産後うつ(PPD)を認識しましょう

産後うつについて
「出産から2ヶ月経ったのに、まだ産後の憂鬱から抜け出せずにいるんです。産後うつなのでしょうか?」
赤ちゃんを産むというのはあなたの世界を良い方向にも悪い方向にも揺さぶる、人生を変える出来事の1つです。妊娠期を通じて思い描いてきた小さな新生児と会うことができるということは良いことです。しかしそれほど良くないものとしては出産から回復しながらかわいい(そして無力な)小さな赤ちゃんの面倒を見、上下するホルモン値に対応し、乏しい睡眠で頑張らなくてはならないのです。多くのお母さんが泣きたくなる(いつも喜びの涙とは限りません!)のも無理は無いことです。圧倒、短気、恐れといった感情はいうまでもありませんが。これらのマタニティブルーとして知られる感覚は大変普通のものです。実際、70~80%の新米ママはこれになります。幸運なことに、マタニティブルーは産後数週間で無くなります。ひとたびお母さんのホルモンが落ち着けば赤ちゃんの面倒を見ることができます。
しかし時々、憂鬱な気持ちは長引くことがあります。そしてそれはよくあることなのです(つまりあなたは一人じゃないってことです!)がしばしば診断を受けずにいる状態は産後うつ(PPD)と言います。これは産後3ヶ月のうちのどこかで始まり、約10から20%のお母さんに影響を与えます。その状態になっていくリスクが高いのは個人的あるいは家系的にうつの経験があり(産後うつを含む)、深刻なPMS(月経前症候群)を経験し、妊娠期に憂鬱な気持ちを味わい、難しい妊娠期や出産を経験し、やっかいな結婚をしたほか、生活に支援してくれる人を欠いていたり、慢性的に病気の赤ちゃんの面倒を見ている女性です。こうしたリスクが無い女性も産後うつになることがあるということを覚えておいて下さい。
マタニティブルーと違い、産後うつは数週間よりも長引き、ネガティブな気持ちは普通より強烈です。症状はこれらのものを含みます。
悲しみ、絶望、頼りなさを継続して感じる
自分自身と、あるいは自分自身か赤ちゃんの面倒を見ようという願望の欠如や無力
母としての失敗感覚、自分の感情への罪の意識
極度の疲労
不眠症
記憶障害
恐怖感覚
強迫性の思考や行動
ごくごく稀に、何千事例に1の割合で、お母さんは産後精神病を発症します。これは産後うつよりはるかに極端なもので、症状はお母さんを自分自身にとっても、赤ちゃんにとっても極度に危険なものにしてしまう幻覚や妄想が症状に含まれます。
自分が産後うつだと思ったらどうすればよいでしょう?お医者さんによっては産後うつをすばやく検査するのに使うかもしれないこの単純なテストを受けてみましょう。ご自分にこれら3つの質問をしてみましょう。
物事が悪い方向に向かったとき、不必要に自分を責める。
あまり良くない理由で恐れたりびくびくしたりする。
あまり良くない理由で心配になったり不安になる。
もしこれらのうちどれか、あるいはすべてに「はい、ほとんどいつも」とか「はい、時々」とか答えたら、予約をしてお医者さん(かセラピスト)にすぐ話をするようにしましょう。
もし産後うつに罹患していると分かったら、それはかなり治療しやすいです。お医者さんはトークセラピーや抗うつ剤(多くは授乳中でも安全です)をお勧めになるかもしれません。あるいはうつの症状を軽減できる光療法を受けることになるかもしれません。加えて、お医者さんにDHAサプリメントを摂ることについて話をしてみましょう。オメガ3脂肪酸は気分改善を助けることが示されています。脂肪の多い寒海性魚類(イワシ、鮭、まぐろ)とクルミを食生活に加えることや、オメガ3脂肪酸を含む出産前サプリメントを摂り続けることでオメガ3脂肪酸の摂取量を上げることはできます。
セラピーの他に、重荷を軽くし気持ちをさっぱりするためにできることがあります。
ご家族やお友達に支援を頼んで(そして受け入れて!)ください。スーパーお母さんになって何でもやろうとしないことです。パートナーの方にときどき赤ちゃんとの夜の当番を担当してもらえれば眠ることができます。新鮮な空気と風景の変化を求め一日に最低一度は家を出ましょう。他の人から支援を受けましょう。友達と話したり同じ気持ちと戦う他のお母さんをみつけましょう。治療を受ければ、特に診断と治療が早ければ、ほとんどの女性は産後うつから完全に復活しているので安心です。早く治療を受ければ受けるほど、早く美しい赤ちゃんと最大限に楽しむことができるのです。