読み聞かせについて知っておきたいこと

読み聞かせについて
読み聞かせはお子さんが生まれた日から始めているかもしれません。お子さんはいつお話の時間に物語の内容に興味を持つようになるのでしょうか?
ほとんどの赤ちゃんは、初めて単語を覚えるずっと前から、両親が大きな声で読み聞かせをするのを聞くのが大好きです。お話の時間はお子さんの好きなものを組み合わせています。心地よく横たわることができて、挿絵は興味をそそられるし、音は魅力的だし…そしてもちろん、あなたが好きなのです。生後約6ヶ月で、赤ちゃんは読み聞かせに出てくる簡単な言葉を理解し始めます。数ヶ月後には、お子さんは好きなフレーズを繰り返したり、お気に入りの本を何回も読んでもらったり、色や動物、物の名前を読み上げると指し示すようになるなど、お話の時間はもっと双方向のやり取りになります。お話の時間は遊びの時間のようなものだとお子さんが理解すれば、本を愛し学ぶ人生を始めさせたことになります。
いつ始まるの?
理解語彙(意味のわかる言葉)は表現語彙(意味を認識して自ら発することができる言葉)とは異なる経過を経て発達します。そしてお子さんは、本に出てくる言葉を言えるようになるずっと前からその言葉の意味をわかっていると思われます。生後12ヶ月から18ヶ月になると、多くの赤ちゃんは自分が知っている本の中の色や動物、登場人物や物の名前を聞いたら指差すので、理解できる言葉が増えていることがわかります。この時期の子どもの多くは指先の運動技能が発達している最中なので、紐が出てくる、挿絵が飛び出してくる、ボタンがついているなどのインタラクティブな要素を持つ本が好きなことがあります。
お子さんにたくさん読み聞かせしてあげましょう。
・小さなワードプロセッサーです。この時期は子どもの語彙が開花する時期です。読み聞かせは、学習中の新しい言葉やそれが使われる文脈の理解を強化します。たとえば、虹の色や、虹が何であるかなどです。シマウマなど、日常生活では遭遇しないことの多い言葉にも触れられます。お子さんはあなたの話を聞くのを楽しみながら、自分が学んでいるすべての言葉を使うための新しい方法を習得します。
・言語学的な知識を身につける準備ができています。お子さんに読み聞かせすれば、かなをマスターし、音素の認識を発達させ(言葉が音のグループで構成されていることを理解するということ)、本のページに書かれている印は文字や単語(そして物や概念)を表現しているということを学ぶなど、子どもが学習する下地を作ることができます。
・本を読むことで学校への準備をすることができます。「本当」の学校は何光年も先にあるように思えるかもしれませんが、すぐそこにあるのです(それに、少なくとも幼稚園では初歩的なレベルで読めることが期待されています)。早くから読書に親しんだ子どもは、自分でも早く読めるようになる傾向があります。
・本が成長の助けになることがあります。赤ちゃん時代から子ども時代への道は、1歳から3歳の間は浮き沈みが激しいものです(哺乳瓶にさよならする、おむつを捨てるなど)。お子さんが直面するであろう挫折と不安は言うまでもありません(後から生まれてきた弟や妹と競う、プレスクールが始まるなど)。お子さんに読み聞かせしてあげると、お子さんが理解できるような方法で課題を乗り越える助けとなり、これから直面する険しい新しい世界に適応するのに役立ちます。
より良く読み聞かせをするために
アメリカ小児科学会(AAP)は、赤ちゃんの頃から読み聞かせをしてもらっていた子どもはより良い言語能力を持ち、就学後も読書に興味を持つので、幼少期からの読み聞かせは生涯にわたる成功のための準備になるとして読み聞かせを推奨しています。本を一緒に読むことは赤ちゃんと両親の絆を強めます。親子間の絆は赤ちゃんの認知力の発達に不可欠です。だから早い時期から、絵の中の物や登場人物、動物、色、手触り、大きさを指差しながら、お子さんに読み聞かせしてください。
