膣を清潔で健康的に保つためにやるべき事

膣を清潔に保つ
膣からは分泌物(おりもの)が出ており、自浄作用があります。膣を清潔で健康に保つ方法を見つけましょう。膣洗浄器や膣ふき取りシートは必要ないんです。
膣は、子宮頸部(子宮の開口部)から膣開口部まで延びる体内の筋肉の管です。外陰部と呼ばれる外側の性器が膣口を取り囲んでいます。
毎日の健康を守ることは、膣を良い調子に保つのに役立ちます。
一般的に、膣の健康は、全体的に健康なのを確認することによって維持されます。健康な食事と運動も大事です。例えば、歩いたり走ったりすることは骨盤底の調子を整えますし性機能の健康を保ちます。
おりもの
自然な月経周期の一環として、月経期間以外は、膣から澄んだ白い分泌物(おりもの)が出ることは普通です。この粘液は、子宮頸部から出されます。
おりものは必ずしも病気の兆候というわけではありません。透明か白いおりものがたくさん出ると性感染症にかかっているという都市伝説があります。しかし、量の変化は100%、ホルモン、つまり月経周期や妊娠、閉経によるものです。
おりものの性質と量は、月経周期を通して変化します。卵巣から卵子が放出される頃(排卵)、おりものは通常、生の卵白のように、より厚くてねばねばします。
健康的なおりものには強い臭いや色がありません。不快なぬれ感を感じるかもしれませんが、膣の周りにはかゆみや痛みはないはずです。
色の変化や匂いや痒みが始まるなど、いつもと違う場合は、感染症の可能性があるので、主治医の診察を受けてください。
膣内の細菌
膣の中には、膣を守るためにたくさんの細菌がいます。膣には腸の次に多くの細菌がいますが、それには理由があります。
膣内の良い細菌:
・「数的優位」―膣に入る可能性のある他の有害な細菌より数で上回る
・膣のpHバランス(膣の酸性度)を均一なレベルに維持し、細菌の健康を保つ
・膣に侵入する他の細菌を減少または殺すためのバクテリオシン(天然に存在する抗生物質)を産生する
・膣壁に細菌が付着した時、細菌の侵入を止める物質を生成する
乳酸菌と呼ばれる細菌は、膣のpHバランスを通常の低レベル(pH 4.5未満)に保ち、他の生物の増殖も防ぎます。細菌のバランスが乱されると、感染症や炎症が起こる可能性があります。
膣のpHが上昇すると、酸性度が低下し、乳酸菌の品質や量が低下し、他の細菌が増殖する可能性があります。そして細菌性膣炎またはカンジタ症のような感染症が起き、かゆみや炎症、おりものが異常になるなどの症状を引き起こす可能性があります。
膣を洗う
香料入りの石けんやゲル、消毒剤は、膣内のバクテリアやpHレベルのバランスに影響を与え、刺激を引き起こす可能性があるので避けることをお勧めします。
香料などの入っていない石鹸で毎日優しく膣(外陰部)周辺を洗いましょう。膣内部には自浄作用があります。
月経期間中は、1日に1回以上洗ったほうが良いかもしれません。膣と肛門の間の会陰部をきれいにすることも重要です。少なくとも1日に1回、入浴中などに、会陰を洗って清潔にしましょう。
いろいろな女性がいますし、香料入りの石鹸で膣を洗って何の問題も起こらない人もいるかもしれません。しかし、炎症がある場合、最初にできることの1つは、非アレルギー性の無添加の石鹸を使用して、症状が改善するかどうかを確認することです。
膣洗浄器
膣洗浄器とは、水を膣内に流し込み、膣分泌物を取り除くものです。膣を清潔にするために使用する女性もいますが、使用すると膣内細菌のバランスが崩壊する可能性がありますので、お勧めしません。
膣洗浄器が健康に良いということは考えられません。なぜなら、膣洗浄器を使うと、膣内の健康を保つために必要なものも含めてすべてが洗い流されてしまうからです。
性感染症などを防ぐ証拠はなく、むしろ悪化させる可能性があります。
香り付きふき取りシートと膣消臭剤
これらの香料つきの製品は、膣の健康的な自然バランスを乱すことがあります。自然が膣にバラやラベンダーのような香りをつけようとしていたら、もとからついていたはずです。
膣を健康に保つために必要なのは、水と石けんで洗うことだけです。膣には匂いがあるのが普通です。膣の匂いは月経周期によって変化するもので、匂いが必ずしも感染症や病気の症状だとみなされるべきではありません。
膣の匂いが心配だ、嫌な匂いがする、膣の匂いを隠すために香料つきの製品を使用している場合には、主治医の診察を受けましょう。治療が必要な感染症があるかもしれません。
おりものの異常の最も一般的な原因は細菌性膣炎であり、これが不快な臭いを引き起こす可能性がある。簡単に抗生物質で治療できるので、心配な場合は主治医の診察を受けてください。
細菌性膣炎の症状、カンジタ症の症状、および性感染症の症状について、詳しくはこちらをご覧ください。
安全なセックス
性交中に膣に入る細菌やウイルスもあります。たとえば、クラミジアや淋病、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒、HIVを引き起こすウイルスや細菌です。性行為のたびにコンドームを使用することで、これらの感染症から膣を守ることができます。
コンドームの使用に関するヒントについて、こちらをご覧ください。