床上安静について知っておきたいすべてのこと

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「床上安静」について

「床上安静」は、お医者さんが妊婦さんの活動を制限したいときによく使う一般的な用語です。最近この用語は「活動制限」という用語と同義的に、あるいは取って変わられつつあります。しかしそれがどのような名前であろうと、つまりお母さんは楽にしているように言われているということなのです。

妊娠期間における床上安静と活動制限

床上安静は(活動制限としてますます知られるようになっていますが)、単に2時間ごとに横になれというものから入院まで、お医者さんによって違った事を指すことがあります。アメリカでは、いまでも毎年約20%の妊婦さんが活動制限をしなさいといわれているようです。しかし本当に「脚を休めなさい」といわれるかどうかは要するにお医者さんの指示次第なのです。ますます多くのお医者さんが厳密な床上安静をするのではなく、それを最後の手段としてのみ使うようになっています。実際、アメリカ産科婦人科学会(ACOG)と米国周産期学会はこれまでどおりの床上安静は推奨せず、それが妊娠合併症を回避したり治療するのに本当に役立つという証拠はないとしています。しかしこれはお医者さんが妊婦さんに妊婦さん自身と赤ちゃんを守るために普段の活動をいくつか制限するよう頼むということではありません。寝そべっている時間が長くなったとき、精神的、身体的に健康であり続ける方法など、活動制限から妊婦さんが考えられることをお伝えします。

床上安静の種類

床上安静は計画的な安静、模範的な床上安静、厳密な床上安静と病院での床上安静のうちいずれかに分類されてきました。しかしお医者さんは今ではこれらの区別のかわりに、妊娠合併症の深刻さによtえ2つのカテゴリーのうち1つをお勧めしています。

家庭、職場における活動の軽減

お医者さんによっては妊娠第三期に就業日を短くするように、定期的に休む時間の計画を作るように、運動、階段昇降や長時間にわたる歩行、直立などの活動を制限するように仰るかもしれません。しかし一般的に、病院の外での活動の軽減は起き上がって歩き回ったり、仕事をしたり、簡単な使いや軽い家事ができるということなのです(パートナーにも手伝ってもらいましょう!)

病院における活動の軽減

お医者さんによっては恒常的な監視、つまり入院をお求めになります。そして病院にいるだけで自然に、より多くの時間をベッドですごすことになるのです。しかし、運動不足の時期がのびることを鑑み、お医者さんはしばしば妊娠期に軽い身体セラピーを指示することで妊婦さんに健康でいてもらおうとします。

なぜ指示なさるのか

妊婦さんの中には特定の慢性的な状況を含む活動制限に、前にも増して心配される方もいらっしゃるでしょう。
お医者さんが活動を軽くするよう妊婦さんに言うかもしれない特定の妊娠期の状況もあるのです。

子癇前症

妊娠高血圧症候群(高血圧)としても知られる子癇前症は約10%の妊婦さんに起こります。確かな治療法は出産だけなので、床上安静の目的は単に出産を安全にするため妊娠期間を延ばすことなのです。

早産

一般的には妊娠期37週の前に萎縮したりほかの早産の兆候を見せたお母さんたちは床上安静をするよう言われるかもしれません。一般的な目標は最低でも48時間出産を遅らせて赤ちゃんの肺の成長を速めるステロイドが投与できるようにすることです。時々早産は発見、停止され、時期どおりに赤ちゃんが生まれることにもなります。

多胎妊娠

お腹に何人も赤ちゃんがいるお母さんは単に妊娠期がより大変になるため活動制限を命じられるかもしれません。もし入院したら、重力でお腹の赤ちゃんができるだけ大きくなれるようにすこし角度をつけた姿勢をとらされるかもしれません。
活動制限を命じられるお医者さんは、活動制限は子宮頸への圧力を軽減し子宮への循環が活発になっている時に心臓を強くするのに役立つといいます。もしお医者さんがある程度の活動制限を命じられて妊婦さんにその理由が分からなかったときは、訊いてみましょう。お医者さんはその利点とリスクに対し重過ぎるかどうか説明できなくてはなりません。

