臍帯血バンクF&Q

臍帯血バンクを考えるとき、よく情報を得ておくことが重要です。臍帯血バンクについてもっと知りましょう。以下はよくある質問です。12個の質問と回答をまとめました。
1.臍帯血とは何か?
臍帯血、または胎盤血は、切られた赤ちゃんのへその緒に残された血液のことです。この血液は多くの種類の幹細胞を含んでいて、造血幹細胞もそのうちの一つです。この細胞は他のどの種類の血液や免疫システムの細胞に変わることができます。この細胞は骨髄、臍帯血、胎盤血にのみ含まれており、血液障害、免疫障害や他の病気の患者の治療のために移植されます。臍帯血は遺伝的に個人特有のもので家族の幹細胞に似ています。骨髄と違い、臍帯血は容易に採取することができますが、出産直後の人生に一度しか採取することができません。
2.いま臍帯血内の幹細胞によってどのような病気が治されているのですか?
臍帯血内の幹細胞は、白血病(血液免疫システムの癌)、骨髄癌、リンパ腫および神経芽細胞腫; 鎌状赤血球などの遺伝性赤血球異常疾患および貧血; ゴーシェ病およびハーラー症候群; 遺伝的の免疫および免疫細胞障害などの様々な病気の標準治療法としてみなされています。臍帯血幹細胞は他にも糖尿病、脳性まひ、出生時に発見される特定の心臓障害の治療法として調査されていますが、いまは標準治療法ではありません。
3.いつどのようにして臍帯血は採取されるのですか?
臍帯血は出産直後、へその緒を固定し両側を切断した後(胎盤がでてくる前でも後でも構わない)数分で迅速に痛みを伴わずに採取されます。血液は臍帯から針を使って抜き出され、また”重力バッグ”を使って採取されます。
4.臍帯血は保存してどのくらい持ちますか?
臍帯血幹細胞は生存し続けることで知られていますー実際に、冷凍されたままの状態で20年後も生存し続けるのです。これにより、科学者は適切な冷凍と液体窒素での保存によって細胞を何十年も、もしくは永遠に保存することが可能だといっています。
5.子供が臍帯血を必要とする可能性はどのくらいありますか?
子供が自身の血液を病気の治療のために必要とする可能性は明確にはわかりません。多くの臍帯血幹細胞を用いる治療は患者自身の幹細胞ではなく兄弟など適合ドナーのものを用います。しかし”新生治療”ーまだ研究がすすめられており証拠はありませんがーは子供自身の血球を使います。新興療法の大半は子供自身の幹細胞を用います。
子供が他のドナーからの臍帯血を必要となる可能性も正確にはわかりません。多くの病気(いくつかのタイプの癌など)は不特定の理由から引き起こされるので、これらの病気を治せる幹細胞移植の可能性を余地するのは難しいといえるでしょう。しかし近親者からの幹細胞移植のほうが他人からのものに比べて良い結果がでるという初期の証拠があります。
The American Academy of Pediatrics (AAP)によると子供が自身の保管された幹細胞を必要とする正確な可能性や推定はでておらず、the American College of Obstetric and Gynecologist (ACOG)はその可能性は低いと発表しています。(可能性は2700分の1という専門家もいれば、もっと低いと首長する専門家もいます。)ACOGは医者は妊婦患者にバランスのとれた情報、公的バンクへの寄付とプライベートバンクでの保管の良い面と悪い面を与えるよう進めています。
6.赤ちゃんの臍帯血を保管するのに選択肢はありますか?
いまでは、家族には2つの選択肢がありますー公的バンクへの寄付とプライベートバンクに臍帯血を保管するものです。
公的臍帯血バンクでは、臍帯血は公的バンクに寄付され、移植の必要な人の使用のために保管されます。また医療研究に用いられる場合もあります。両親が赤ちゃんの臍帯血を寄付すると、全ての権利は臍帯血バンクに渡りますーつまり寄付した家族が将来臍帯血を必要としても、使えるかどうか保障はないということです。臍帯血の寄付は無料です;公的バンクが血液の採取と保管に費用を払います。
プライベート臍帯血バンクでは、将来子ども自身や家族(両親や兄弟)が臍帯血を使うために、両親がバンクに費用を払って臍帯血を保管します。家族が臍帯血を所有しているので、それがどのように使われるか重要な決断を下すことができます。プライベートバンクの費用はバンクによって異なりますが、一般的には最初の血液の採取に1000ドルから2000ドル、年間費として100ドルが毎年かかります。
7.もし赤ちゃんの臍帯血を寄付したら、その後どうなるのですか?
血液が採取されたら、検出されます。母親の血液は感染症の検査をされ、臍帯血は遺伝的な血液障害がないかどうかスクリーニングされます。そして、採取量が十分でバンクに適切だと判断されると(寄付された血液は母親や家族の病歴、量の不十分や他の原因などにより保管に適さないと断られる場合があります)、ゆっくりと冷凍され液体窒素の中で保管されます。
8.どうやって臍帯血を寄付できますか?
多くの地域の病院や大学病院、医療センターで臍帯血の寄付を承認してくれますが、公的バンクの数は限られています。血液を保管・維持するのに多額の費用がかかるためです。病院に連絡してどのように赤ちゃんの臍帯血を寄付できるか聞いてみましょう。
9.プライベートに臍帯血を保管したらどうなりますか?
プライベートバンクに赤ちゃんの臍帯血を保管すると選択した場合、会社が採取キットを送ってくるので出産する病院や出産センターに持って行きます。看護士や医者が血液採取の責任者です。血液はプレラベルされた採取キットに詰められ、指定された送り方で運ばれます。バンクが血液を受け取ったら、検査され(汚染などの)冷凍され、液体窒素の中で保管されます。
母親の血液も病気に感染していないか検査を受けますが、ヒト白血球抗原(HLA)タイピング(血液が特定の患者に合致するかどうかを決定する)と呼ばれる血液検査は血液が実際に必要となるまで行われません。
10.プライベート臍帯血バンクについて誰にコンタクトをとればいいですか?
プライベートの臍帯血バンクについてもっと知りたかったり、近くのバンクを探したい場合は、医者や看護士に相談してみてください。
11.プライベートバンクを選ぶにあたって特別に注意したほうがいいことはありますか?
プライベートバンクを決めるにあたって、多くの要素を見ておきたいでしょう:会社の信頼度、安定度、同意のプロセスに関する情報が多くあるか、プロセスと管理の技術、潜在的な利益闘争が発覚した場合個人的、家族でのバンクの使用は認めるか。
またプライベートバンクが国の基準に準拠しているかどうかも調べましょう。
12.子供の臍帯血をプライベートバンクに寄付したいのですが、費用をまかなえません。どうすればいいですか?
多くのバンクは前払いに月払いのプランを用意しています。兄弟や家族が幹細胞の移植が必要だったり近々その必要があるなど、明確な医療的必要がある場合には無料もしくは割引で利用できるバンクも多くあります。家族は特定の基準に満たさないといけません(移植を必要とする人の病気は幹細胞で治療できるものであるなど)。
兄弟や家族がすぐに移植の必要がある場合は、ほとんどの健康保険が血液採取の費用をまかなってくれます。そうでなければ、保険会社が臍帯血採取の費用をまかなうことはめったにありません。自分の保健会社や健康プランについてチェックしましょう。