日光暴露に関する新しいNICEのガイドラインで「日焼けは安全ではない」と警告

ガイドラインについて
暑い日に、たった一回の昼休みだけで、保護していない肌にダメージを与えることがあります。
BBC Newsによると、「日焼けするための安全な方法はなく、新しいNICEの指針は警告している」と報道しています。国立衛生管理センター(NICE)が作成したこのガイドラインは、適度な日光暴露のメリットも強調しています。
これはビタミンDの欠乏を防ぐのに役立ちます。これはイギリスにおいて、多くの人が思っているよりも一般的です。約5人に1人の成人と11歳から18歳の子供は、ビタミンDの状態が低いと推定されています。この数字は、10歳以下の子供になると、7人に1人になります。
過剰暴露のリスクは何ですか?
日光には紫外線A波(UVA)とB波(UVB)が含まれており、どちらも肌に有害になり得るものです(このガイドラインでは、日焼け用ベッドなどの人工的なUVライトについては言及していませんが、これらも有害であると考えられています)。
日光に過度に肌をさらしてしまうリスクとして、以下のようなものがあります。
・日焼け
・皮膚がん―非メラノーマおよびメラノーマの両方のタイプ
過度の暴露は、皮膚の早期老化を引き起こします。これらは、次のような症状や兆候をもたらすことがあります。
・乾燥
・かゆみ
・しわ
・にきびの肥大
・肌の弾力性がなくなる
危険な状態にあるグループ
特に過度の曝露に弱い人のグループとして、以下があります。
・子供(特に乳児)と若者
・日焼けというより、肌やけどになっている人
・肌が薄い人、髪が金髪もしくは赤い人、目が青もしくは緑色の人、またはそばかすが多い人
・ほくろが多い人
・免疫抑制をしている人(つまり、疾患または特定の薬物を使用する結果、肌トラブルに対する抵抗力が弱っている状態)
・皮膚がんの既往歴もしくは家族歴がある人(たとえもともとの肌の色が、がんを患った家族よりも暗い場合でも)
・屋外労働者
・ヨットやゴルフなど、屋外で楽しむ趣味を持つ人
・日光浴する人
・日当たりの良い国で休暇を取る人
過度の露出を防ぐ
強い日差しを避ける
強い日差しの下で長時間過ごすのは控えてください。太陽は3月から10月の午前11時から午後3時までが最も日差しが強いです。また、ほかの時間帯でも日差しは非常に強く、潜在的に有害な影響を及ぼす可能性があります。涼しくても曇っていても、夏には一日中日焼けをする可能性があります。
適切な服を着用する
肌は適切な衣服で覆い、日陰を見つけ、日焼け止めを塗ることで強い日差しから守る必要があります。適切な服として、以下のようなものがあります。
・顔、首、耳を覆うつばの広い帽子
・長袖の上着
・日光を通さないズボンあるいは丈の長いスカート
日焼け止めを使う
日焼け止めを買うときは自分の肌に合っていて、紫外線A波とB波の両方を遮断するものかを確認してください。
日焼け止めラベルには次のものが必要です。
・サークルロゴの文字「UVA」と少なくとも4つ星のUVA保護
・UVBから保護するための少なくともSPF15日焼け止め剤
ほとんどの人は十分な日焼け止めを塗っていません。平均的な成人が、記載されている日焼け止め防止指数(SPF)にみあう効果を得るために必要な日焼け止めローションの量は約35ml(小さじ6〜8杯分)です。
日焼け止めを薄く塗りすぎてしまうと、日焼け止め防止の効果が減少します。もしSPF15で十分に塗っていないのではないかと不安な場合は、より強いSPF30の日焼け止めを使用するとよいでしょう。
もし、日焼けのリスクをこうむるのに十分なくらい、長時間にわたって日光の下で過ごす予定がある場合、日焼け止めを以下の2回塗る必要があります。
・外出する30分前
・外出する直前
日焼け止めは、顔、首、耳を含む、肌が露出しているところすべてに塗る必要があります(髪の毛が薄くなっている場合や、髪の毛がない場合は頭部にも塗ってください)。
汗をかいたり水に濡れる可能性がある場合は、耐水性の日焼け止めが必要です。
日焼け止めは、大量に、頻繁に、そしてメーカーの指示に従って塗り直す必要があります。これには、水に濡れた直後(「耐水性」の場合であっても)やタオルでふいたり、汗をかいたあり、またはこすったりした後にすぐ塗ることも含みます。
赤ちゃんと子供のためのアドバイス
赤ちゃんや子供を守るためには特別な注意が必要です。彼らの肌は成人よりもはるかに敏感で、日光に繰り返しさらされると、後年皮膚がんを発症する可能性があります。
生後6カ月未満の子供は、直射日光が当たらないようにしてください。
十分なビタミンDを確保するために、5歳未満の子供には、たとえ外に出ることがあってもビタミンDサプリメントを服用することをお勧めします。子供のためのビタミンDサプリメントについて理解しましょう。
日焼けを避ける
健康的な日焼けの方法はありません。どんな日焼けでも、皮膚がんを発症するリスクを増大させる可能性があります。日焼けをしても、日光の有害な影響から肌を守ることはほとんどありません。健康な日焼けといったものがあるという考えは神話です。
日焼けベッドや日焼けランプは、紫外線放射の集中源を使うため、自然の日光よりも危険である可能性が高いです。
紫外線はメラノーマを発症するリスクを高める可能性があります。日焼けベッドや日焼けランプは、肌の老化を促進させる原因にもなります。
もし肌を茶色くしたいなら、偽の日焼けをするのがお勧めです。
日光とビタミンD
ビタミンDは健康な骨には欠かせません。そして、私たちは日光にさらされることでビタミンDを大量に摂取します。
体が食事からカルシウムやリン吸収するために、ビタミンDが必要です。これらのミネラルは、健康な骨や歯にとって重要です。
ビタミンD欠乏症として知られるビタミンD不足は、骨を軟らかく、弱くします。これにより、骨の変形を引き起こします。子供の場合、例えば、ビタミンD不足はくる病につながる可能性があります。成人の場合は骨軟化症につながり、骨の痛みや圧痛、筋肉の衰えなどを引き起こします。
ほとんどの人は、3月から10月、特に午前11時から午後3時の間、日焼け止めを塗ったり覆ったりせずに前腕や手、ひざ下などに日光をあてれば、短時間で十分なビタミンDを作ることができます。
太陽の下で短時間過ごすというのは、ほんの数分間です(肌が薄い人にとっては、10分から15分で十分)、赤くなったりやけどのような状態なり始める時間よりも短いです。これ以上日光にあたっても、追加のメリットを享受する可能性は低いです。
色黒の人の場合、同じ量のビタミンDを作り出すために、より長い時間を日光の下で過ごす必要があります。
文化的理由から日光を浴びることがほとんど、あるいはまったくない人、あるいは家の中に閉じこもっているか、それ以外で長期間室内に閉じこもっている人の場合、ビタミンD不足の可能性があるので、ビタミンDのサプリメントを摂取したほうがよいかもしれません。
肌が赤くなったり、やけどのようになったりするのにかかる時間は、人によって異なります。
ビタミンDと妊娠
妊娠中および授乳中の女性は、必要なビタミンDの摂取量を確保するために、そして、赤ちゃんが生後数カ月間、十分なビタミンDを持っている状態で生まれてくるようにするために、ビタミンDのサプリメントを服用したようがよいでしょう。