アレルギーや乳糖不耐症を持つ妊婦が健康的なものを食べるには

卵、牛乳、ナッツ、魚、または全粒穀物といった食べ物に、アレルギーまたは不耐性がある女性は、こうした食材の代わりになりそうなものを食べようとすることが多いです。しかし妊娠中は、こうした食べ物が与える重要な栄養素を逃したくはありません。ここでは、必要なタンパク質、カルシウム、ビタミン、ミネラルを摂取しながら、最も一般的な食物アレルギーや不耐症になるのを便利な代替品をご紹介します。
セリアック病
必要な全粒穀物を摂取できるもの:枝豆、豆類、レンズ豆、ポップコーン
必要な抗酸化物質を摂取できるもの:葉物野菜、ベリー類
全粒穀物にみられる複合炭水化物は、妊娠している場合に特に重要です。吐き気をもよおすのを防いだり、便秘を解消したり、赤ちゃんの発達に欠かせない鉄分、ビタミンB、ナイアシン、葉酸を吸収したりすることができます。小麦、ライ麦、大麦、およびオート麦を避ける必要があるとしても、グルテンフリーのパンやシリアルに頼る必要はありません。妊娠中に必要な全粒穀物のうち、1日6杯分は、以下のようなもともとグルテンを含まない食材から摂ることができます。
・カップ2分の1の豆類
・レンズ豆
・乾燥したエンドウ豆
・カップ2分の1の枝豆
・2カップ分のポップコーン
・カップ2分の1のキヌア
そして、抗酸化物質が豊富な葉物野菜、ベリー類、栄養分を強化したジュースをたくさん摂取してください(ただし、多くのジュースに含まれる高い糖分に気をつけてください)。
乳糖不耐症あるいは牛乳アレルギー
必要なカルシウムを摂取できるもの:ルバーブ、ホウレンソウ、ケール、天然のサケ
必要なビタミンDを摂取できるもの:卵、低カロリーのツナ缶、栄養を強化したシリアルやジュース
カルシウムは、赤ちゃんの発達中の骨を構築するのに欠かせません。そして、妊娠中を通して、また妊娠後も体を強くしてくれます。よい知らせは、むくんだり不快感を感じたりすることなく、毎日1,000ミリグラムから1,300ミリグラムの必要量を摂取できる方法がたくさんある、ということです。朝食時にアーモンドミルク、豆乳、あるいはライスミルクを飲むか、カルシウムを強化したオレンジジュースを飲んでください。カルシウムが豊富なそのほかの食材として、サーモン、ケール、ホウレンソウ、およびケールがあります。実際、調理済みのルバーブ1カップには、低脂肪牛乳1カップまたはスイスチーズ1オンスよりも多くのカルシウムが含まれています。
それでも毎日の摂取量を得るのが難しい場合は、カルシウムのサプリメントの服用を検討してください。また、カルシウムは体内でビタミンD(牛乳にも含まれています)と一緒にしか吸収されないので、この栄養素を含む食材も食べることが重要です。食欲をそそる選択肢として、卵、天然のサーモンや低カロリーのツナ缶(ただし、妊娠中の女性は1週間あたり6オンス以上のマグロを摂ってはならず、新鮮なマグロは避けるべきです)、ビタミンDを強化したシリアルやジュースなどがあります。
ナッツアレルギー
必要なDHAを摂取できるもの:天然のサーモン、栄養を強化した卵、植物油
必要なタンパク質を摂取できるもの:チーズ、脂肪分の少ない肉、牛乳
ナッツやナッツバターには、マンガン、マグネシウム、セレン、亜鉛、カリウム、カルシウムなどの重要なミネラルが含まれています。また、ビタミンEやタンパク質は、細胞を作り出すために欠かせません。クルミは、赤ちゃんの脳の発達と眼の形成の鍵となるDHA(オメガ3脂肪酸のひとつ)を含んでいます。ナッツを食べられない場合はどうすればよいでしょうか?必須ミネラルを摂取するために葉物野菜を、また、カリウムを摂取するためにバナナをたくさん食べてください。チーズ3オンス、鶏肉もしくは脂肪分の少ない牛肉4オンス、牛乳8オンス分で、1日に必要なタンパク質の3杯分を満たすことができます。
