うちの子にはどのくらいの量の粉ミルクをあげればいいの?

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あなたのお子さんにぴったりの量の、魔法のような粉ミルクは残念ながら売っていません。あげるべき量は、赤ちゃんの体重、月齢、食欲や、離乳食が始まってからは、食べている量に応じて異なるのです。しかし、基本となるガイドラインや一般的なアドバイスは存在します。これを参考にすれば、あなたの赤ちゃんにあげるべき粉ミルクの量や頻度が粗方わかるようになっています。

母乳をあげているときは、赤ちゃんが十分な量を摂取できているかどうかを確かめるための方法はいたって単純です。十分に排泄していれば、十分に摂取できているという証拠です。はかったり、分量を数えたり、流し込むという作業は必要ありません。一方、哺乳瓶は、ちょっとした計算が必要です。赤ちゃんがどれくらい飲むかの目安や、1日面倒を見てくれるベビーシッターにどれくらい作って置いておけばいいのか、1週間にどれくらいのストックが必要なのか、知りたいでしょう。これらを知りたい場合に、粉ミルクの量に関する基本的なガイドラインは非常に役立ちます。

一方で、このガイドラインを参照する上で注意もあります。哺乳瓶で育てられている赤ちゃんも、母乳で育てられている赤ちゃんと同様に、おなかがいっぱいになったかどうかは自分でわかります。しかし、哺乳瓶の場合、ミルクをあげる量がお母さんやお父さんによって調節できるため、瓶に入った最後の何グラムかを無理に飲ませようとする傾向にあります。ミルクの恩恵を受けすぎると、今度は赤ちゃんの体重が増えすぎてしまいかねません。そのため、赤ちゃんからのサインを見逃さないようにし、決められたグラム数にとらわれすぎず、赤ちゃんの食欲に合わせるようにしましょう。赤ちゃんが十分に体重が増えていて、尿や便も十分に出ていて、健康で幸せなら、何も問題ありません。授乳に関しては、飲みたいと要求するのも、おしまいも、あくまでも赤ちゃんの意思を尊重しましょう。

粉ミルクの一般的なガイドライン

ガイドラインの注意点を知ったはいいけど、赤ちゃんに必要な粉ミルクの一般的な量はどれくらいなの?とまだ疑問が残っていますよね。おおまかな目安としては、赤ちゃんが6ヶ月未満で、まだ離乳食を始めていない場合、1日に、体重1ポンドあたり2~2.5オンスの粉ミルクをあげるのが良いとされています。たとえば、赤ちゃんの体重が10ポンドだとしたら、1日に20~25オンスの粉ミルクが推奨されているということになります。つまり、24時間で考えるとすると、4時間おきに授乳したとして、1回にあげる量は3~4オンスということになります。

しかし、赤ちゃんは一人ひとり違うということを忘れないでください。体の大きな赤ちゃんは、小さな赤ちゃんよりもたくさん飲む傾向にありますし、日によって、または授乳の度に食欲が変化することもあるでしょう。そのため、上記のガイドラインは、大体の目安としてのみ使うようにしましょう。赤ちゃんの毎回の授乳であげる量に、絶対はありません。常に赤ちゃんからのサインを見逃さないようにしましょう。授乳中によく動いたり気が散っている場合は、もう十分に飲んだというサインの一つです。瓶が空になってからも、もっと欲しいと言っているかのように唇を鳴らすようなら、まだおなかが空いているということかもしれません。

月齢ごとのヒント

・新生児
あなたの可愛い赤ちゃんの胃は、こぶしと同じ大きさ(あなたではなく、赤ちゃんのこぶしですよ)と、とても小さいため、授乳ははじめは焦らずに少量から始めましょう。新生児には、3~4時間おきのペースで、それぞれにつき1~2オンス程度で十分でしょう。徐々に量を増やしていき、もっと欲しいと言ってきたら追加してあげましょう。このときも、赤ちゃんの要求以上に飲ませることはしないように注意してください。

