妊娠中の痔について〜原因、治療〜

妊娠中の痔について
妊娠中の痔の原因と、安全かつ効果的な痔の治療法を説明します。
直腸の静脈瘤である痔は、かゆみを伴い、不快で、強い痛みを伴うことがあります。症状が今より楽になることはありませんが、痔は、無害で、一般的な症状だということを覚えておいてください。特に妊娠中期の中頃から妊娠後期の女性の半数以上が、痔に悩まされます。
原因は何ですか?
妊娠25週目頃から始まる、大きくなる子宮による圧迫と、骨盤部への血流の増加によって、直腸の壁の静脈が膨らみ、かゆみを引き起こします。便秘が痔の原因となったり、痔を悪化させることがあります。便がかたいと、排便時に強い力が必要となり、直腸部の静脈を圧迫し、腫れや膨らみを引き起こします。また、出産中に息んだことで、産後に痔がひどくなることがあります。しかし、幸い、痔を治療するためにできることはたくさんあります。そして、ありがたいことに、痔は出産後には治るはずです。
できること
規則正しい生活をする。妊娠中の最も良い痔の治療法は、規則正しい生活をすることです。便秘を予防するために、水をたくさん飲み、食物繊維の摂取量を増やしてください。
ケーゲル体操をする。出産のために会陰を鍛えられるだけでなく、骨盤内の血液循環を良くすることによって、痔の予防にも役立ちます。
横向きで寝る。あおむけに寝ないようにしましょう。そうすることで、患部にかかる圧力を軽減できます。妊娠初期を過ぎたら、あおむけに寝ないようにしてください。また、直腸の静脈の圧迫を和らげるために、1日に数回、左側を下にして横になるようにしましょう。
よく動く。長時間、座りっぱなしや立ちっぱなしはいけません。1時間に1回以上は、5分間歩くようにして、血液循環を改善し、身体のめぐりを良くしましょう。医者の了解を得ている場合は、予定日まで安全な妊娠中のエクササイズを続けてください。
無理に排便しようとしない。力んだり、長時間トイレにいるのはやめましょう。
清潔に保つ。温水と白いダブルのトイレットペーパーを使用して、排便後のお尻を拭きます。また、敏感な組織を刺激する可能性があるので、強く拭いてはいけません。トイレットペーパーでは刺激が強い場合は、お尻拭きを試してみてください。
温かいお風呂に入る。10〜15分お風呂に浸かると、清潔に保つことができ、不快感を軽減することもできます。
ウィッチヘーゼルオイルやアイスパックを試す。どちらも痔の痛みを和らげるのに役立ちます。
ドーナツ型のクッションを買う。座っているのが本当に不快な場合、お尻にかかる圧力を緩和してくれます。
痔の治療について医者に相談する。かゆみや痛みを和らげるために、便軟化剤やクリームを勧めてくれるかもしれません。
医者に電話した方が良いとき
肛門から出血している場合は、必ず医者に行ってください。しかし、おそらくそれは切れ痔です。切れ痔は、排便中、力んだときに起こりやすいです。