妊娠中の骨盤の痛みについて知っておきたいこと

症状

妊娠中の骨盤の痛み

臨月に骨盤が痛み出したら、急を要する事態である可能性があります。妊娠中に骨盤が痛む原因と、軽減するための方法についてまとめました。

妊娠中に骨盤が痛むことは、よくあることです。8割の妊婦さんが、骨盤の痛みを経験しています。妊娠の後期の最も骨盤に負担がかかる時期に痛みやすくなります。また、下降感をおぼえると、さらに顕著になります(出産の2週間~4週間前になると、出産に備えて赤ちゃんが骨盤の付近まで降りてきます。これは、出産の第一分娩期を迎えるまで感じない女性がほとんどです)。しかし、これは妊娠中はいつでも起こりうることで、痛みの程度も軽いものから重いものまであります。軽い痛みの場合、多少ズキズキ痛んだり、骨盤周辺が何となく重い感じがします。痛みが強い場合、腰の辺りに焼きつくような痛みがあり、お腹の下あたりまで広がります。これは非常に広範囲の問題であるため、原因を突き止めるのは簡単なことではありません。

骨盤が圧迫されている?それとも痛みがある?

骨盤の痛みと圧迫感との違いを知っておくことは大切です。圧迫感があると、子宮頸部展退や子宮頸管拡張の可能性、あるいは出産の予兆となります。骨盤の周辺や直腸のあたりの圧迫感は、生理痛に似た痛みで、腰痛も同時に起こることが多いです。これは、妊娠後期に起きやすい傾向にあります。一方、骨盤の痛みは、骨盤が裂けてしまうかのような激しい痛みを伴い、歩くのが困難になります。

原因は何ですか?

赤ちゃんの体重が増えていくにつれて、骨盤の下の方までおりてきて、産まれるための準備をします。赤ちゃんの頭が、膀胱、腰、骨盤を強く圧迫するようになるため、骨盤や腰の骨や関節、周辺の筋肉にもっと負担がかかります。一方で、赤ちゃんが下へ降りてくることで、子宮が横隔膜と肺を圧迫しなくなるため、やっと深呼吸ができるようになります。

知っておいたほうがいいこと

恥骨結合離開(SPD)が原因で骨盤が痛む場合もあります。これは、必ずしも靭帯がゆるくなることが原因で起こるものではありません。坐骨神経痛の痛みのような、坐骨の神経が圧迫されるような痛みとも異なり、痛みが骨盤周辺に限定されます。

どのように対処したらいいですか?

・骨盤を傾けるなどの骨盤の体操をしてみてください。
・湯船に漬かってください。重力に逆らうことができます。
・スリングを買ってみてください(伸縮性の素材でできた紐を交差させたもので、お腹の重みを支えるために特別にデザインされたもの)。どのようなものがいいか、医者に相談するか、インターネットで検索してみてください。
・出生前マッサージを受けてみてください。妊婦さんを専門にケアしてくれるセラピストがいます。ほかにもさまざまなセラピーがあります。
・最近は鍼も人気です。骨盤の痛みをはじめ、ほかにも多くの妊娠中のトラブルを軽減してくれます。
・痛みが激しい場合は、妊娠中に服用しても問題のない痛み止めや筋弛緩薬がないか、医者に相談してください。

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