・2~4ヶ月
粉ミルクで育てられている赤ちゃんの体重が12ポンドに到達する、2~4ヶ月頃になると、夜中の授乳の必要がなくなってくるでしょう。日中に飲む量が増え、睡眠も徐々に規則正しくなっていきます。胃も大きくなってくるため、日中の授乳と授乳の間の時間も延びてきます(大体4~5時間おきになってきます)。また、夜に最後にあげる時間(例えば、夜中の12時)から朝一番(6時ごろ)にあげるまでの時間も延びてくるでしょう。

・6ヶ月
ミルクと平行して離乳食もあげるようになると、粉ミルクの量は少し減らさなければなりません。この頃になると、1回の授乳につき6~8オンスのミルクを飲むようになりますが、1日あたりの総量は32オンス以内に抑えなければなりません。この量は、American Academy of Pediatricsが出している、6ヶ月以下の赤ちゃんに推奨されている限度です。お子さんがいつもこの量よりも多く欲しがる場合は、医者に相談してみてください。

食べすぎの対処方法

親に促されなくても、おなかいっぱいになるまでミルクを飲んだり、離乳食を食べられるようになる健康な赤ちゃんは、その子にとってちょうどいいペースで成長します。お子さんの体重が安定して増えていて、増加の仕方がグラフ上問題なければ、食べすぎを心配する必要はありません。しかし、哺乳瓶が「食べ放題」状態になってしまっていたら、簡単に必要以上の量を摂取することができてしまいます。赤ちゃんが必要以上にミルクを飲んでしまっているサインはいくつかあります。

・頻繁にミルクを吐き出す
あげすぎてしまうと、ミルクが溢れる、つまり、頻繁に吐き出すことにつながってしまいます。赤ちゃんのおなかにミルクが入りすぎてしまえば、当然もどしてしまいます。
・体重の増えすぎ
赤ちゃんの体重が、身長と比例せずに急に増えていたら、医者に確認しましょう。体重が増えすぎている要因が、ミルクの飲みすぎにあるかもしれません。

赤ちゃんが食べすぎの傾向にあると医者に言われたら、ミルクの摂取量と体重の増加率を減らすためにできることはいくつかあります。

・正しい理由にしたがって授乳しましょう。正しい理由とは、おなかが空いているから、というものです。機嫌が悪いから、退屈しているから、ちょっと怪我をしたから、構ってもらいたいから、といった理由は、授乳をする正しい理由とは言えません。少し前に授乳したのに機嫌が悪いという場合は、余計にミルクをあげるのではなく、寄り添ってあげることで、落ち着かせましょう。授乳直後に機嫌が悪い場合は、もっと欲しいのではなく、ゲップがしたいだけの可能性もあります。遊んであげる暇がないときは、哺乳瓶をあたえるのではなく、ベッドメリーで遊ばせてみましょう。スーパーでの買い物中に構っていられないときは、おやつをあげるのではなく、おもちゃをあたえたり、歌をうたってあげましょう。

・赤ちゃんの吸いたい欲求を満足させてあげるために、おしゃぶりをあげてみましょう。赤ちゃんによっては、食事と食事の間や、授乳のあとに、追加の哺乳瓶ではなく、単純に吸い足りないという場合もあります。

・粉ミルクを薄めすぎないように気をつけましょう。粉ミルクを作るときは、必ず表示の指示に従い、水の量が少なすぎないか確認してください。水が少ないと、1オンスごとのカロリーが増えてしまいます。

・お子さんに水を飲ませてもいいかどうか医者に確認しましょう。通常、離乳食が始まるまでは水は飲ませないほうがいいとされています。少しでも水を飲ませてしまうと、十分にミルクを摂取できていないのに、おなかがいっぱいと感じてしまいます。ただし、医者の指導なしで、摂取カロリーを減らす目的で粉ミルクを水で薄めないでください。ナトリウムのバランスが崩れてしまう恐れがあります。

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