カルシウム錠剤は骨折を予防するのに良いのか

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カルシウム錠剤は健康な骨のためには良くないかもしれない。

「カルシウムサプリメントは効果がないと専門家は言っている」とデイリーテレグラフは報じている。

この見出しは厳密には真実ではないが、新しい研究は、ほとんどの健康な人々にとって、カルシウムサプリメントは、骨の健康や骨折のリスクにほとんど影響を及ぼさないことを示している。
研究者たちはカルシウムと骨折の関係性についての研究のなかで良いものを見つけ研究している。
長年にわたり、高齢者はカルシウム摂取量を増やすよう忠告されてきた。
というのもカルシウムは強力な骨の構成要素であるからだ。カルシウムサプリメントとともにビタミンDの服用も推奨されてきた。というのも人間はビタミンDなしにはカルシウムを吸収することができないからだ。
私たちは、バランスが取れ、十分なカルシウムを含む食事をとるべきだ。
我々は1日に約700mgのカルシウムが必要であり、カルシウムは牛乳以外にも、ナッツや脂肪分の高い魚にも含まれている。
しかし、研究者たちは、いくつかの国(イギリスではないが)が勧める、カルシウム摂取量を増加させることは骨折のリスクに大きな影響を与えないことを発見した。またビタミンDをともに摂取した場合も同様である。
カルシウム錠剤は確かに骨の強さを約1〜2%ほど増加させたが、研究者はこれが骨折のリスクを下げる可能性は低いと言う。

過去の研究では、カルシウムサプリメントが便秘などの副作用を引き起こすことが示されている。
しかし、医者に服用を勧められた人はカルシウムとビタミンDサプリメントの服用を中止する必要はない。これらがこの栄養素を本当に補給できるのかは疑わしいが。その他の人にとってはこれらの錠剤の服用は不要な出費に思われる。
研究はニュージーランドで、オークランドとオタゴ大学 の研究者、そしてスターシップ病院の研究者の骨についての研究を行う研究者らによって行われた。彼らは、ニュージーランドの健康研究評議会の資金提供を受けた。
この研究は、査読済みの英国医学ジャーナル(BMJ)に公開され、オンラインで自由に閲覧することができる。研究の主な内容は、メディアの報道に出てきましたが、サプリメントや食事の中のカルシウムの異なる知見や研究の問題点について詳しく説明していない。Mail Onlineは、この研究に含まれなかった、カルシウムサプリメントの潜在的な害(胃への負担や心臓への負担など)に焦点を当てている。
これはどんな研究だったのか。

研究者は2つの系統的な考察を行った。まず、カルシウム摂取量増加の、人々の骨の強さに対する影響を調べ、次にカルシウム摂取量増加の、人々の骨折のリスクへの影響を調べた。
系統的な考察は、議題に対する証拠を見つけるための最も良い方法だ。
研究者たちは、50歳以上の人のカルシウム摂取とその後の骨折や骨の強度についての過去の良い研究を見つけられる限り調べた。
研究者は結果をまとめ、カルシウムの錠剤またはカルシウムを多く含む食べ物の摂取が骨折や骨の強度に影響を与えるかどうかという質問に対する全体的な答えを得た。
研究者は、カルシウムの錠剤(カルシウムとビタミンDの摂取についての研究を含む)またはカルシウムを多く含む食べ物の摂取増加についての無作為化比較試験(RCT)を調べ始めた。
彼らは、十分な、カルシウムが骨折に及ぼす影響について調べたRCTを見つけられなかったため、彼らはこの関係を調べたコホート研究も調べた。
研究者らは、RCTのすべての結果を集計して、骨密度(BMD)によってはかられる、カルシウムが骨の強度や手首、股関節または脊柱の特定などの特定の場所の骨折のリスクに与える影響について予想をした。その後予期された答えがこれらの研究の結果と一致するか調べた。
研究者らは、これらのコホート研究がその結果を同じ方法で報告していないことに気づいた。これは、これらの結果を集計し合体させて考察することができないことを示していた。そのため、代わりに、彼らは、カルシウム摂取量の増加の影響を報告した研究の件数を調べた。
基本的な結果は何だったのか?
研究者らは、59件のRCTがカルシウムの骨密度への影響を調べてことを発見した。 1年後の、カルシウム摂取増加の効果は、0.6%〜1%ほどのBMDの増加であった。
彼らはカルシウムを多く含む食べ物の摂取量の増加による影響を考察したところ、22件のコホート研究のうち14件(291,273人を対象とした)では、カルシウム摂取量の増加は骨折のリスクに対して何の影響も及ぼさないことを示していたとわかった。これらの研究のうち、カルシウムの摂取量が多いければ骨折が起こりにくいと示した研究でもほとんど小さな効果だった。

69,107人を対象とした26件のカルシウムサプリメントについてのRCTは、カルシウム摂取量の増加は骨折のリスクを11%低下させる(相対リスクは0.89,95%、信頼区間0.81~0.96)ようであると示していた。

彼らは、より大きな、より信頼性の高い研究だけを集め、結果を再び見た。この分析の結果は、カルシウムサプリメントによる全体的な効果を示していなかった。
養護老人ホームに住んでいる、極度に低いカルシウムとビタミンDのレベルを持つ衰弱した高齢女性に対してのみカルシウムサプリメントは効果を示した。
研究者は、彼らの結果は、カルシウムの摂取量の増加は骨折のリスクに対し何の影響も与えないことを示していると言った。
彼らは、カルシウムサプリメントから得られる効果は小さく、矛盾していると言う。
股関節骨折の有意な減少を示した1つの研究について指摘すると、
研究者らは、この高齢女性のグループは、ビタミンDが不足していたため、骨折のリスクに晒され続けていたのだといった。そのため、この研究は他の一般的に健康な人々を対象にした研究と同じ分析をするべきではないし、一般の人々に対するカルシウム摂取推奨の根拠とすべきではないのだと述べた。
これらの研究は、50歳以上の健康な人のほとんどに対する、カルシウムの食べ物の形やサプリメントの形での摂取の推奨を否定したものとなった。
彼らは、ほとんどの人にとって、カルシウムの増加が骨の強度または骨折のリスクにほとんど影響を与えないことを発見した。
しかし、研究は入手可能な研究のうちのわずか2件の262人を対象にした無作為化比較試験に基づいている。発見されたコホート研究は、混乱につながるため、対象となる原因と結果を示すことができない。これにより、この系統的な考察の信憑性は低くなっている。
イギリス政府は現在、毎日700mgのカルシウムを摂取することを推奨しており、
これを守った食事がほとんどの人にとっての健康で多様な食事であるとしている。カルシウムの供給源には、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、
イワシやアンチョビなどの油性の魚;またはナッツやアーモンドやゴマなどがある。いくつかの団体が推奨する、より多くのカルシウム摂取をするためにはサプリメントが必要な場合がある。
この研究の結果は、ほとんどの人にとってカルシウムのより多くの摂取は効果的なものではないことを示している。
過去の研究から、カルシウムサプリメントが便秘や腎臓結石などのいくつかの副作用を有する可能性があることが分かっている。また心臓発作の可能性をあげることも分かっている。通常のカルシウム摂取量ではこれらの副作用は出ないことが多い。これらの研究の大部分は、一般的に健康な高齢者を対象にしたものだと覚えておくことは重要だ。
骨が弱かったり(骨粗しょう症など)これらの栄養素が不足しているためにカルシウムやビタミンDのサプリメントをとるように医師からアドバイスを受けている場合はとりつづけるべきだ。

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