生の鶏肉は絶対に洗ってはいけない

その他

食中毒について

調理する前に生の鶏肉を洗うと、カンピロバクターによる食中毒の危険性が高まります。
蛇口の下で鶏肉を洗って水が飛び散ると、細菌が手、調理台、衣服、調理器具に広がる可能性があります。
水滴はあらゆる方向に50cm以上飛ぶ可能性があり、カンピロバクター細胞が少しあるだけでも食中毒を引き起こし得ます。
カンピロバクター中毒では、腹痛、重度の下痢、発熱および嘔吐が引き起こされます。症状は通常、汚染された食べ物を食べてから2〜5日後に発症しますが、ほとんどの人は発症後2〜5日以内に治療を受けなくても回復します。
カンピロバクターに感染すると、時には過敏性腸症候群、反応性関節炎、流産およびギラン・バレー症候群になることもあります。幼児や高齢者、HIVやがんで免疫系が弱っている人には致命的です。

汚染された水滴

生の鶏肉を洗ったり、目に見える血液を洗い流したりしても、衛生的に安全になったりバクテリアを除去できたりはしません。生の鶏を凍結させるとカンピロバクター値が低下しますが、完全になくなるわけではありません。カンピロバクターを痕跡にいたるまで全て死滅させる最も確実な方法は、鶏肉を徹底的に調理することです。
このアドバイスそのものは目新しいものではありませんが、FSA(Food Standards Agency)の調査の結果、いまだに44%の人々が調理前にチキンを洗うことがわかりました。
また、この調査では、ほとんどの人々(90%)はサルモネラ菌と大腸菌は知っていましたが、カンピロバクターについては28%の人々しか知っていないことがわかりました。
これに対しFSAのスポークスマンは、「カンピロバクター中毒の発生件数は、大腸菌、リステリア、サルモネラが原因の食中毒の発生件数を合わせたものよりも多い」と述べています。

カンピロバクター中毒の予防法

1.生の鶏肉は包んで冷蔵する
肉汁が他の食品にかかってカンピロバクターなどの細菌で汚染されないように、生の鶏肉は包んで冷蔵庫の底に保管しましょう。
生の鶏肉は洗わない
カンピロバクターなど鶏肉に存在する細菌はすべて加熱調理で死滅しますが、鶏肉を洗うと細菌が飛散する可能性があります。
3.使用済みの調理器具は洗う
生の鶏肉の調理に使ったすべての道具、まな板、調理台を徹底的に洗ってきれいにしてください。生の鶏肉に触れた後は、石鹸と温かい水で手をよく洗ってください。これは、カンピロバクターの拡散を防ぐのに役立ちます。
4.鶏肉を徹底的に調理する
食べる前に鶏肉にきちんと火が通ったことを確認してください。肉の最も厚い部分を切り、中まで火が通って肉がピンク色の部分がなく、肉汁が透明になっていることを確認します。

カンピロバクター中毒の治療

自分で治すには、脱水症状を避けるために水分をたくさん飲んで経口補水塩を服用し、安静にし、食べられるなら消化しやすい食べ物を食べましょう。症状が重い場合は抗生物質で治療することがあります。
以下の徴候や症状がある場合は、医師の診察を受ける必要があります。
・嘔吐が2日以上続く
・水さえも戻してしまう状態が1日以上続く
・下痢が3日以上続く
・吐いたものに血が混じる
・便に血が混じる
・発作(ひきつけ、けいれん)
・意識障害など、精神状態が変わる
・物がダブって見える
・ろれつが回らない
・口が乾燥する、目が澱む、尿が出ない、少量の濃くて強い臭いのある尿が出るなどの深刻な脱水症状
妊娠中に食中毒になった場合は、必ず主治医に連絡してください。追加の措置が必要な場合があります。

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