便秘の原因について知っておきたいこと

その他

便秘の原因

便秘はたいてい、便が長時間結腸(大腸)に留まり過ぎてしまい、結腸が便から水分を過剰に吸収したため便が硬く水分が少なくなってしまったときに起こります。
便秘の多くのケースは特定の病気に引き起こされたわけではありませんし、便秘の真の原因を突き止めることは難しいでしょう。しかし、以下に挙げるような項目が便秘になる可能性を大きくさせます。

・フルーツや野菜、シリアルなどの十分な食物繊維を摂っていない
・食習慣などの生活習慣の変化
・好きなタイミングでトイレに行くことができない
・便意の無視
・体を動かすことができない、または運動不足
・水分不足
・高体温(熱)
・痩せ過ぎ、または太り過ぎ
・不安症やうつ病
・性的虐待や暴力、トラウマによる精神障害

薬の服用

便秘は時々、服用中の薬の副作用であることがあります。便秘を招くおそれのある代表的な薬を挙げると、次のようになります。

・アルミニウムを含む制酸薬(消化不良を治療する薬)
・抗うつ剤
・抗てんかん薬(てんかんを治療する薬)
・抗精神病薬(統合失調症などの精神病を治療する薬)
・カルシウムのサプリメント
・コデインおよびモルヒネのような鎮痛剤
・利尿剤(浄水タブレット)
・鉄分補給のサプリメント

もし薬の副作用で便秘になっているなら、便秘は薬の服用を止めればすぐに治るでしょう。しかし、医師がアドバイスしない限りはきちんと処方箋を服用し続けましょう。
薬による便秘になっているなら担当医に相談してみると、代わりとなる処方箋をだしてくれるかもしれません。

妊娠

5人に2人の女性が妊娠中、特に妊娠初期に便秘を経験します。妊娠中は筋肉を緩める働きのあるプロゲステロンという女性ホルモンを分泌するため、妊娠中に便秘になるのです。腸は通常、便を移動させて不必要となったカスを肛門に運搬します(蠕動運動)。このとき腸内の筋肉が収縮と弛緩をくり返して波のような動きをしています。しかし、プロゲステロンが増加すると腸の筋肉が収縮しにくくなり、便をうまく運搬することが難しくなるのです。妊婦さんなら、母体も胎児も傷つけることなく安全に便秘を解消する方法があります。

その他の場合

珍しいケースですが、便秘は他の病気が潜んでいるサインとなる可能性があります。その病気の例を挙げておきます。

・過敏性腸症候群(IBS)
・糖尿病・高カルシウム血症…血中にカルシウムが含まれすぎている状態です。
・甲状腺機能不全
・筋ジストロフィー…筋肉が弱っていくという遺伝子の病気です。
・多発性硬化症…神経系に影響する病気です。
・パーキンソン病…脳の一部が少しずつダメージを受け、体を調整する機能に影響を与える病気です。
・脊髄損傷
・裂肛…肛門の内側に小さな裂け目や潰瘍がある状態です。
・炎症性腸疾患…腸が炎症を起こしている状態です。(炎症、腫れ)
・腸がん

乳幼児

乳幼児の便秘はよくあることです。イギリスでは、便秘になっている子供はいつでも3人に1人にのぼると推定されていますが、乳幼児の便秘は不十分な食事やトイレを使用することに対する恐怖、トイレトレーニングの不足が原因です。
トイレを使うことに対して子供にプレッシャーを感じさせないようにすること、適切な時期になったら自分でトイレを使うことができるようにトイレトレーニングをすることが大事です。
子供がトイレを使うときにいつも保護者が介入していたら子供は不安を感じてしまい、それが便秘の原因となるかもしれません。

トイレの習慣

子供たちの中には、トイレを使用することに対して不安を覚えている子供もいます。彼らはトイレを使うことに恐怖をもっているか、学校で自分ひとりでトイレをすることができないと思っている可能性があります。
この恐怖はかつて排便時に痛みを経験したことによるものかもしれません。このような状況は、痛みや不快感を恐れて子供が便意を無視するようになり、その代わりに便を我慢して蓄積していくような良くない排便習慣につながりかねません。しかしこの習慣を続けていても、事態は悪化するのみなのです。

その他の場合

珍しいケースですが、乳幼児の便秘も他の病気が潜んでいるサインとなる可能性があります。その病気の例を挙げておきます。

・ヒルシュスプルング病…腸の病気で、便の通りを悪くする病気です。
・直腸肛門奇形…赤ちゃんの肛門および直腸が正しく形成されていない状態です。
・脊髄異常…二分脊椎や脳性麻痺というような珍しい病気もあります。
・囊胞性線維症…体が粘り気の強い粘膜を作ってしまうことになる遺伝子の病気です。これが便秘につながることがあります。

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