投薬が体重を増やしてしまう原因ですか?

投薬と体重の関連性
食べ物に気をつけて、定期的に運動しているのに、なぜ、体重計の数字は下がっているのではなく、上がっているだろう?と不思議に思うことがありませんか?理由は、思ってもいないところにあるかもしれません。
Weill Cornell Medical Collegeの包括的な体重管理センターのディレクター、Louis Aronne氏は体重の問題の10〜15%が投薬に関連している、と述べています。
薬によっては、自分が空腹であると感じさせたり、体内のカロリーを燃焼する能力を低下させたり、余分な体液を保持させる作用があります。
ただし、こういった副作用は人によって異なります。「1種類の薬で7キロ増える人も入れば、まったく体重が変わらない人もいます」とAronne氏は言います。
服用している薬が体重増加の原因だと感じても、医師に相談する前に服用をやめないでください 。「あなたの人生を救うためには、その薬を飲む必要があるかもしれません」と、体重減少のセンターの共同ディレクターであるDonald Waldrep医師は言います
体重を減らす助けになる薬を含め、別の投薬に切り替えられる可能性があります。またできなかったとしても、医師は体重増加を防ぐためにできるアドバイスを与えてくれるでしょう。
「低炭水化物の食事をとり、たくさん運動することが効果的だという証拠があります」と医学的体重減少を専門とするボード認定の内科医であるSue DeCotiis医師は語ります。
以下は、体重が増えている原因となりえる種類の薬です。これらの薬が絶対に原因とは言えないので、処方箋について懸念がある場合は医師に相談してください。
うつ病の薬
・シタロプラム(セレクサ)
・フルオキセチン(プロザック)
・フルボキサミン(ルボックス)
・ミルタザピン(レメロン)
・パロキセチン(パキシル)
・セルトラリン(ゾロフト)
上記の薬は、「SSRI」(セロトニン再取り込み阻害薬)または「三環系抗うつ薬」と呼ばれることもあります。これらは脳の特定の「気分が良い」化学物質の量を増やします。そしてこれらの化学物質の中には、食欲や体がカロリー燃焼させることを制御するものもあります。
「食べても、満腹感を感じなかったりします」とDeCotiis氏は言います。 「もしくは、食べる量を増やしていなくても、脂肪が増えることもあります。」このことは、特に、長期的に薬を服用にしている時に起こりやあすいです。うつ病の薬によっては、1年に10キロも増やす可能性もあるものもあります。
うつ病自体が、食欲と食生活に影響を与える可能性があることを覚えて置いてください。医師またはカウンセラーのサポートをうけましょう。
気分安定剤
・クロザピン(クロザリル)
・リチウム
・オランザピン(ジプレキサ)
・クエチアピン(セロクエル)
リスペリドン(リスペルダール)
これらの薬は、双極性障害または統合失調症のような精神的健康状態の治療に効果的です。これらは「脳に直接影響し、体重や代謝に影響を与えます」とDeCotiis氏は言います。
気分安定剤は、食欲を掻き立て、その状態を維持する原因となります。 10週間で5キロの体重増加を引き起こすものもあります。特に長い間服用する人は、体重をより増やす可能性があります。
糖尿病薬
・グリメピリド(アマリール)
・グリピジド(グルコトロール)
・グリブリド
・インスリン
・ナテグリニド(スターリックス)
・ピオグリタゾン(アクトス)
・レパグリニド(プランジン)
糖尿病薬は血糖値をさまざまな方法で制御します。中には、インスリンの感受性を高めるものもあり、また食事の前または後に体がより多くのインスリンを放出させる原因となるものもあります。
体が薬に合っている間は、最初に服用し始めると体重が増えるのが普通です。しかし、「古い薬の中には、基本的に脂肪細胞にカロリーを取り込ませるものがあります」とAronne氏は言います。体重増加は、すでに過体重になっている2型糖尿病の人にとって特に不快になります。
別の薬剤でうまくいくか、あるいはどのように生活習慣を変えればいいのかなど、医師に相談してみてください。
コルチコステロイド
・メチルプレドニゾロン(メドロール)
・プレドニゾロン
・プレドニゾン
コルチコステロイドは痛みや炎症を軽減します。筋肉を構築するために取るボディビルダーがとるステロイドとは異なります。注射、クリームとして肌に塗りこむ、口から服用、吸引するなどの方法があります。コルチコステロイドはまた、代謝に影響を及ぼすため、「長い間を服用すると、より食欲が増え、特に胴回りに多くの脂肪を保持させる可能性があります」とDeCotiis氏は言います。
発作や片頭痛を予防する薬剤
・ミトリプチリン(Elavil)
・ノルトリプチリン(Aventyl、Pamelor)
・バルプロ酸(Depacon、Depakote、Stavzor)
片頭痛や発作を止める薬は、飢えをコントロールするホルモンに影響を及ぼし、体が満腹になるのを感じるのが難しくなります。
「彼らはあなたの食欲を高め、あなたの代謝を低下させ、あなたの体に余分な体液をかけさせます」とWaldrepは言います。ある研究では、バルプロ酸(デパコテ)を摂取した人々は、より多くのファーストフードの欲求を持っていました。
「βブロッカー」心臓薬
・アセブトロール(セクトラル)
・アテノロール
・メトプロロール
・プロプラノロール(インデラル)
βブロッカーは、心拍数を減らし、血圧を下げることによって心臓のストレスを緩和します。 「しかし、運動に対しての体の反応を低下させるので、さほどカロリーが燃焼しなくなります」とDeCotiis氏は言います。βブロッカーは疲れを感じさせるので、運動するエネルギーが減ることで、体重が増えるかもしれません。
Allergy Relievers
アレルギー緩和剤
・セチリジン(ジルテック)
・ジフェンヒドラミン(ベナドリル)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・ロラタジン(クラリチン)
市販のアレルギー薬は、体がアレルギーの症状の多くを引き起こす化学物質であるヒスタミンの作用を遮断します。ジフェンヒドラミンのような抗ヒスタミン剤でヒスタミンを遮断すると体重が増加することがあります。