妊娠中の減量について知っておきたいこと

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妊娠中の減量

もう、体重が増加することにはすっかり慣れてしまっているかもしれません。慣れすぎて、医者が算出した直近の増量の最大値を見てもまゆひとつ動かさない、というかもしれません。

ですから、今週の計測結果をみたら、少々驚いて、(こころの準備ができていなければなおさら)落ち着かない気持ちになるかもしれません。妊娠生活の終盤に差し掛かると、妊娠特有の増量も終わりを迎えるのです。いつものように数値が大きくなるのではなく、妊娠41週間においては変動しない、或いは下がることさえあり得ます。

鏡をみて、減量したこと(或いは増量していない状態)に戸惑いを覚えているかもしれません。なにしろ、妊婦の足や足首は十分にふっくらしていて、お腹は景品で当たりそうな特大スイカ並みで、古い靴やウェディング・ドレスの帯など着用できるはずもない状態なのですから。

さて、妊娠終盤において典型的にみられるこの傾向は何によって引き起こされているのでしょうか。赤ちゃんは関係ありません。実際、妊婦が増量していない(減量さえしている)状況でも、赤ちゃんは400-500gのペースで増量を続けている可能性が高いです。

一般的に見られるこの増量のペースの減速や行き詰まりは、身体が出産に備える一つの方法であり、全ての機能が一大イベントのために準備しているのだという兆候なのです。
以下でご紹介するのは、妊娠終盤の減量の説明となり得るものです。

妊娠が終わりに向かうにしたがって、羊水の量が減少し始めます。羊水の量が少なくなるということは、体内の水の分の重さが軽くなるわけです。
赤ちゃんの頭が膀胱の上にのしかかってくるためにトイレが近くなっているので、嘗てないほど速いペースで液体を排出していることになります。体内の水分量が少なくなるので、体重も軽くなります。
排出しやすくなるのは尿だけではありません。出産が近づくにしたがって腸の便通が良くなることで、時には何キロも痩せる場合があります。
発汗量が増加している可能性もあります。妊娠も終わりが近づき、赤ちゃんを生育させる巣の機能を停止させた今、身体が忙しなく必要のない液体を外部に排出しようとしているのです。汗を排出すればするほど、体重はかるくなります。(産後は発汗量が更に増えることを覚悟しておきましょう。とりわけ産後一週間は、過去9ヶ月間で蓄積した液体を流し去ろうとするのでびしょびしょになります。)
増量期間はもう終わったのだとはいえ、成長し続ける赤ちゃんに24時間食事を供給しなければならないのだということを忘れてはなりません。したがって、栄養素(特に脳の発達に不可欠なDHAやタンパク質)の安定した供給を出産日まで続けましょう。食物摂取量を削減することに心をそそられるかもしれません(分娩後にリバウンドしたい、或いは単に腹にもう余裕がない、といった理由から)が、食べ続けなくてはダメです。あともう一週間の辛抱ですから、健康的な妊娠食を取りましょう(水分の摂取も忘れずに!)

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