尿路感染症についての基礎知識〜原因〜

尿路感染症の説明
尿路感染症は、泌尿器系で起こる細菌性感染症です。これは一般的なもので、通常は深刻なものではありませんが、例外もあります。
尿路は、膀胱、腎臓、尿管(腎臓と膀胱をつなぐ二本の管)、尿道(膀胱から尿を体外に排出するためにある)から構成されています。
腎臓で感染が起きた場合は、腎盂腎炎と呼ばれ、膀胱で感染が起きた場合は膀胱炎と呼ばれます。
どのような人が尿路感染症になるの?
誰でもなる可能性があります。ただし、以下に当てはまる場合、その傾向は高くなります。
・女性である
・一度尿路感染症にかかったことがある
・膀胱の神経供給に影響を及ぼす状態にある(糖尿病、多発性硬化症、パーキンソン病、脊髄損傷など)
・更年期を経験した
・肥満である
・腫瘍、腎臓結石、前立腺肥大など、尿の流れをせき止める状態にある
・避妊にペッサリーや殺精子剤を使用している
・尿を人工的に体外に排出するために、膀胱にカテーテルと呼ばれるチューブをさしている
・男性とセックスをする男性、HIVに感染している
こうした特徴のほとんどは、単純な膀胱炎がより深刻な腎感染や敗血症(血流に感染が広まる)に発展するリスクも高めます。妊娠中の女性にとって、腎感染は早産の危険性を高めます。
原因
ほとんどの尿路感染症は、胃腸で見つかる大腸菌などの細菌が原因で発症します。感染を引き起こす可能性のあるその他の細菌としては、ブドウ球菌、プロテウス、クレブシェラ菌、腸球菌、シュードモナス菌などがあります。
膀胱炎によっては、セックスによって伝播した、クラミジア・トラコマチスやマイコプラズマという微生物が原因のこともあります。これは、男女を問わず可能性があります。トリコモナスという寄生生物も、似たような症状を引き起こすことがあります。
女性は、男性に比べて、尿道という膀胱から尿を外へ排出させる管が短いため、尿路感染症にかかりやすい傾向にあります。女性は尿道の入り口が肛門に近い位置にあるため、便の細菌が女性の尿道に入りやすくなります。尿路感染症は、セックスが関係していることもあります。
男性の場合、膀胱炎は、別の疾患が原因で症状が出ているケースがほとんどです。感染が前立腺や体のほかの箇所から移動する場合が多いです。または、腫瘍などが尿路をさえぎったり干渉していることもあります。
子供の慢性的な腎感染は、膀胱から腎臓に尿が逆流してしまうような構造上の問題か、膀胱が完全に空にならないことが原因です。