妊娠初期

これからママになる女性にとって、劇的な時期
妊娠は、その時期から3つの段階に分けられます。その3つのうち最初の段階が、妊娠初期です。
妊娠してから最初の12週間である妊娠初期には、女性の身体がその真価を発揮します。妊娠初期に見られる明確なサインは、勿論、月経が止まることです。月経が始まらない場合に、薬局で売られている妊娠検査薬を用いることで、既に比較的確実に妊娠しているかどうかの確認を行えるようになっています。最終的には医師の診断を受けることで、これからママになる女性にとってわくわくするようなこの新しい出来事が、確かに起きているのだという確証を得ることが出来ます。
妊娠初期の兆候
この段階では、妊娠している女性の多くは、月経周期が止まる前の段階で既に、身体の中で何かが「変わっている」ということに気づいてはいるものの、それが何なのかを正確に説明することができません。乳房が緊張し、皮膚に変化が起き、常に終わりの無い疲れを感じるようになっています。また、心情面で特徴的な変化が起きます。計画的な妊娠の場合には、この兆候に気づくことで、検査で良い結果を出すために必要な生活面での様々な禁制に対応することができます。また、意図せず起きた妊娠の場合には、この兆候に気づくことで、これからママになる人にとって、婦人科医によって明確な診断結果を下されることに対しての心構えをすることができます。妊娠6~7週目の時点でもう、超音波検査を受けることで、子供の心臓の鼓動を確認することが可能です。というのも、妊娠してから1週目の段階で既に、心臓と同時に、胚の中で多くの器官が発達しているからです。
遅くとも、医師によって妊娠が確実なものと判明した段階で、その女性はアルコール及びニコチンを断つべきであるとされています。妊娠中のアルコール摂取は、胎児にとって深刻な合併症を引き起こす原因となり得ます。喫煙についても同様です。定期的に飲んでいる薬がある場合には、この時期に主治医との相談を行い、副作用が胚に与えうる悪影響を避けるようにしてください。妊娠している女性はほぼ例外なく、子供の発達に最適な状態を保つために、婦人科医から「葉酸」を摂取するよう勧められます。これは、意図した妊娠の場合であっても、妊娠前にはまだ摂取を始めていなかった場合には、推奨されます。
妊娠初期に見られる症状
妊娠初期の時点で既に、女性は自分の身体の中が極めて混沌とした状態であるのが感じられるようになります。以前は見られなかった症状や身体への負荷が、突然現れます。この症状の影響を殆どあるいは全く受けない女性もいる一方で、かなり強い負荷を感じる女性もいます。典型的な症状としては、以下のようなものがあります。
《疲労感》
妊娠すると、信じられないほどの疲労感に襲われるようになります。この症状は、比較的軽い疲労から、まるで車を運転しているかのような緊張感まで、その程度が多岐にわたります。この時点で既に、お腹の中の小さな子供が母の体力をかなりの程度奪うようになっており、母親の身体はフルスピードで機能している状態にあります。この段階では、多くの時間の安静とリラックスが毎日の行動計画に組み込まれる必要があります。最も良いのは、お腹の子供の身体が発する音をよく聴いてもらい、子供のために1日の中で出来るだけ多くの時間休息を取ってあげることです。
《吐き気》
妊娠している間は、朝方だけでなく昼や夜でも気分がやや悪くなることがあり、頻繁に嘔吐をするようになってしまうことさえあります。軽い食事を一日5回から6回摂るようにしましょう。レモンバームを用いたハーブティーやカモミールティーを飲むと良いでしょう。大半の場合は、妊娠初期、即ち妊娠から3ヶ月が過ぎ去った後でも、この症状は現れます。
《強く張る痛み》
妊娠初期では、お腹に苦痛を伴う張りが頻繁に感じられるようになります。これには時に背中の痛みをも伴うことがあります。胎芽がお腹の中で大きさを増し、それに伴って子宮も拡大、身体の様々な部分が伸びていきます。もし不安を感じた場合には、行きつけの産婦人科に相談するようにしてください。相談を行うことで、例えば子宮外妊娠といった複雑な事態を避けることが可能になります。
《普段は感じないような欲求・胸焼け》
「ピクルスとアイスクリームへの欲求」― この現象は、既によく知られているものです。妊娠している時は、身体は必要としているものを明確に示すようになります。例えば、もし突然赤カブを食べたいという欲求が沸いてきた場合には、恐らく身体は鉄分を必要としています。
《特定の匂いが不快に感じられる》
妊娠すると、今まではお気に入りだった香水の香りを、突然嗅ぎたくなくなってしまうことがあります。タバコの煙で吐きそうになったり、肉屋の傍を通り過ぎた際に気持ち悪くなったりするようになります。妊娠中の女性の身体は感覚器官が敏感になっており、以前は特に気にすることも無く普通であった様々なものから、強い刺激を感じるようになります。
《乳房が張る感覚》
妊娠中は体内のエストロゲン物質が増えていくとともに、乳房が張ったりやや大きくなったりすることが頻繁に起きるようになります。
《危険信号となる出血》
妊婦全体の4分の1近くが、妊娠初期に出血を経ます。この出血は、通常であれば月経が起きる時期に起きることがあります。勿論、この出血が必ずしも早産の兆候を示しているわけではありません。それでも出血が見られる場合には、医師の診断や、大抵の場合にはベッドでの十分な安静が必要不可欠です。
妊娠初期を乗り越えた後は…
妊娠初期という慌しい時期が過ぎた次は、妊娠期の2段階目が始まります。大抵の場合は、妊娠の最終段階、ラストスパートの踏ん張りどころに入るまでのこの時期は、妊娠期の中でもいくらか安定した時期となります。