酒さについて知っておきたいこと〜治療〜

酒さの症状
酒さを治すことはできませんが、治療によって症状を抑えることはできます。
症状が改善し、一時的に治療を中止することができる期間はあるものの、通常、長期間の治療が必要です。
治療の選択肢は、どのタイプの症状が最も厄介であるかによりますが、通常、セルフケアと治療薬を組み合わせて行われることが多いです。治療について、以下に概要を紹介します。
セルフケア
酒さの症状を抑え続けるために、自分でできることがいくつかあります。
症状を引き起こすものを避ける
たとえば、直射日光が症状を悪化させる場合は、日焼け止めを使って肌を覆ってください。
肌をしっかりケアする
たとえば、敏感肌用の商品を使うことです。
化粧をする
赤みがずっと出ている部分は、特別に作られたカモフラージュ用の化粧品を使ってごまかすことができます。
まぶたをきれいにする
酒さがまぶたの炎症を引き起こしている場合(眼瞼炎)
丘疹および膿疱の治療
酒さによって引き起こされる皮膚の隆起(丘疹)や膿が詰まった腫れ(膿疱)から生じる丸くて赤い吹き出物がある場合、有効な治療薬がいくつかあります。これらは、皮膚に塗るものと、もしくは口で摂取する経口治療とに分けることができます。
局所治療
局所的な薬物療法は、通常最初に処方されます。これらには、以下のようなものを含みます。
・メトロニダゾールクリームまたはゲル
・アゼライン酸クリームまたはゲル
・イベルメクチンクリーム
イベルメクチンは比較的新しい薬です。現在、メトロニダゾールよりも効果があり、おそらく皮膚に炎症を起こす可能性は低いということが明らかになっています。
通常、これらの局所治療は1日に1回から2回、目や口に入れないよう注意して塗る必要があります。症状がかなり改善するまでに数週間かかることがあります。
これらの治療の副作用として、焼けるような、あるいは刺すような感覚、かゆみ、肌の乾燥などがあります。
経口抗生物質
症状がより深刻な場合、経口抗生物質が皮膚の炎症を軽減するのに役立つので、勧められる場合があります。酒さの治療によく使用される抗生物質には、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリンおよびエリスロマイシンが含まれています。
これらの治療薬は、通常4週間から6週間服用されますが、赤みが長く続いている場合は、6週間以上服用する必要があるかもしれません。
たとえば、経口抗生物質を長期間摂取する必要がある場合、低用量のドキシサイクリンカプセルが利用できます。
これらの治療薬の一般的な副作用として、以下のようなものがあります。
・体調が悪い、病気になる
・下痢
・おなかの張りと消化不良
・おなかの痛み
・食欲減退
治療薬の中には、日光や日光ランプや日焼けベッドといった人工光に敏感になるものもあります。
上記の局所治療と同じく、これらの治療薬は通常1日に1回または2回服用する必要があり、数週間は症状が大幅に改善することはありません。
経口イソトレチノイン
イソトレチノインは重度のニキビ治療によく使われる薬ですが、低用量では酒さの治療にも使用されることがあります。
イソトレチノインは、副作用の原因となる強力な薬のため、皮膚科治療医のみ処方することができます。
イソトレチノインの一般的な副作用として、以下のようなものがあります。
・皮膚、唇および鼻孔の乾燥および亀裂
・眼瞼(眼瞼炎)または目(結膜炎)の炎症
・頭痛
・筋肉または関節痛
・背中の痛み
・尿に血が混じる(血尿)
・気分の変化
妊娠中に服用した場合、イソトレチノインは先天性障害を引き起こす可能性もあります。
顔の赤みを治療する
酒さが原因で起こる顔の赤みや紅潮の治療は、一般に、症状によって引き起こされる丘疹や膿疱を治療することよりも難しいです。
しかし、上記のセルフケアに加えて、治療を促す薬がいくつかあります。
ブリモニジン酒石酸塩
ブリモニジン酒石酸塩は、酒さによって引き起こされる顔の赤みに役立つ比較的新しい薬です。それは1日1回顔に塗るゲル状のものです。
治療薬は、顔の血管の広がり(膨張)を抑える働きをします。研究によると、最初に使用してから約30分後に効果が出ることが明らかになっており、これは約12時間持続します。
ブリモニジン酒石酸塩の一般的な副作用として、ゲルを塗った部分がかゆくなったり、熱を持ったりすることがあります。
ごくまれに、以下のような副作用が出ることもあります。
・口の乾燥
・頭痛
・手足のしびれ
・肌の乾燥
顔の赤みが悪化するリバウンド効果も、この治療薬で報告されています。
口腔治療
もう一つの方法として、酒さによって引き起こされる赤みを改善するのに役立つ経口薬がいくつかあります。経口薬には以下のようなものがあります。
・クロニジン―血管を弛緩させる薬
・ベータ遮断薬―心臓の活動を低下させる薬
・不安薬―人を穏やかにしたり、顔の赤みを抑えるのに役立つ薬
これらの薬が酒さによって引き起こされる赤みにどのくらい効果があるかは明らかではありませんが、皮膚科医の監督下で処方されることがたまにあります。
レーザーと強烈なパルス光(IPL)治療
赤みや目視でわかる血管(毛細血管拡張症)は、血管レーザーや強烈なパルス光(IPL)治療でも改善することがあります。これらの治療はまた、紅潮を改善することもあります。
これらの治療を受ける前に、通常は皮膚科医への照会が必要です。およそ2回から4回の治療が必要な場合があるため、全体のコストが重要です。
レーザーおよびIPL装置は、皮膚にある目視でわかる血管を狙う細いビームを作ります。レーザーからの熱は、拡張された静脈に傷をつけ、それらが収縮することで目に見えなくなり、赤みや周囲の損傷を最小限に抑えます。
レーザー治療が痛みを引き起こすことがありますが、ほとんどの人は麻酔薬を必要としません。レーザー治療の副作用は通常軽度で、以下のような症状があります。
・打撲
・皮膚の痂皮(かひ)
・腫れ、皮膚の赤み
・水ぶくれ(まれ)
・感染症(非常にまれなケース)
これらの副作用は通常数日しか続かず、長く続くのはまれです。
肥厚した皮膚を治療する
酒さを持つ人々の中には、鼻の皮膚が肥厚するものがあります。これは鼻瘤として知られています。
重度の鼻瘤がある場合、かかりつけの医師は、皮膚の見た目を改善する方法について話し合うために皮膚科医または外科医を紹介するかもしれません。
余分な組織を除去し、鼻をより快適な形に整えるために、多数の外科的処置を利用できます。
これは、レーザー、メス、または特別に設計された研磨器具を用いて、皮膚剥離と呼ばれる技術を用いて行うことができます。
目の問題を治療する
酒さが目(目の酒さ)に発症している場合、さらに治療が必要な場合があります。たとえば、ドライアイの場合は点眼薬か軟膏を、眼瞼炎の場合は経口抗生物質を使う必要があります。
最初の治療が効果的でない場合や、目にさらなる問題が発生した場合は、詳しい検査と治療のために、眼科医を照会してもらう必要があります。