血糖コントロールと運動

その他

運動は血糖を低下させる効果があります。

主な理由は、運動をすることにより、インスリン感受性が改善されるということです。感受性が高まると、腎臓内の細胞が、より多くのインスリンを使って、血糖を取り込むことができるようになります。

また、運動中に筋肉が収縮することで、インスリンとは全く異なった機能も刺激されます。この機能により、細胞は血糖を取り込み、エネルギーに転換することができます。従って、腎臓内のインスリンが利用できなかったとしても、血糖を取り込むことができるのです。

これが、運動が短期間で血糖値を下げる仕組みです。また、定期な運動習慣は、HbA1cを低下させる効果もあります。

血糖反応を理解する

運動の血糖値への影響の度合いは、運動の時間や強度を含め、様々な要因によって異なります。運動によりインスリン感受性が高まることで、運動後の24時間もしくはそれ以上の間、血糖を下げる効果があるとされています。

運動によって、血糖値がどのように変化するのか、正しく把握するようにしましょう。運動前後に頻繁に血糖値を測り、見比べてみてください。運動が血糖値にどのように作用しているか、確認することができます。また、血糖値を頻繁に確認することで、運動だけでなく、色んな身体活動が、血糖値がどのように影響を与えているかも分かるようになります。このようなパターンを理解することで、自分で血糖値をうまくコントロールできるようになります。

低血糖および身体活動

糖尿病を持つ人は皆、低血糖になる可能性を持っていますが、特に1型の人はリスクが高いとされています。逆に2型の人は、インスリンまたはインスリン分泌促進薬を使用している場合を除いては、運動中または運動後に低血糖の問題を起こす可能性は低いです。

運動中または運動後に低血糖になった場合は、すぐに治療してください。通常の低血糖時と同じプロセスをとるようにしましょう。以下を参考にして下さい。

1.即効性の高い糖質(スポーツドリンク、糖分無調整のソーダ水、ブドウ糖タブレットなど)を少なくとも15〜20グラム以上とる。
2.15〜20分待って血糖値を再度確認する。
3.それでも血圧が低く、低血糖の症状が消えない場合は、治療をやり直す。
4.気分が良くなったら、定期的な食事と軽食を計画通りに食べて、血糖値を上げる。

運動を続けたい場合、運動の内容や血中のインスリン量によって異なっては来ますが、通常は血糖値を上げるために休息をとるべきです。休息をとった後、再開するのは血糖値が100mg / dlを超えてからにしてください。

低血糖は運動の間、また運動後しばらく経ってから起こるため覚えておきましょう。特に、以下の場合に可能性が高くなります。

・インスリンまたはインスリン分泌促進薬を摂取した
・運動後30分から2時間以内に食事をとらない
・長時間の運動
・激しい運動

運動することで、低血糖が頻繁に起こるようであれば、治療計画の調整について医師に相談してください。運動の前に少しおやつを食べたり、投薬を調整する必要があるかもしれません。長期間の運動する習慣がある人は、運動中および運動後の低血糖症を予防するために、食事量や投薬の調整が必要になります。

食事計画を変える必要がある?

殆どの人は1度に1時間以上運動しない限り、食事プランに炭水化物を追加する必要はありません。体重を減らそうとしている人にとっては、食事計画に余分な食べ物を加えると、せっかく運動で燃焼したカロリーをまた増やしてしまいます。運動の効果を最大化するために、今の食事プランは変えず、引き続き健康的な食事を取るようにしてください。野菜、果物、全粒粉、低脂肪または無脂肪の乳製品、赤身肉のバランスを上手く調整しましょう。

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