週に2回、6オンスの天然のサケ(ただし、アトランティックサーモンを除く)、DHAを強化した卵、キャノーラ油やオリーブオイルといった植物油で、毎日必要なオメガ3脂肪酸の推奨量(200ミリグラム)を摂取してください。また、妊婦用ビタミン剤もチェックしてください。妊娠中に必要な1日のビタミン摂取量を満たすだけのDHAを含んでいます。
シーフードアレルギー
必要とするDHAを摂取できるもの:クルミ、栄養を強化した卵、アマニ油
必要とするタンパク質を摂取できるもの:脂肪分の少ない牛肉、鶏肉
必要とする抗酸化物質を摂取できるもの:チェリー、イチゴ、ブロッコリー、ケール、アスパラガス
シーフードは、脂肪分の少ないタンパク質とオメガ3脂肪酸の素晴らしい供給源です。どちらも赤ちゃんの発達に重要で、心臓の健康に良いものです。しかし、魚を食べることができない場合は、クルミ(1回につき3オンス)、シリアルにDHAを強化した卵、またはシリアルやサラダにアマニ油をふりかけて、これらの栄養素を摂取しましょう。4オンスの鶏肉や脂肪分の少ない牛肉を食べると、毎日の3食分のタンパク質摂取量を満たすことができます。さまざまな抗酸化作用の高いフルーツ(サクランボ、ブルーベリー、イチゴ、キウイなど)、野菜(ブロッコリー、アスパラガス、ケールといった緑色の濃いものや、レンズ豆、エンドウ豆などの豆類)、全粒穀物が、魚と同じくらい心臓の健康によいメリットを提供してくれます。
卵アレルギー
必要なたんぱく質を摂取できるもの:ギリシャヨーグルト、カッテージチーズ、鶏肉
必要なDHAを摂取できるもの:天然のサーモン、植物油、アマニ油
必要なコリンを摂取できるもの:大豆、カシュー
卵はコリンが豊富で、赤ちゃんの成長と脳の発達を助けます。また、先天性欠損症の予防に役立つとともに、赤ちゃんの細胞の発達を助け、1日中エネルギーを与え続けるタンパク質の素晴らしい供給源です。また、卵の中にはDHAを強化したものもあります。DHAは、脳や網膜の主要な成分、体によい脂肪酸です。卵を食べずに必要なタンパク質を摂取するために、カップ1杯分のカッテージチーズやギリシャヨーグルト、4オンスの鶏肉もしくは脂肪分の少ない牛肉を食べましょう。そのほかのDHAの供給源として、サーモンがあります。1週間に2回以上、6オンス分の天然サーモン(ただし、アトランティックサーモンを除く)を食べ、オメガ3脂肪酸が豊富なクルミをサラダにまぶしたり、ヨーグルトにアマニ油大さじ1杯をかけたり、調理するときにキャノーラ油やオリーブオイルといった食物油を使うようにしましょう。また、カップ2分の1の大豆や1カップの豆乳、4オンス分の鶏肉や豚肉、大さじ2杯分のアマニ油、手のひら1杯分のカシュー、ぴスたちお、ヒマワリの種などで、コリンを摂取してください。
食物アレルギーとともに生活する場合は、おそらくすでに次のような予防措置を取ることを知っていると思います。でもそれは、あなたとこれから生まれてくる赤ちゃんの世話をしているので、思い出す価値があります。もしアレルギーがひどい場合は、緊急時に救急キット(訳者注:「エピペン」という商品名を「救急キット」に置き換えています)を常に持ち歩いてください。また、注意深く食品ラベルを読んだり、注文前に必ずアレルギーについてレストランに確認してください。もし、妊婦用ビタミン剤に加えて追加のサプリメントが必要な場合は、判断材料として、医師に状況を伝えてください。