鎮痛剤による頭痛

鎮痛剤は頭痛を和らげるために役に立ちますが、週に2~3回以上服用した場合、鎮痛剤が頭痛の原因となってしまう可能性があります。
Hull Royal Infirmatyの神経科の最高専門医であるFayyaz Ahmed医師によれば、たびたび頭痛が生じる人の10人に1人は、鎮痛剤が原因の頭痛を抱えています。これは、彼らが頻繁に鎮痛剤を服用しすぎているために起こります。
「頭痛が原因で私の診察室を訪れる人のおよそ5%が、いわゆる薬物乱用頭痛を抱えています。鎮痛剤を定期的に、長い間服用していることによって起こる頭痛です。」
「この統計値は一般的な規模になるとより高くなるかもしれません。頭痛を抱えている人の5~10%は、鎮痛剤の服用のしすぎが原因で頭痛を起こしているということです。」
薬物乱用頭痛
鎮痛剤による頭痛(薬物乱用頭痛)、あるいは反跳性頭痛は、緊張性頭痛や偏頭痛のための鎮痛剤を数ヶ月に渡って服用した後に起こる、頻繁で慢性的な頭痛のことです。
奇妙なことに、薬物乱用頭痛は頭痛治療のための鎮痛剤を服用している人にのみ起こります。関節炎や背中の痛みなど、他の痛みを伴う症状に対して長期的に鎮痛剤を服用している場合は、この頭痛は起こりません。
薬物乱用頭痛の原因
通常、薬物乱用頭痛は鎮痛剤を長い間服用しすぎていることによって起こり、推奨された服用量を超えて服用したことによって起こることはありません。
「薬物乱用頭痛を起こす人のほとんどは、パッケージに書いてある以上の量は服用していないのです。」Ahmed医師は言います。
「この頭痛の原因は、推奨された鎮痛剤の量を長い期間服用し続けることにあります。1ヶ月継続して服用していた場合でも起こることがあります。」
「週に2回以上の頭痛用鎮痛剤を3ヶ月以上服用し続けた場合、反跳性頭痛が起こる危険性が非常に高くなります。」
この時点で何が起こっているかというと、自分の身体が鎮痛剤に慣れてしまっているのです。
反跳性頭痛は、鎮痛剤を最後に飲んでから約1日以内に再び鎮痛剤を服用しなかった場合に起こります。反跳性頭痛になる人は、この頭痛を緊張性頭痛や偏頭痛がまた起こったのだろうと考えてしまい、さらに鎮痛剤を飲んでしまうのです。
鎮痛剤の効果が弱くなると、再び反跳性頭痛が起こり、このサイクルがずっと続いていきます。
鎮痛剤を毎日服用し始める人もいますが、これは症状をより悪くするだけです。
避けるべき鎮痛剤
薬局で購入できる一般的な鎮痛剤のほとんどが、薬物乱用頭痛を引き起こす可能性のあるものです。以下のようなものが含まれます。
・コデイン
・パラセタモール
・非ステロイド性抗炎症薬(アスピリンやイブプロフェンなどの鎮痛剤)
・トリプタンとして知られている特定の抗偏頭痛薬(スマトリプタンなど)
しかしながら、他のものより薬物乱用頭痛を起こしやすい鎮痛剤もあります。
「コデインを含む鎮痛剤は、薬物乱用頭痛をもっとも引き起こしやすいです。」Ahmed医師は言います。以下にAhmed医師による薬物乱用頭痛を避けるためのアドバイスを挙げます。
・週に2回以上頭痛のための鎮痛剤を服用しないでください
・2日間以上連続して頭痛のための鎮痛剤を服用しないでください
・コデインと、SyndolやSolpadeinのようなコデインを含む鎮痛剤を避けましょう
薬物乱用頭痛の治療
薬物乱用頭痛に対する治療は至って簡単です。鎮痛剤の服用を止めればよいのです。
Ahmed医師によれば、何ヶ月あるいは何年もの間鎮痛剤に依存している場合、もっともよい方法はその服用を突然止めることです。
「服用を止めた直後は頭痛が悪化し、体調不良になったりよく眠れなかったりしますが、7~10日後、つまり鎮痛剤が体内から出て行った後には、気分がよくなるでしょう。」Ahmed医師は言っています。
コデインを含んだ鎮痛剤によって数年間薬物乱用頭痛を患っている場合、突然服用を止めることは危険であるかもしれません。服用を止める代わりに、服用する鎮痛剤の量を徐々に減らしていきましょう。これは医者の管理のもと行われることが望ましいです。
薬物乱用頭痛の予防
薬物乱用頭痛が治まり、緊張性頭痛や偏頭痛がいつもどおりに現れ始めたら、必要に応じて鎮痛剤の服用を再開することができます。
「薬物乱用頭痛を抱える人の70~80%は、鎮痛剤の定期的な服用を止めようとし、結果としてはるかに体調がすぐれるようになっています。残りの20~30%の人は時を経て症状が再発し、苦しい時期を再び過ごさなければならないこともあります。」Ahmed医師は言っています。