床上安静の欠点

つづいて床上安静には欠点も長い間存在し続けてきたことに目を向けてみましょう。これが多くのお医者さんが床上安静を行うことにより注意深くなりやすい理由なのです。運動不足は臀部と背中の痛み、筋萎縮症(出産後の回復を難しくします)、肌のかぶれ、骨量の減少、脚の血栓などにつながりかねません。また胸焼け、便秘、脚の膨張などの妊娠期によくある症状を妊娠糖尿病のリスクの上昇と同じくことにもなるかもしれません。なぜなら身体が普段の数値のようにはグルコースを分解していないからです。加えて、食欲減退(活動制限とともに起こりやすいです)、母体の体重減少と低体重の赤ちゃんの出産には関係があるという研究結果が出ました。つまり、お母さんの食欲がなく十分な食事ができていないと、赤ちゃんも同じく十分な栄養がもらえないということなのです。

医療の専門家は運動不足はうつにもつながる可能性があると警鐘を鳴らしています。そしてうつは時に出産後もつきまといます。振り払えない悲しい気持ち、食欲の喪失と大きな感情の揺れ動きなどの兆候には気をつけましょう。どんな妊婦さんでも以上の症状をさまざまなときに経験される可能性がありますが、もしこれらの症状を制御するのが難しいと感じたらお医者さんにご相談ください。

活動制限中に健康でいる

床上安静は残念なことに、パジャマパーティーではありません。目が覚めていつもしてきたことのいくつかができないことに気づいたら、どんな魅力もたちまち失せてしまいます。お医者さんから実際にどのような運動が許可されて(また、されないで)いるのかを聞いたら、これらの方策を副作用を最小化するために使ってみてください。

身体的

現在多くのお医者さんが受けている長い床上安静に関する予約を考えると、妊婦さんが完全に寝たきりの生活をすることはなさそうです。そして活動を軽くしなさいと言われたときでもまだできる物事に驚かれるかもしれませんね。

動かせるものを動かしましょう。お医者さんはたとえ推奨はしなくとも、お母さんが出産、回復と赤ちゃんの世話ができるのに十分な体力を保てるよう衝撃の軽い運動(歩行、上半身への軽いウェイト、下半身へのエクササイズバンド)をすることは認めてくださるでしょう。お医者さんの指示にできるだけ従い、血栓ができるのを防止し筋肉を強くするために脚や足首を伸ばしましょう。
自分が食べているものを管理しましょう。健康的な妊娠期の食事に従っていることを忘れずにいましょう。胸焼けを寄せ付けず、3食とるかわりに食事をちょこちょこ一日中とるようにしましょう。ドライフルーツ(ビタミンたっぷりです)は妊婦さんが普段どおりにいることを助けてくれます。
快適でいましょう。もしベッドで一日の大半をすごしていたら、仰向けではなく横向きで寝ることで子宮への血流を最大にしましょう。そして体の痛みを減らし皮膚のかぶれを避けるため毎時間向きを変えましょう。枕を頭の下に置き、お腹の下にもう1つ、ひざの間に1つ、そしてもしバランスがとりやすくなるのならば背後に1つ枕をおきましょう。ベッドから多少起き上がる(特に食べた後)と胸焼けしにくいです。

精神的

制限された生活を送るのは、とくにお母さんがふだんとても活動的な人であれば気が狂いそうでしょう。ときどき体を動かすことはよい気の紛らしになるでしょう。いくつか提案をしておきます。

