何千年も前からエジプト、ギリシャ、中国、インド、ローマで行われてきた療法で、痛みや疾患を軽くしたり、リラックスするために用いられてきました。エッセンシャルオイルをキャリアオイルで希釈したものを使って、マッサージをしたり、湯船に何滴か落としたり、アロマディフューザーのように香りをかぐことでリラクゼーション効果を得ることができます。アロマテラピーはさまざまな症状に効果があるとされており、不眠症の改善や吐き気を和らげるものまでさまざまです。
アロマテラピーのマッサージの予約をする前に、妊娠中にエッセンシャルオイルを使うことに賛成しない医師もいるということを覚えておいてください。実際のところ、妊娠中のアロマテラピーが安全かどうか、正確なことはわかっていません。使用される植物由来のオイルには化学物質も含まれており、それらが体内に吸収されると、胎盤を通して赤ちゃんにも届いてしまう可能性があります。National Association for Holistic Aromatherapy (NAHA)によると、正しくアロマテラピーを行った場合は、出生異常や流産などの報告はないですが、注意の上で行うことが重要だといいます。また、妊娠3ヶ月ごろまでは、赤ちゃんが一番繊細な時期なので、行わないというのが一番安全です。
もしアロマテラピーに興味がある場合は、まずは担当医に聞いてみて、以下の注意点をよく守った上で行うようにしましょう。
・エッセンシャルオイルを体にじかにつけるようなことは絶対にしないでください。必ずキャリアオイルと混ぜて使うようにしてください。調合の割合については、商品に記載されている量を守ってください。
・一種類のオイルを長期間使用することは避けてください。(毎日同じものを、何週間にもわたって使わないようにしましょう)
・オイルを小さいお子さんの手の届くところやペットの近くに置いておかないようにしてください。
・アロマディフューザーを使うときは、一時間につき15分以上つけっぱなしにしないようにしてください。また、つけるときは換気がしやすい環境にあるかを確認してください。香りが強すぎると、かえって吐き気を催してしまうことになりかねません。
・エッセンシャルオイルは慎重に選んでください。何が入っているか分からない場合は、使わないようにしてください。
・エッセンシャルオイルは、基本的には妊娠中に効果があるとされていますが、使う前には担当医に確認するようにしてください。具体的には、以下のような種類があります。
・橙花油などの柑橘系(血圧を下げ、不安を軽減する効果)
・カモミール(気分を落ち着かせ、リラックスする効果)
・ラベンダー(ストレスを和らげ、不眠症や憂鬱を軽減する効果)
・イランイランノキ(気分を落ち着かせ、不眠症を軽減する効果)
・カルダモン(体をあたため、気分が安らぐ効果)
・フランキンセンス(ストレスや緊張を和らげる効果)
・ゼラニウム(体の腫れやストレスを和らげる効果)
・ショウガ(体をあたため、吐き気を和らげる効果)
以下のエッセンシャルオイルは、陣痛を引き起こす可能性があるため、妊娠中は避けたほうがいいでしょう。
・ローズマリー
・バジル
・ジャスミン
・クラリー・セージ
・ジュニパー
・タイム
・メグサハッカ
・オレガノ
・ペパーミント
・ショウノウ
なお、化粧品やボディークリームなどもエッセンシャルオイルを配合している可能性がありますが、濃度は非常に低いため、使用には問題ない場合がほとんどです。心配な場合は、いつでも医師に相談してください。
妊娠中に安全にアロマテラピーを行うには、使おうとしているエッセンシャルオイルをよく調べるということと、医師や助産師と相談して問題がないかどうか明確にするということが重要です。正しく行えば、気分が安らぎ、ストレスを減らす効果があるでしょう。