ホルモンによる頭痛

症状

女性に生じる頭痛のほとんどはホルモンによって引き起こされます。研究によれば、毎月最低でも500万人の女性たちがホルモンに関係した頭痛を経験しています。

かつて国立偏頭痛センターに所属していたアンネ・マックグレゴール医師によれば、偏頭痛を抱えてる女性の半数以上は自分の月経周期と頭痛との関係について気づいているといいます。このようないわゆる「月経時偏頭痛」は特に深刻なものになる傾向にあります。

「偏頭痛は生理の2日前、あるいは生理が始まって3日目に最も起こりやすくなっています。これはこの時期にエストロゲン値が自然と下がってしまうことが原因です。この頭痛は典型的に、生理中以外のときに起こる偏頭痛よりも深刻なものであり、次の日には回復しやすいものになっています。」

月経周期だけがホルモンに関係した頭痛の引き金となっているわけではありません。他の原因にはこのようなものがあります。
・複合経口避妊薬:避妊薬を服用しているときに頭痛がよくなると感じている女性もいますが、特に避妊薬を服用していない(エストロゲン値が下がる)ときにより頻繁に頭痛が起こると言っている女性もいます。
・更年期障害:月経が頻繁に起こることが原因でもあり、通常のホルモン周期が崩れていることが原因でもあります。
・妊娠:妊娠してから初めの数週間は頭痛がひどくなることがありますが、通常出産6ヶ月前には症状が改善する、あるいは完全に治癒します。お腹にいる赤ちゃんには害はありません。

ホルモン性頭痛の兆候

自分の偏頭痛が月経と関係しているかをチェックするのを助けるために、最低3回分の月経周期の時期を記録しておくとよいでしょう。もし関係があった場合、その記録は自分の周期の中のどの時点で偏頭痛が起こったのか特定するのに役立つかもしれません。

ホルモン性頭痛のためのセルフヘルプへのアドバイス

記録をつけていることによって頭痛が月経の直前に起こるということが明らかになった場合、偏頭痛を予防するために以下のような処置をとることができます。
・少量の間食を頻繁にとり、血糖値を高く保ちましょう。食事を抜くことや食事をせずに長時間過ごすことが頭痛を引き起こすおそれがあります。就寝前に少量の軽食をとり、毎日朝食をとりましょう。
・規則的な睡眠パターンを作りましょう。睡眠のしすぎ、あるいは短すぎる睡眠はさけるようにしましょう。
・ストレスを避けましょう。これが難しいと感じた場合、ストレスに対処する方法を見つけましょう。例えば適度な運動やリラクゼーション療法の利用などです。

ホルモン性頭痛のための治療

・エストロゲン療法
正常な月経周期がある場合、予定されている生理期間の前と生理中の数日間に余分にエストロゲンをとることによって、月経時偏頭痛は和らぐことがあります。
医師は、肌に塗りこむゲルや肌に貼り付けるパッチなどの形をしたエストロゲンサプリメントを処方しなければなりません。

・偏頭痛治療
医師は、月経を迎える周辺で服用する抗偏頭痛薬を処方することもできます。この薬はホルモンを含んでいませんが、頭痛の発生を止めることに役立ちます。抗偏頭痛薬には、トリプタンと呼ばれる錠剤やメフェナム酸と呼ばれる鎮痛薬などがあります。

・継続的な避妊薬服用
服用している避妊薬が偏頭痛の原因になっていると考えている場合は、医師に相談してください。避妊薬を服用していない時期に頭痛が起こる場合、いくらかの用量を止めることやく継続的に服用することでエストロゲン値の急な低下を避けることができる可能性があります。

・ホルモン補充療法
更年期が近づいた女性に起こるホルモンの変化により、偏頭痛を含むあらゆるタイプの頭痛が起きやすくなります。
ホルモン補充療法(HRT)はホットフラッシュや発汗を治療するのに役立ちますが、偏頭痛を抱えている場合、パッチやゲルを使うことが最もよい方法です。これらの治療法は錠剤のものよりホルモン値をより安定させ、偏頭痛を起こしにくくなります。

関連記事一覧