出産の手順と医療処置について知っておきたいこと

分娩の手順について
ここでは、分娩はどのような手順で進むのか、また医者はどのような処置をして赤ちゃんをこの世に迎え入れる手助けをするのかについてとりあげます。
あなたが思い描く最良の出産のシナリオはどんなものですか?次のようなものかもしれません―扱いやすい手短な陣痛(もちろん、前駆陣痛と間違えることなく本陣痛が完璧な子宮収縮から始まる)、多少の痛み(または少なくとも呼吸法で何とかできる程度の痛み)、少しいきむ、そして美しい赤ちゃんを迎え入れる。幸いなことに、多くの場合(特に、合併症のリスクが少ない女性の)出産は、そのシナリオに非常に近くなります(まあ、「多少の痛み」という部分は違いますが)。しかし、妊婦や医者の希望や最善の準備に反して、物事はそれほどスムーズに、または自然に行かないことがあります。自然分娩をするつもりが、陣痛を引き起こす、ピトシンを投与したり卵膜を人工的に破裂させたりして陣痛を始めさせる、器具(鉗子、吸引娩出器)を使う、赤ちゃんが楽に出られるように手術する(会陰切開)、赤ちゃんが上手く切り抜けているのか確認するための胎児モニタリング(内部または外部)など、医療の助けが少し必要になることもあります。
たとえあなたの妊娠が低リスクで、今までとりたてて危ないことがなかったとしても(あるいは、自然分娩をする場合でも、高度な医療処置ができない助産師と共に家で産む場合でも)、このような医療処置に精通していることが重要です。なぜかというと、第一に、出産ではどんなことが起こりうるのか理解すれば、それについての疑問点や心配がなくなり、不安がやわらぐからです。出産ではどのようなことが起こるのかは予期できません(素朴な自宅出産では、例えば最終的に病院で出産することになるなど、想像より少し難しくなるかもしれません)。これらの医療処置の可能性を事前に考えておくと、より上手く対処できます。第二に、医者と事前に話し合って希望を伝えれば、これらの医療処置をどのように施すかをコントロールできます。最後に、予期せぬことに備えて準備を整えるのが妊婦にとって一番であり、親になればずっと心に留めておくべき考え方だからです。
幸いにも、このような医療処置はかつてよりも少なくて済んでいます。5年または10年前は当たり前だったものは、現在は必要に応じてのみ使われています。また、分娩が正常に進行し、赤ちゃんの体調が良好である低リスク妊婦には、陣痛誘発剤などの医療処置はどうしても必要であるか必要になるまで避けるか、遅らせたり調整したりするべきだと医者に推奨されています。つまり、最良の出産のシナリオを実現できる可能性は以前よりも高いのです。