皮膚の診察ではどんなことをしますか?

皮膚について
私達の皮膚は頭からつま先まで守っています。身体で最長の器官です。皮膚変化は何も害がないこともありますが、様々な病気の兆候を示していることもあります。発疹ができている子供の病気、アレルギー、慢性的皮膚病、皮膚感染、腫瘍、がんなどです。精神的な問題や、薬剤の副作用も肌に影響を与えることがあります。皮膚トラブルはいくつかの要因で起こることがあり、トラブルを悪化させることもあります。
皮膚の変化が厄介な症状や非常に顕著な場合は、医師に相談してみることは良い方法です。かかりつけ医は、皮膚の変化、発疹、多数のほくろなどを見つけた場合は、皮膚科医に紹介をしてくれることもあります。
スクリーニング検査にはどのようなものがありますか?
ドイツの事例では、新生児に対する健診であるU1から、5歳児にあたる年齢の健診であるU5まで健診がありますが、その際に皮膚の状態も確認します。アレルギーがないか、湿疹がないか、血管腫がないか、また、痣などの傷がないか、医師は確認します。
35歳以上の成人では、全てのドイツ人は2年ごとに無料で皮膚がんの検査を皮膚科で受けることができます。
皮膚を診察する間、なにが行われますか?
皮膚を見る前に、医師は既存の肌のトラブルや変化に関する質問をします。そして、それがいつから起きたのか、また急にでてきたものか、それとも時間をかけてでてきたものか、ということも尋ねます。ヘルペスなどの感染症の兆候がある場合は、どこから感染したのか、また誰かに感染させた可能性があるのかについても医師は質問してきます。アレルギーの兆候がある場合は、可能性のある要因について尋ねます。
原因を探している間、有害な物質、刺激物、性的趣向、薬剤、糖尿病などの慢性病、がん、以前の肌の状態、皮膚に関する家族歴について思い出してもらうことになります。
続く、皮膚の検査では、皮膚の状態を医師がみます。ここでは医師の手を目が主な道具です。
皮膚がんの検査においては、全身の皮膚全てが検査されます。口腔粘膜、頭皮、爪、生殖器、肌のしわなどです。
どのような皮膚の変化を医師は見つけようとしているのでしょうか?
可能な限り、皮膚の変化を正確に診断するため、またその変化の原因は何なのか理解するため、医師は以下のことを知ろうとします。
皮膚の変化の種類
医師は、斑点、腫れ物、水疱を区別します。皮膚の変化は肌のカサカサ、かさぶた、潰瘍、傷になることがあります。
皮膚の色
例えば、皮膚の色は赤、黄色みがかった色、青みがかった色でしょうか?
皮膚の質感
例えば、肌はザラザラしていたり、小さな固いしこりがありますか?
境目
皮膚の変化がある部分のまわりは境目がはっきりしているでしょうか、それともぼやけているでしょうか?通常のものでしょうか、異常のあるものでしょうか?
大きさ、分布、位置、形
例えば、発疹は小さな斑点でしょうか、それとも大きな斑点でしょうか?水疱はあるでしょうか?皮膚はカサカサしているでしょうか?皮膚の変化は広範囲に広がっているでしょうか、一列に広がっているのでしょうか、それとも円状に広がっているのでしょうか?身体の片側にだけでているのでしょうか?それとも両側に対称的にでているでしょうか?
随伴症状
変化がある部分は痛みがあるでしょうか?それともチクチク感や痒みがありますか?もし、その部分を掻き毟ってしまったり、炎症があると、皮膚の状態が元々の皮膚変化の状態とは違って見えることがあります。そうなると、医師の診断が難しくなることがあります。皮膚変化がたどれるように、写真を撮っていくとよいでしょう。
他に医師は何を見ますか?
目に見える変化と同様に、皮膚の変化を質感で確認し、皮膚の厚み、痛みがあるかについて確認します。
カサカサの皮膚やかさぶたは木製のスパチュラで取り除くことができ、その下の皮膚を確認することができます。木製のスパチュラは湿疹の兆候を確認するために使うこともできます。取り除いた後に、肌が赤ではなく白になれば、湿疹の可能性があります。
皮膚の変化の本当の色を確認するために、ガラス製スパチュラを肌に押し付けます。一時的に血管の血を押さえるため、本当の肌の色が現れます。血管によって赤色になっていたかさぶたの色が消え、皮膚の変化があった場所の細胞の色を見ることができます。
その他にどんな検査を行いますか?
皮膚鏡をつかって検査をすることがあります。この特別な拡大鏡は、例えばほくろの変化などの非常にちいさな変化を見ることができます。
血液検査は、炎症、アレルギー、代謝の変化の兆候を検出することができます。
特別なアレルギーの検査では、何の物質が肌に触れた時に赤みや腫れの原因になっているか確認するために使います。
超音波検査では、皮膚の変化がどの程度の深さ、厚みで起きているのかについて正確な情報を把握することができます。腫瘍の大きさを決定することにも役立ちます。
皮膚サンプル(生体検査)
皮膚の変化が良性腫瘍(非がん性)もしくは悪性腫瘍(がん性)であるかを明らかにするために、皮膚のサンプルを採取し、それをラボ分析に送ります。皮膚サンプルは、皮膚の変化が特定のアレルギー、感染症、自己免疫疾患の兆候であるかどうかを確認することにも役立ちます。
紫外線とバイオレット光を放射する、特別なランプである、ウッドランプにより、真菌感染やその他の皮膚の病気を確認することができます。