運動を生活習慣にして減量をする為に

運動をする
犬の散歩や、ランニング、ヘルスクラブに入会するなど、痩せるためにはとにかく運動する必要があります。近道はありません。体重を落として、さらにその後も維持していくためには、運動する他ないのです。しかし、忙しすぎて、とてもそんなことをしている暇はない、という日もあるでしょう。それでもなお、日常生活の一部として運動する必要があると、専門家は考えています。そして、こうした状況で最善なのは、朝の時間を使って運動することなのです。
the American Council on Exerciseの主任運動生理学者であるCedric X. Bryant博士は、以下のように述べています。
「重要なのは、朝昼晩と時間帯に関わらず、出来るだけ運動することです。目標は、出来るだけ体を動かすことなのですから。ですが朝、運動することから一日を始められれば、その日のペース作りが出来たことになります。また、朝に運動をする人は、運動の習慣をきちんと維持できる傾向にあります。そして、朝一番にたくさん運動をするということは、余計な思考が邪魔する前に運動できた、ということになります。実はいったん一日が始まってしまうと、それを中断するのはなかなか難しいのです」。
朝に運動する場合
研究によると、朝の運動は睡眠の質の改善や、減量に貢献する、とBryant博士は言います。50歳から75歳までの肥満女性を対象とした研究では、定期的に朝の運動(1週間に4時間程度)をした女性は、そうでない人々と比べて、睡眠の質が改善したことが分かっています。一方夕方に運動したグループは、同じ時間だけ運動したのにも関わらず、寝付きに問題がありました。
またBryant博士は睡眠と減量の関係について、以下のように言及しています。
「睡眠の質が悪いと、食欲をつかさどるホルモンに影響します。夕方ではなく、朝運動することで、サーカディアンリズム(体内時計)に何らかの影響を及ぼし、より質の良い睡眠がとれるようになる、ということもありえます。良い睡眠はホルモンバランスを整え、食欲をコントロールしてくれるのです」。
The National Weight Control Registry における「成功した敗者」と呼ばれる人々は、毎日1時間以上活発な運動をすることで成功しました。全員が13キロかそれ以上の減量に成功し、しかも1年以上その状態を維持しています。彼らの多くは、マラソントレーニングのように一気に運動するのではなく、少しずつ短い運動に分けて、それを一日かけて行ったのです。
the University of Pennsylvania School of Medicineで体重および摂食障害プログラムの臨床部長を務めるGary Foster博士は、「朝の運動を商談の予約、つまり簡単にはキャンセルできないものだと考えてください。自制する必要がありますが、もし肥満のままでいれば、心臓病のリスクにさらされ続けることになります。つまり、体重に関して何か手を講じないのであれば、それは間接的に自分を甘やかしていることになります。そしてそれは毎日タバコを1パックすうのと同じことになるのです。最優先事項は、あなたの健康であるべきではないでしょうか」。
運動を生活習慣にする
運動を日常的な習慣にするには、トレーニングを普段の生活に組み込むことが一つの手だ、とアトランタの Georgia State Universityで、運動生理学の教授を務める Walter Thompson博士は言います。「運動そのものだけでなく、身体活動全般を日課にすることも出来ます。中には、運動靴を履いてマラソンをするくらいじゃないと運動とみなせない、という人もいるのですが、私は、もっと身体活動を日常生活に取り入れるようにと話します」。
博士からのアドバイスは、「ショッピングモールや食料品店に買い物に行くときや、オフィスに出勤するときなどは、車を出来るだけ正面玄関から遠いところに駐車すること。また、エレベーターではなく階段を使うようにしましょう。これを新しい習慣、つまり日常茶飯事にしてしまうのです」ということです。
一方で、ウォーキングやヨガ、重量挙げ、サイクリング、ランニング、水泳といった構造化された運動も重要です。これらはいずれも朝に行うことが出来る運動ばかりです。以下は30分間運動したときの、それぞれの推定カロリー消費量です:
激しい運動
ランニング、ジョギング(8キロ)= 295カロリー
サイクリング(時速16キロ以上)= 195カロリー
水泳(スローフリースタイル)= 255カロリー
エアロビクス= 240カロリー
バスケットボール= 220カロリー
中程度の運動
ウォーキング(時速5.6キロ)= 140カロリー
ウェイト・トレーニング(軽いもの)= 110カロリー
ストレッチ= 90カロリー
サイクリング(時速16キロ未満)= 145カロリー
ダンス= 165カロリー
とある最近の研究によると、朝活動でも人気のあるヨガが、中年太りの予防と、余計な体重を落とすのに効果的であるということが判明しました。研究者らは、ヨガを定期的に行った(30分以上の活動を最低でも週1回)適正体重と肥満の男女を4年以上観察し、その体重を、ヨガをやらなかった人と比較しました。
ヨガを実践した適正体重の人は、やらなかった人と比べて、太りませんでした。また、ヨガを実践しなかった肥満の人が6キロほど増量したのに対し、実践した肥満の人は平均2キロ減量することに成功しています。
研究者によると、ヨガの効果というのは消費したカロリーそのものではなく、身体意識と関連しているのではないかといいます。ヨガをしている最中は自分の身体に対して注意深くなっているため、それがお腹が一杯になったら食べるのを止めるように促されることとつながるのです。
日課として運動を始める
もし本気で減量して、それを維持したいと考えているならば、一週間のうちほとんどの日に60~90分の運動をすることを目標にしてください。しかし始めたばかりの人にとっては、ハードルが高いかもしれません。そんなときは最初の数週間は、運動を10分程度に分けて、それを一日何回かやる、という風にすると良いかもしれません、とThompson博士は言います。
ここで、朝の運動を続けていくためのヒントをいくつか紹介します。
最初に、医師に相談する
Thompson博士曰く、もし肥満で、しかも心臓病の危険因子である高血圧や高コレステロール、あるいは心臓病の家族歴がある場合は、運動を始める前に医師の承諾を得てください。
ウォーキングから始める
最初のうちは10分や15分など、短期目標を設定して、徐々に時間を延ばしていきましょう。犬を散歩させるのも非常に良い運動になります。というのも、朝に20分、そして夜にもう20分歩く必要があるからです。
「誰かを一日45分から1時間程度運動させることが出来れば、それは大成功とみなしてよいでしょう。いきなり90分運動しろといわれて出来る人はいません。まず生活スタイルを変えて、その上で時間を延ばしていく必要があります」と、Thompson博士はコメントしています。
ヘルスクラブを活用する
「運動に興味を持つために、様々なバラエティーのものが用意されている必要がある人もいます。その点において、ヘルスクラブはすばらしい。常に人々の興味を運動に釘付けにしておいてくれるし、お金を払っていると、人は足を運びやすくなります」。
トレーニング用DVDを活用する
一日を心静かに始めたいのであれば、ヨガや重量挙げ、エアロビクスのトレーニングが出来るテープやDVDを使ってみましょう。ただし、誰がそのプログラムを作ったのかに注意してください。「有名人が作ったものの中には、科学的根拠のないものがあります。そんなときは、ラベルの諮問委員会や、アドバイザーの欄を見てください。良いものは必ずアドバイザーとして運動生理学者を起用しているはずです」と、博士は指摘しています。
週末も続ける
もし運動を生活習慣の一部にしたいのであれば、週末も続けることを忘れないでください。運動を予定として入れ続け、何事にも妨害されないように気をつけましょう。
「これはあなただけの時間であり、誰もそれを侵せません。この約束は自分自身のために守るもの、自分のために行う良いことなのですから」とFosterさんは語りました。