赤ちゃんに離乳食を食べさせるタイミング

赤ちゃんを離乳食に導く
赤ちゃんは、いつ、離乳食をはじめる準備ができているか、そして、離乳食をはじめるのに最適な方法は一体どんな方法なのでしょうか?
離乳食のスタートは、やっかいなものではあるものの、1歳を迎えるまでに赤ちゃんが体験する最もエキサイティングな出来事のひとつです。
おいしいチーズ、ジューシーなマンゴー、クリーミーなアボカドetc…さまざまな食べ物が赤ちゃんを待っています。
離乳食は、味の世界への冒険の第一歩。ほとんどが前掛けやトレイ、床に散らばったとしても、新しい食べ物をあたえ、自主的に食べるようにさせてください。赤ちゃんに好き勝手に楽しませるようにお勧めします。それも、“味わう”を次のレベルに向かわせる素晴らしい体験の一部です。
赤ちゃんは、いつ離乳食を始めることができますか?
ほとんどの赤ちゃんは、生後4〜6ヶ月で離乳食を始めても大丈夫ですが、個人差があるため、はじめようと思った時がはじめるタイミングになります。
遅れるよりも、早めにはじめたほうがいいと思うかもしれませんが、早く始めたからといって、別にいいことがあるというわけでもありません。
はじめに、かなり早い段階の離乳食は、アレルギーを引き起こすことがあります。赤ちゃんの消化器系は、異物を吐き出せない舌、消化酵素の欠落した腸など、離乳食の準備が整っていません。また、生後6ヶ月の間は授乳で栄養を満たすことができるため、離乳食を早期にはじめる必要はありません。
そして、離乳食をあまりに早くはじめると、将来の食習慣を損なってしまう可能性があります。特に、調製粉乳で育てている赤ちゃんの場合、早期の離乳食は、幼児期以降の肥満につながります。
他方、生後8~9ヶ月まで待つのも、マイナス点があります。面倒に感じ、いつもと同じように授乳だけを求めて抵抗するようになります。味も同じものを求めるようになってしまっています。母乳やミルクに慣れ過ぎると、離乳食への順応性が低下します。
離乳食の準備ができているサイン
生後4~6ヶ月の赤ちゃんが離乳食へ一歩を踏み出す準備ができているかどうかは、以下に挙げる手がかりを参考に医師に相談して判断してください。
・座ったときに頭を上げることができる。
それまではベビーフードをあたえるのは厳禁。食べ物の塊は、赤ちゃんが座れるようになる生後7ヶ月頃まで待ってください。
・舌で物を吐き出さない。
赤ちゃんの口に、母乳やミルクで薄めたベビーフードをスプーンか指先で少し置いてみます。小さな舌が食べ物をすぐに出し、何度か試しても、やはり戻すようであれば、赤ちゃんはまだ離乳食を受け付ける準備ができていません。
・食べ物に興味を示す。
ママの手からフォークを掴んだり、食べる姿を熱心に興奮して見ているようなら、ミルクではない料理を食べたいサインになります。
・舌を前後左右に動かすことができる。
注意深く観察してみてください。
・口を大きく開けることができる。
食べ物を口に運ぶことができます。
最初に何を食べさせたらいいですか?
