妊娠中の食物渇望

突如ヤムイモに対してうずきを感じたりしません?或いはホットケーキ(何故かスイスチーズとストロベリージャムと共に層状になっている)に対する熱望やレイシの実(なるべくならハニーマスタードに漬かっている方が良い)に対する切望、或いはパッションフルーツに対する熱情を抱いたりしますよね?一風変わった妊婦限定食物渇望クラブへようこそ。刻んだブラック・オリーブをたっぷりかけて食べるドゥルセ・デ・レチェを一パイントの半分も消費しないうちにお分かり頂けたかと思いますが、そうです、真実なのです。妊娠期の食物渇望は妊婦を(ついでに配偶者も)これでもかというほどに発狂させるのです。深夜一時にサルサと青りんごを補充しにコンビ二に行く、なんて正気の沙汰ではないわけですから。
妊婦の四分の三ほどの人にも影響を与える、この一見不可解で奇妙な食習慣を引き起こすものは一体何なのでしょう。今回もおそらく、大半はホルモンの仕業でしょう。特にホルモンみなぎる最初の妊娠三ヶ月間に、最も調子の狂った食物渇望が絶頂を迎えることを考えれば、やはりホルモンが犯人なのでしょう。もう一つの理論としては、食物渇望は欠乏している栄養素を身体なりに知らせようとしているものだ、ということです。ビタミンCが欠けていれば人を冷蔵庫の前まで駆り立てオレンジジュースをがぶ飲みさせる、或いは鉄分貯蓄残量が減っていればグリル・ステーキへの欲を与える、といった具合です。(但しこの説に信憑性が認められたのはおそらく水(あぁ、それからオレンジジュースも)しかなかった頃のことであって、加工食品やキャンディー・バーがフード・チェーン上で中心的地位を獲得してからは現実的ではないはずでしょう。最近はメッセージが些か難解ですから。大体,キット・カットへの熱情が何を意味するのかなんて、わかるはずもありません。)
さて、食物渇望を感じたらどうすればいいのでしょう。これは当然、渇望の対象によります。ここでは、食物渇望を最大限に利用する戦略を紹介します。
屈服しましょう。
果実や野菜が欲しくてたまらない、なんていう運の良すぎる事態が発生したのであれば、欲望に身を任せましょう。出来ることなら、食べる食材にバリエーションを持たせましょう(マンゴーでマッドになっているところに少量のブルーベリーやストロベリーを加えてみる)。但し、このおとり商法が成功しなかったら成功しなかった、です。気にする必要はありません。ハンバーガー・ハビットについても同じです。栄養のあるトッピング(全粒穀物パン、スライストマト、レタス、スライスチーズなど)を混ぜあわせるよう心がけて、デザートにフルーツを用意してみてください。
代替食品を探しましょう。
渇望の対象が砂糖たっぷりのシリアルであるなら、より健康的な方法でその欲を満たす方法を見つけなければなりません。低糖・全粒穀物のシリアルに、新鮮なイチゴやバナナ、或いは蜂蜜をのせてみると良いでしょう。釜炊きのポテトチップスに魂を売りますか?代わりにベークトポテトチップス(オリーブオイルをかけ、少量の食塩とパルメザンチーズをまぶした赤皮のジャガイモを、さくさくになるまで焼く)、或いは大豆クリスプ(ポテトチップスのようにさくさくで味わい深いのですが、タンパク質がたっぷりで赤ちゃんも大喜びなのです)を作って食べれば良いのです。パンが好きすぎて困っている?それなら簡単、欲望に身を任せなさい。但し、全粒小麦のパンを食べることです。
気晴らしをする
クッキーが好きでたまらない、という場合は、クッキーを食べるのと同じくらいエンジョイできること(食事でないこと)を探すのです。それは散歩かもしれませんし、友人との会話、ネット・サーフィン、夢中になれる小説を読む、或いは料理であるかもしれません。
安全第一
渇望の対象が、接取すべきでない食物(ケソ・フレスコ、或いはそれに準ずる低音殺菌されていないソフト・チーズ、生焼けのバーガー、刺身等)であれ場合は、食べるわけにはいきません。代わりに、欲望の対象となっている食材に限りなく近い代替食品(低音殺菌されたフェタチーズ、トッピング豊富でよく火の通されたバーガー、照り焼きサーモン等)を探しましょう。食物でないもの(テトラヒドロカンナビノール、マリファナ、洗濯糊等)に渇望を抱くようであれば、医者に連絡を取りましょう。異食症と呼ばれる、栄養欠乏に起因する健康状態の兆候かもしれません(妊娠中の接取を避けるべき食材・物質について知っておきましょう)。