そとに手を伸ばしましょう。お友達やご家族と電話、メールやSNSでつながり続けましょう。
一日の計画を立てましょう。習慣を作るよう心がけましょう。習慣の一番の盛り上がりが区画のまわりを歩いてお風呂に石鹸をいれるだけかもしれませんが。
家から働きましょう。もしお医者さんがお母さんに家の近くにいてほしいと思っているのなら、上司に離れたところで仕事ができるか訊いてみましょう。お医者さんと監督者双方にできることと制限されていることについて皆がわかるように話をしましょう。
赤ちゃんの準備をしましょう。この時間でオンラインショッピングをして赤ちゃんのために必要になりそうなものを何でも集めましょう。新生児用品一式をネットで予約し、食料品店に行き、ベビーベッドを注文したり助産師、授乳コンサルタントやベビーシッターを見つけましょう。

ショーを視聴しましょう。つまり、ドラマなどをまとめて見ちゃいましょう。
器用になりましょう。編み物、かぎ針編み、スクラップブックづくりやキルトをやってみましょう(あるいは上手なお友達に来てもらって教えてもらいましょう)
写真などをまとめてみましょう。写真をデジタルフレームに入れてみたり、スマートフォンのアドレス帳をパソコンに移してみましょう。赤ちゃんが生まれた報告(とお礼状、クリスマスカード、パーティーの招待状)を送る時、宛名を手書きではなくプリントできればとっても便利です。
おめかしして、洗練された格好でいましょう。お医者さんがそうしたことを気にかけないのであれば、近くの美容室でぜいたくしたり、家で自力で顔にトリートメントをしたりペディキュアを塗ったりするのもいいでしょう。
日記をはじめましょう。妊婦時代の思い出を保存して、のちのちお子さんと共有できるように、思っていることを記録したり赤ちゃんにいくつかお手紙を書いておくには絶好の機会です。
自分が単純に親になっていく過程をたいていの場合よりちょっと早く始めて、お子さんに最高のことをしてあげているのだということを覚えておいてください。たとえそれがすさまじく楽しいことではなくっても。毎日楽にしているということがもしかしたら赤ちゃん(あるいは赤ちゃんたち)にお腹の中で育つ時間を、健康的に、強く生まれてくる最良の機会を与えていることかもしれないのです。

床上安静が家族にもたらす変化

どれだけ活動が制限されているかによって、お母さんは家庭周辺でいくつか変更をしたほうがいいかもしれません。

パートナーの方

お医者さんが許可したもの次第では、パートナーの方は大半の家事やお使い、食事に責任をもつことになるかもしれません(難しいと感じるパートナーの方もい らっしゃるでしょう)。性交は議論しないほうがいいかもしれませんし(親密さと喜びを共有するほかの方法はありますが)、お互いに優しく、我慢強くありましょう。ときにはパートナーの方がお友達と出かけるのをすすめてあげましょう。そしてパートナーの方には適切な支援機能があるという事をわからせてあげましょう。

お子さん

もしすでにお子さんがいるのなら、特に小さい子(持ち上げられてお母さんのお尻の上で運ばれたいような)であれば、活動制限は試練を追加しかねません。お母さんはこちょこちょしたりくるくるしたりすることはできなくなり、またお茶会や本、ボードゲームをあまり見てあげられなくなるかもしれません。もし可能ならば、誰かにちびっこを毎日外に連れ出して走らせてもらいましょう。ちびっこのエネルギーが多少燃え尽きたらお母さんと遊ぶ時間静かでいてくれるのです。

出産後

出産後も期待を現実的に保ちましょう。産後のゆるみをなくし、体をすみずみまで見ておきましょう。活動制限の程度によっては以前と全く同じ運動能力や筋肉の強度をもつことはできないかもしれません。ですから回復する機会をつくり、以前の運動レベルへゆっくりと自分を鍛えなおす計画を立てましょう。歩いたり、ヨガや水泳をするのも持ち直すのによい運動です。自分の継続的な努力とお医者さん、家族や友人の手助けがあれば心配はいりません。大丈夫ですよ!

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