動き回れるようになった時期で落ち着きがないとしても(歩き始めたときに座りたがる人などいるでしょうか?探検におあつらえ向きの世界が見つかったところで閉じ込められたい人などいるでしょうか?どんなに居心地の良い場所にいたとしても、お子さんが一番したいのは探検です)、本に没頭させる方法はいくつかあります。
・子ども向けの本を探してください。お子さんがかじったり、上に載ったり、どんなに手で扱っても大丈夫なくらい丈夫なボール紙の本を選んでください。引っ張れる紐や触ったり感じたりできる滑らかな布つきの本のほうがお子さんは興味を示すかもしれません。お子さんはビニールの本と一緒にバスタブの中に飛び込むのが好きかもしれません。家庭用品、動物、特に他の赤ん坊や子どもたちが描かれているような、明るく親しみやすい挿絵の本を探してください。ページをめくれるように、言葉は単純で数が少ないものにしましょう。韻と詩は子どもの耳には音楽です。子どもはリズムや単語の予測が大好きです。
・居心地の良い場所を作りましょう。書斎の静かな肘掛け椅子やクッションをたくさん積んだ子ども部屋の隅など、お話の時間を過ごす場所は心地よく魅力的で、気を散らすものがない場所でなければなりません。おもちゃやその他の誘惑は避け、十分明るいことを確認してください。あなたの肩の上から本のページを照らすように明かりを置くのが理想です。
・読み聞かせの習慣を作りましょう。できれば毎日同じ時間に読み聞かせしてください。理想的には、お子さんがはしゃいでいるときではなく落ち着いているときが良いです。目が覚めた直後はお子さんはまだ少し眠いなら、お風呂の後同様良い時間です。お子さんに棚から本を選ぶことを担当させて読み聞かせを始めるなど、簡単に繰り返すことのできる小さな習慣を考えて、お話のどこが好きだったか、そしてその理由を聞いて終わります。
・頻繁に読み聞かせしてください。習慣にできるのが最高ですが、昼食の後、昼寝の前、遊びの時間の後にお話の時間をいれても良いでしょう。食事中に物語を聞くのが好きな子どももいます。目が覚めていつつも穏やかなときならいつでも、本を読むための素晴らしい時間です。
・名優になりきりましょう。馬鹿っぽい声や動物の鳴き声を加えましょう。生き生きとして興奮したトーンで読み、たくさん解説をしたり、質問したり、「犬はどこ?」や「猫の頭には何がある?」などお子さんに理解度を披露する機会をあげましょう。
・お話の時間は短めにしましょう。読み聞かせを1時間しようなどとは考えないでください。まだ座れない赤ちゃんには15分も長いです。残り3ページだけになったとしても、お子さんがそわそわして集中力を保てなくなっていたら、本を閉じて遊ばせてあげましょう。お話の時間が戦いのようになると、お互いにとって読み聞かせが怖くなります。
・ママとパパも読書しているということをお子さんに伝えてください。本や雑誌を楽しんでいる様子をお子さんに見せましょう。お読みになっているものを声に出して読んでも良いでしょう。あなたに熱意があれば言葉は重要ではありません。どんな形であれ本のシャワーを浴びれば、語彙が増え、本の仕組みを学ぶのに役立ちます。
心配しなくてよいこと
お子さんがあまりにも落ち着きがなくて膝の上に座れない場合は、ソファーであなたの横に座らせるか横にさせたり、床で遊ばせたりしてください。お子さんの目が本を見ていなくても、聞こえてはいるかもしれません。そして、言葉は正確に書かれたとおりに読むように義務づけられているわけではありません。長い文章は要約して、お子さんが理解できなさそうな単語は似た単語に置き換えて、必要に応じて追加で解説(および効果音)を入れましょう。お子さんがストーリーに興味を示していない場合は、挿絵に集中しましょう。