再調査によると、無糖ドリンクは健康的だという証拠はない

その他

「ダイエット・コーラのような人工甘味料で作ったソフトドリンクは、体重を減らすのに役立つわけではなく、全糖と同じくらい肥満の大きな原因になるかもしれない」とGuardianが報道しています。
見出しは決定的に聞こえるかもしれませんが、これは新しい研究に基づく論拠ではなく、意見書(または記述レビュー)の結論です。
大手食品会社や大手飲料製造業者は、虫歯および2型糖尿病の発生率の増加など砂糖入り甘味飲料が健康に及ぼす影響について高まる懸念に、人工甘味料入り飲料を健康的な代替物として促進することによって対応しています。しかし最近の研究は、人工甘味料入り飲料が実際にはより良い選択肢ではない可能性があることを示唆しており、このレビューではそのことをさらに検討することを目指しました。
このレビューでは、人工甘味料入り飲料は砂糖入り甘味飲料と同じくらい悪いと主張しており、国の栄養ガイドラインは砂糖入り甘味飲料の代わりとして人工甘味料入り飲料の摂取を推奨すべきではないと述べています。このレビューは、人工甘味料入り飲料が適正体重になるのを助けるなどの健康を向上できるという「一貫した証拠はない」と結論付けています。しかし、証拠がないからといって、効果そのものもないわけではありません。レビューは体系的ではないので、関連するすべての証拠が考慮されているかどうかは確かではありません。

ストーリーはどこから来たのですか?

レビューはインペリアルカレッジロンドン、セントルイスワシントン大学、サンパウロ大学などの英国、米国、ブラジルの様々な機関の研究者によって行われました。研究者各々は、Conselho Nacional de Desenvolvimento Científico e TecnológicoやNIHR Research Professorship賞などさまざまな資金源を報告しました。査読の上で医学雑誌PLOS Medicineにオープンアクセスジャーナルで掲載されたので、この研究は無料でオンラインで読むことができます。
予想どおり英国のメディアは、「ダイエットドリンク」はより健康的な選択肢とはいえないという主張に飛びつきました。しかしほとんどのメディアは、少なくとも見出しでは、これは先行研究のレビューであるのに、新しい研究であるという誤った印象を与えました。ただ、ほとんどのメディアが、レビューの限界を掘り下げて調査しました。

これはどんな研究でしたか?

これは、様々な研究データを集めた、エビデンスに基づいた記述レビューです。このレビューは、人工甘味料入り飲料が砂糖入り甘味飲料よりも良い選択肢というわけでは実際はないという仮説を探求しました。
研究者は、ランダム化比較試験(RCT)および観察研究などの異なるタイプの試験からの論拠を評価しました。また、各研究手法の強みと限界についても議論しました。
先行研究をどのように選んだのかということについては記述されていません。データベースを検索したのかどうか、先行研究として採用するときの基準があるかどうかは言及されていませんでした。このように、レビューが体系的に行われたかどうかはわかりません。
体系的ではないレビューは、特定のトピックに関する研究を要約するのに有用ではありますが、反論を十分に検討しなかったりその他の関連する証拠に言及しないというリスクを冒します。

研究者は何を発見しましたか?

このレビューは、砂糖入り甘味飲料と人工甘味料入り飲料についての背景と、それらと世界的な肥満の危機にはつながりがあるかもしれないという疑いを述べることから始まります。次に、肥満の危機は、非伝染病(2型糖尿病などの感染症に起因しない病気)の急激な増加の原因と考えられていることを述べます。また、健康上の問題に対処するためにガイドラインと栄養方針がどのように策定されたのかについても強調しています。
レビューは人工甘味料入り飲料の潜在的な影響についての証拠を説明します。観察コホート研究とランダム化比較試験を利用したいくつかの系統的レビューが、人工甘味料入り飲料と体重減少との関連を見出していることを認めています。
また、砂糖入り甘味飲料を人工甘味料入り飲料に置き換えると、体内でさまざまな反応が引き起こされる可能性があるという懸念が長年あるとも指摘します。人工甘味料入り飲料は低カロリーだと認識するがために、食欲が増加する、甘いものをより好む、または単に固形食品を過剰に摂取するなどの反応も含み得ます。しかしこれらの懸念は、いかなる確かな証拠によっても裏付けされていません。
主な論点は、人工甘味料入り飲料が持ち得る健康への負の影響を中心にしています。また、甘味飲料の環境への影響についても触れており、政策への影響についても議論しています。
研究者らは、食事ガイドラインでは一般的に砂糖入り甘味飲料の摂取を避けるか減らすことを推奨しているものの、人工甘味料入り飲料に関するガイダンスはまちまちだと述べています。

どう結論づけたのですか?

「体重増加防止における人工甘味料入り飲料の役割を支持する証拠がなく、健康への他の長期的影響に関する研究が不十分なので、人工甘味料入り飲料を健康的な食生活の一環として推奨すべきではない。」研究者はこのように結論付けました。
「具体的には、人工甘味料入り飲料は食事指導に推奨されるべきではなく、広告や宣伝の制限は砂糖入り甘味飲料と同程度にすべきだということだ。砂糖入り甘味飲料に適用される新しい税は、人工甘味料入り飲料にも同じレベルで適用されるべきである。」

結論

このレビューは、砂糖入り甘味飲料と比較した人工甘味料入り飲料の潜在的な健康への負の影響を調査する研究を調査しました。このレビューは、と、甘い飲み物の環境への負の影響と共に人工甘味料入り飲料と世界的な肥満の危機との関連性について議論しており、かなり偏っています。
研究者は、国の栄養ガイドラインは、砂糖入り甘味飲料の代わりに人工甘味料入り飲料を摂取することは推奨すべきではないと提案しています。
しかし、このレビューにコメントした多くの専門家は、人工甘味料入り飲料の効果の根拠が不足していても「ダイエット飲料」は減量しようとする人には砂糖入り甘味飲料よりも良いとの意見を表明しました。
グラスゴー大学のNaveed Sattar教授(代謝医学教授)は、次のようにコメントしています。
「体重について、ダイエット飲料が砂糖入り甘味飲料よりも良いわけではないという意見には同意しません。私は、砂糖入り飲料とダイエット飲料を比較しても体重や心疾患などの最終段階にどのような影響を与えるかはわからないという適切な研究に基づく根拠に同意していますが、直感的には、カロリーが多い(すなわち砂糖入り甘味飲料)は、カロリーがほとんどあるいは全くない飲料(すなわちダイエット飲料)よりも、歯科衛生上の観点、そしてカロリー摂取ひいては体重の観点から明らかに悪影響を与えます。そう考えないのは無責任です。」
オックスフォード大学のSusan Jebb教授は、「人工甘味料入り飲料は、カロリーを減らすための正しい方向への一歩」と語りました。
おそらく人工甘味料入り飲料は電子タバコのようなものでしょう。どちらも理想的ではないかもしれませんが、どちらももう一つの選択肢よりは優れています。

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