コーヒーを効果的に飲むには

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コーヒーというのは、飲み方一つで強壮剤にも鎮静剤にもなり得ます。例えば朝食時の一杯や、通勤途中の一杯、職場で飲むラテや、食後のエスプレッソなど、これは果たして健康的な習慣といえるのでしょうか、それとも中毒に分類されてしまうのでしょうか。確かにコーヒーに含まれるカフェインには、作業効率を向上させたり、一時的に注意力や集中力を高める効果があります。ただし、コーヒーの原材料であるカフェインはあくまでも薬で、ビタミンやミネラルなどといった、健康に必須の栄養素ではないということを念頭に置かなくてはいけない、と専門家は言います。そしてあらゆる薬の例に漏れず、カフェインも、使い方次第では薬にも毒にもなり得るのです。
公認栄養士かつ疫学者であるGail Frankさんは、以下のように述べています。
「正しい使い方というのは、それがどういう風に体と思考に作用するのかを知ることです。逆に間違った使い方というのは、例えば、睡眠不足のときに眠気覚ましとしてコーヒーを飲んだりするように、それを乱用することです」
実際、コーヒーを飲みすぎると、高血圧や骨粗しょう症、睡眠障害、あるいは怒りっぽくなったりと、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
またLong BeachのCalifornia State University で栄養学の教授を務めるFrankさんは、「もう一つの間違った使い方というのは、親がコーヒーを子供の精神的支えにしてしまうことです。活力剤としてだけでなく、その他の栄養豊富な飲み物の代わりにしてしまうこともあります」と述べています。さらに、骨が成長中の子供や若者にとって、カフェインはより一層危険です。というのも、カフェインには骨から成長に必要なカルシウムを浸出させ、成長を阻害したり、骨をもろくする効果があるからです。具体的には、コーヒーを6オンス飲むごとに、カルシウムが5ミリグラム失われるという計算になります。ただしコーヒーに牛乳をスプーン2杯分入れたり、エスプレッソをラテにすることによって、流出した栄養素を若干取り戻すことが出来るとFrankさんは言っています。

コーヒーに関する良い習慣作り

最後に、出来るだけ健康的にコーヒーを飲むためのヒントを紹介します。

・カフェインの影響を受けやすい人もいます。ですので、たとえ知り合いがコーヒーをたくさん飲んでも夜ぐっすり眠れるという人でも、それに惑わされずに、自分自身の限界を見極めましょう。
・様々な研究で、一日1~3杯程度(カフェイン300ミリグラムまで)であれば、特に健康に悪影響を及ぼすことはないと結論付けられています。ただし子供や妊娠中の女性、高齢者、および心臓病あるいは消化性潰瘍の患者はカフェインの影響を受けやすいと考えられているため、量を制限したほうが良いかもしれません。
・カフェインの含有量は焙煎や醸造方法、カップのサイズによって大きく変わります。例えば、最新の研究によると、スターバックスのオリジナルブレンドは、16オンスカップに平均259ミリのカフェインが含まれていたのに対して、ダンキン・ドーナツでは同じサイズのカップに143ミリしか含まれていなかったそうです。
・多くの人にとって、カフェインの主な供給源はコーヒーですが、ソフトドリンクやお茶、チョコレート、風邪薬や頭痛薬にも含まれているため、知らず知らずのうちに1日の摂取規定量を超してしまう可能性があります。
・コーヒーを常飲している人がたまたま飲まなかったりすると、頭痛や眠気などの、一時的な「カフェイン離脱」を経験することがあります。しかしこの症状は新たにカフェインを摂取した後24から48時間以内に消えるでしょう。
・一部の薬は、カフェインと相互作用する可能性があります。薬を処方された際は、カフェインとの潜在的相互作用がないかどうか、医師と相談してみましょう。

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