食べさせるものは何であれ、赤ちゃんに最初に食べさせる物は、食感がなめらかで、スプーンからすぐにこぼれるものになります。
自分で食べ物を準備するなら、よく濾し、ピューレやマッシュ状にして、必要に応じて水分で薄めてください。
赤ちゃんが離乳食に慣れるにつれ(だいたい生後7ヶ月以降)、徐々に水分を減らします。
以下にスタートに適した3つの食べ物を紹介します。
・穀物
あなたが赤ちゃんの穀物から始める場合は、玄米、全粒麦または全粒大麦のような、単粒の、鉄を豊富に含む全粒粉の品種を選んでください。準備するには、少量の赤ちゃんシリアルを調合乳、母乳、または水と混ぜてクリーム状の「スープ」を作ります。一度に1つの食べ物だけを紹介するのが一番良いので、バナナ、リンゴソース、またはジュースを追加して味を甘くしないでください。
・野菜
サツマイモやニンジンなど淡い黄色の野菜から、エンドウ豆やインゲン豆のような緑色の野菜に移行します。赤ちゃんが拒否しても、翌日、その次の日も再度試してください。食べ物を4〜5回受け入れないのは珍しいことではありません。忍耐が大事です。
・果物
おいしく、消化しやすい果物は、バナナ、リンゴ、桃、梨などになります。また、果物の一種であるアボガドも赤ちゃんに優しい食べ物です。
また、「赤ちゃん主導の離乳食」と呼ばれる方法を試してみても構いません。これは、ピューレ状の離乳食を飛ばし、赤ちゃんが掴みやすい大きさにした固形物を赤ちゃん自らに食べさせる方法です。しかし、赤ちゃんが物を掴めるようになるのは、通常生後8ヶ月になります。
離乳食の導入方法
はじめの一歩を最良のステップにする方法のひとつは、親自身が健康的な食生活を実践することです。大人が食べて姿を見て、赤ちゃんは食べることに興味を持ちます。以下に、赤ちゃんが固形物を口にするようになるポイントを挙げていきます。
・いつでもOK
赤ちゃんに栄養をあたえる “完璧な”時間は、“いつでも”です。授乳中なら、母乳の栄養が低くなる午後遅くか夕方の時間帯に固形物を試してみてください。食欲を刺激するために、まず、母乳をあげてから、固形物をあたえます。1日に1回の食事からはじめ、翌月には朝夕2回にします。
・赤ちゃんの気分をチェック
離乳食の開始は大変でストレスになりますが、赤ちゃんにとってはさらに困難です。赤ちゃんが陽気で活発なら口を大きく開けるし、イライラしたり、眠い時は母乳だけ欲しがります。赤ちゃんが気難しいと感じても、柔軟に対応してください。離乳食を受けつけなければ、次回また試せば問題ありません。
・急がない
赤ちゃんは食べるのが早くありません。ひと口食べてから、飲み込むまでとても長い時間がかかることに驚くはずです。余裕を持ってください。食べれるようになるのも練習が必要です。
・きちんと座らせる
体をよじらせる赤ちゃんを膝の上に乗せ、食べ物を赤ちゃんの口に入れるのは、嫌がる赤ちゃん対策としてベストな方法です。また、食べ物を口に運ぶ前に、赤ちゃんに座る練習をさせたり、椅子の高さを調節します。赤ちゃんはとても体が揺れるので、安全ストラップで固定するのを忘れないでください。赤ちゃんが椅子に座ることができない場合、離乳食はもう少し先まで延ばすのが賢明です。
・準備
ステンレスではなく、シリコンやプラスチック、トウモロコシがベースの柔らかいスプーンやボウルを使います。また、赤ちゃんに前掛けを掛けるのを忘れないでください。はじめから掛けていない場合、とても嫌がります。
・お試し
スプーンを口に運ぶ前に、食べ物をほんの少し、テーブルやトレイに置いておいて、赤ちゃんに遊ばせます。つぶしたり、こすったり、なめてみる機会をあたえてください。こうすると、スプーンが近づいても、食べ物が未知のものではなくなります。
・徐々に
スプーンではじめての食感を味わうことは、まったくの未知の体験で、離乳食はちょっとした衝撃をあたえます。だから、ゆっくりあたえることが大切です。赤ちゃんの舌の先にスプーンを4分の1くらい入れる所から始め、飲み込んだら、次は、もうちょっと奥まで入れてみます。口に入れて吐き出してを繰り返しながら、コツをつかんで、口を大きく開けるようになります。
・拒絶反応を数える
薄い味こそが、離乳食をはじめた赤ちゃんが受け入れる味です。赤ちゃんは、受けつける前に何度も離乳食を拒絶します。赤ちゃんが無視しても、押し付けず、何度もトライしてください。
・真似させる
赤ちゃんは猿を見れば猿の真似をするし、親を見れば親の真似をします。昔からある方法ですが、口を大きく開けて、おいしそうに食べるふりをしてみてください。
