糖尿病の遺伝について知っておきたいこと

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糖尿病について

なぜ自分が糖尿病になったのか、疑問に思われているかもしれません。また自分の子供も、糖尿病になるのではないだろうか、と心配されているかもしれません。

糖尿病は単純に遺伝性とは言い切れないところがあります。しかし、中には明らかに他の人よりも、糖尿病を発症する可能性がより高い傾向にあるのも事実です。

糖尿病の原因は?

1型糖尿病と2型糖尿病の原因は異なりますが、どちらも2つの要因があります。1つは病気の素因を遺伝で受け継ぐということ、そしてもう1つは環境内の何かがそれを引き起こすということです。

遺伝子だけで、糖尿病を確定するには不十分です。一つの証拠として、一卵性双生児があります。一卵性双生児は同じ遺伝子を持ってますが、、一方の双子が1型糖尿病を抱えている場合、もう一方の双子がなる確率は半分以下とされています。この確立は、第2型糖尿病になる4分の3になります。

1型糖尿病

1型糖尿病のほとんどの症例では、両親から危険因子を継承しています。ただし日本人の1型糖尿病の発症率は比較的少ないとされています。

1型糖尿病のリスクを抱えている人はたくさんいても、ほとんどの人々は発症にまで至らないため、環境の何が引き金となっているかまでは、特定できていません。

起因となる要素のひとつとして、寒い気候が考えられます。 1型糖尿病は夏より冬に多く発生し、寒冷な気候のある地域でより一般的に見られます。

他に、ウイルスも考えられます。殆どの人とってはに軽い影響しか及ぼしていないウイルスが、特定の人に1型糖尿病を引き起こす可能性があります。

また幼少期の食生活も関係しているとされています。 1型糖尿病は、母乳で育った人や、固形食を食べ始めるのが遅かった人のほうが割合が低く見られます。

多くの人にとって、1型糖尿病の発症には長年かかるとされています。研究では、糖尿病1型糖尿病患者の血縁者を伴った実験で、後に糖尿病に罹患した人の大半が、何年か前から血中に特定の自己抗体を持っていることを発見しました。(自己抗体は悪化した抗体で、身体の組織を攻撃します。)

2型糖尿病

2型糖尿病は、1型よりも家族歴および系統への強い関連性がありますが、環境因子にも依存します。

双子を使った研究により、2型糖尿病の発症において遺伝は深い関係があるとされています。

また一方で、生活習慣も2型糖尿病の発症に影響しています。肥満は家族内で起こる傾向があり、家族は食生活や運動習慣に似ている傾向があります。

2型糖尿病の家族歴がある場合、糖尿病が生活習慣病や遺伝的感受性によるものかどうかを判断するのは難しいかもしれません。多くの場合、両方が原因となっています。しかし、悲観する必要はありません。研究によると、運動をしたり、体重を減らすことで、2型糖尿病を遅延させたり予防したりすることが可能であることが示されています

1型糖尿病:子供のリスク

一般的に、1型糖尿病の男性であれば、子供に糖尿病を発症する確率は17分の1です。

1型糖尿病の女性であれば25歳以前に生まれた子供の場合のリスクは25人中1人、25歳以降であれば、100人に1人です。

親が11歳までに糖尿病を発症した場合、子供のリスクは2倍になります。両親のどちらも1型糖尿病である場合、リスクは10分の1 ~ 4分の1とされています。

これらの数字には例外があります。 1型糖尿病の7人に約1人に多腺性自己免疫症候群2型と呼ばれる状態があります。糖尿病に加えて、甲状腺疾患や副腎機能不全の症状が見られます。また、他の免疫系障害の可能性もあります。この症候群の場合、1型糖尿病を含めた症候群のリスクは2分の1です。

他のテストでも、子供のリスクをより明確にすることができます。体がグルコースにどのように反応するかを示す特別な検査では、どの年齢の子供が最も危険にさらされているかを知ることができます。

1型糖尿病の兄弟姉妹がいる子供のために、さらに高価な試験を行うことができます。この試験は、インスリン、膵臓の膵島細胞、またはグルタミン酸デカルボキシラーゼと呼ばれる酵素に対する抗体を測定する。高レベルは、子供が1型糖尿病を発症するリスクが高いことを示している可能性があります。

2型糖尿病:子供のリスク

2型糖尿病は遺伝子的な根拠もありますが、食事や運動など糖尿病を引き起こしやすい習慣を子どもが真似るという点もあります。

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