酒さ―原因

酒さの正確な原因はわかっていませんが、多数の潜在的な要因が関わっているのではないかと考えられています。
これらの要因の組み合わせが、症状の原因となる可能性がありますが、確実に言うための十分な根拠はまだありません。
考えられている主な要素のいくつかについて、以下にその概要を説明します。
血管異常
専門家の中には、顔面の血管の異常が酒さの主な要因であると信じている人がいます。これには、紅潮、持続的な赤み、および血管が目視でわかる症状を説明できる可能性があります。
このような異常の原因はわかりません。ただ、日光からのダメージによって、皮膚の弾性組織の変異や血管の膨張に影響を及ぼす可能性があります。
皮膚ペプチド
最近の研究で、紫外線(UV)、スパイシーな食品、アルコール(特に赤ワイン)、運動、ストレス、暑さや寒さといった外部の要因が、ペプチドと呼ばれる皮膚内の特定の分子の活性化につながる可能性があることがわかっています。
こうしたペプチドの増加によって、皮膚の免疫系または神経および血管(神経血管系)に影響が及ぶ可能性があります。これらのシステムが活性化することで、血管の膨張、赤みおよび炎症が出る可能性があります。
微生物のダニ
ニキビダニと呼ばれる微生物のダニは、通常人間の皮膚に害を及ぼしません。ただ、酒さの人は特にニキビダニの数が多く、これが肌の症状に影響を及ぼす可能性があります。
研究者の中には、ダニの糞に含まれる細菌に肌が反応することで、酒さの症状が出る可能性があると考える人もいますが、現在のところ、ダニは酒さの原因なのか、それとも結果なのかはわかりません。
ヘリコバクターピロリ菌
ヘリコバクターピロリ菌は、消化器系に見られる細菌です。関連性は証明されていませんが、これらの細菌が酒さの原因である可能性があることが明らかになっています。
1つの理論は、ブラジキニン(この物質が血管を拡張させることが知られている)と呼ばれるタンパク質の産生を刺激する可能性があることです。
遺伝学
酒さはどの遺伝子が関与しているか、もし関与しているとしたら、どのように関与しているかははっきりしないものの、家族間ではより一般的なようです。
酒さのトリガー
症状の直接的な原因とは考えられていませんが、酒さを持つ人の多くは、症状の悪化を引き起こすトリガーがあることがわかっています。
人によってトリガーとなるものに違いはあるものの、一般的に報告されているトリガーとして、以下のようなものがあります。
・日光の暴露
・ストレス
・暑いまたは寒い天気
・強い風
・激しい運動
・アルコール
・温泉
・スパイシーな食べ物
・温かい飲み物
・湿気
・カフェインー紅茶、コーヒー、コーラなどに含まれる
・更年期
・乳製品
・酒さ以外の病気
・特定の医薬品―アミオダロン、コルチコステロイドおよび高用量のビタミンB6およびB12など