・適量
離乳食をあたえ過ぎるのはNGです。頭を振ったり、口を開けようとしないのは「もう十分」のサインで、無理に食べさせようとしても失敗するだけでなく、将来の食習慣に影響を及ぼします。
アレルギー反応を確かめる
食物アレルギー反応は赤ちゃんによく見られ、たいていの場合、克服して成長しますが、甘く見るのは厳禁です。食べ物に対する赤ちゃんの反応は、ガス、下痢や便中の粘液、嘔吐、口やお尻に出る発疹などになり、他の症状としては、鼻水、涙目、咳、興奮状態、イラつきが挙げられます。
アレルギーがあるかもしれないと思ったら、再度、同じ食べ物を試す前に1週間待ってください。同じ反応が2〜3回連続して起これば、赤ちゃんはその食べ物に過敏である可能性が高くなります。
数ヶ月間、その食べ物は食べさせず、小児科医がGOサインを出したら、再度試してみてください。
また、赤ちゃんがほとんどすべての食べ物に反応するようだったり、アレルギー体質の家族がいるなら、新しい食べ物を試すのは医師に相談してからにしてください。
窒息の防止
離乳食をあたえる際、窒息を防ぐポイントを以下に紹介します。
・近づく
赤ちゃんの食事はスポーツのようなものです。噛む姿を注意深く見守ってください。
・食べ物は小さく
よく噛まない赤ちゃんもいるので、食べ物は、赤ちゃんが飲み込めるくらいの大きさに小さくカットしてください。
・段階を踏む
赤ちゃんが柔らかい食べ物に慣れてきたら、徐々に固形食をあたえるようにします。
・赤ちゃんサイズ
詰め込むことのないよう、固形食は1、2個だけ皿やトレイに置いておきます。
・座らせる
離乳食をあたえるのは、赤ちゃんが座っている時だけにします。好ましくないマナーであるだけでなく、危険です。
・安全に
口の中で溶けない食べ物、砕きにくい食べ物、気管に簡単に吸い込まれる食べ物はあたえないでください。乾燥レーズン、砕かれていない豆、生野菜、生の果物、肉の塊、ポップコーンやナッツは避けてください。
離乳食の導入を心配しない
危険信号に感じますが、はじめての離乳食で喉を詰まらせるのはごく普通の反応です。たくさん飲み込んでしまったか、口の奥に押し込んでしまったかのサインで、身を守る反応で、前掛けやトレイに吐き出します。
喉詰まりと窒息の違いですが、窒息している場合、赤ちゃんの顔は青ざめ、何の音も立てず、呼吸もできなくなります。喉詰まりを経験した赤ちゃんは、咳をして音を出します。
また、離乳食の大半が床に落ちたり、ほとんど食べ残しになっても、もったいないという思いはさておき、心配する必要はありません。
赤ちゃんのはじめての離乳食は食べるというより“実験”で、栄養を得るためではなく、経験を積むためです。1歳を迎えるまで、赤ちゃんの栄養のほとんどは授乳で満たされます。
かつては、アレルギー防止のため、乳製品、卵、魚介類、ナッツのような食べ物は食べさせないのが普通でしたが、研究の結果、上のような特定の食品の摂取を控えても、アレルギーとは関係のないことがわかり、逆にピーナッツバターのようなアレルギー誘発食品を幼児期の早い時期(4~11ヶ月)に導入したほうが、食物アレルギーの発症リスクを軽減することがわかりました。
まず、シリアルや果物、野菜の離乳食を食べるようになってから、その後で一回につき1つ別の食べ物を食べさせるようにしてください。
おわりに ~赤ちゃんの次のステップ~
シリアルや果物、野菜の離乳食は、数十回繰り返せば十分で、生後7ヶ月頃、肉や卵、アボカドをレパートリーに加え、 生後8ヶ月までに、ヨーグルト、チーズといった乳製品、豆、豆腐をデビューさせましょう。
赤ちゃんに食べ物自体の味を知ってもらうのが大切なため、しばらくの間、食べ物は1種類ずつあたえてください。肉と野菜を混ぜてあたえた場合、野菜の味を味合うことができません。しかし、混ぜた味のほうが好きなようなら、その場合は混ぜても問題ありません。
また、少なくとも1歳になるまで、蜂蜜と牛乳をあたえるのは避けてください。大人には無害ですが、赤ちゃんには有害な菌があるからです。しかし、ヨーグルトやチーズは生後8ヶ月前にあたえても大丈夫です。
面倒に思えるなら、これだけ覚えていてください。
・味にうるさい大人より、赤ちゃんに食べさせる方が簡単。
・離乳食は、冷たくても構わない。
・塩、砂糖、スパイスを加える必要がない。
ただのカボチャのピューレであっても、それを食べるのは、赤ちゃんにとって冒険なのです。