妊娠中に皮膚に起きる変化

吹き出物、あせも、変色―妊娠中に起こりうる皮膚トラブルの原因と、その対処法についてまとめました。
妊娠中は皮膚はどのように変化しますか?
妊娠中に起こりうる皮膚トラブルにはいろいろなものがありますが、発疹、赤み、ニキビ、変色などが発生します。
妊娠中の皮膚トラブルの原因
妊娠ホルモンの影響により、毛穴から過剰に油分が分泌したり、あせもができやすくなったり、顔、脚、手のひら、足の裏が変色したりします。また、PUPPP (Pruritic Urticarial Papules and Plaques of Pregnancy)という妊娠中に出る皮膚発疹や、妊娠線も妊娠ホルモンが影響しています。スキン・タグや、皮膚に小さい突起が出るのも、妊娠中にはよくあることです。これは、とくに腕の内側にできることが多いです。
知っておいたほうがいいこと
妊娠中に肌がきれいになる人がいるということを知っていましたか?運が良い人は、妊娠中に美肌を経験しますが、ほとんどすべての皮膚トラブルを経験する人も少なくありません。小さい頃に経験したあせもや、思春期に経験したニキビや顔のテカリを思い出して嫌な気持ちになったとしても、出産して数週間後には改善するので、心配しないでください。
対処法はありますか?
・妊娠食を続けてください。妊娠食は、肌をきれいに保つために必要な栄養素をバランスよく含んでいます。
・水を一日8杯を目安に飲むようにしてください。水分をたくさんとることで、肌を保湿し、健康に保つことができます。
・吹き出物に悩まされている場合、肌に優しい洗顔フォームで一日に二回顔を洗ってください。スクラブ入りのものなどは、肌に刺激を与えやすくなってしまうので注意してください。優しくピーリングし(やりすぎに気をつけてください)、オイルフリーの保湿クリームで保湿してください。肌がむき出しの状態だと、吹き出物ができやすくなってしまいます。
・化粧品やスキンケア商品は、毛穴を詰まらせないものや、無香料のものを使用するようにしてください。また、オイルフリーのものは、皮脂の過剰な分泌や毛穴詰まりを防いでくれます。オイリー肌の方におすすめです。乾燥肌の場合は、保湿力の強いものを選ぶようにしてください。
・ビタミンB6を含むサプリメントは、ひどいニキビに効果があります。服用については、医者とよく相談してください。
・皮膚科を受診する場合、必ず妊娠していることを伝えてください。アクネ菌に効果のある薬などは、妊娠中に服用してはいけないものがあります。
・顔を洗いすぎると、肌の水分を失ってしまいます。洗う時間は短めにし、熱いお湯ではなくぬるま湯で流すようにしましょう。肌がひどく乾燥している場合、保湿クリームを使用したり、部屋に加湿器をおくようにしてください。
・湿疹がでているときは、少量のコルチゾンクリームは通常安全に使用できますが、医者に相談し、おすすめのものがあればそれを使用するようにしてください。
・手のひらが赤くなる場合、様子を見ましょう。通常、出産後にこの症状は消えます。
・スキン・タグは、通常妊娠中にあらわれ、出産後に消えます。消えない場合は、皮膚科に行って治療してもらってください。
・あせもがでたら、涼しさを保つことが重要です。シャワーの後にコーンスターチを肌にふりかけ、きつい服や過度に暖かい服装は避けてください。
・PUPPPが疑われる場合、医者に診てもらってください。出産後に治る場合がほとんどですが、状況によっては薬を処方されることもあります。