成人の尿路感染症(UTI)について

陰部

尿路感染症とは

尿路感染症(UTI)は、膀胱、腎臓、およびそれらに接続されたチューブに影響を与える一般的な感染症です。

尿路感染症は、誰でもかかる可能性がありますが、特に女性に多いとされています。女性によっては定期的にかかる人もいます。(再発性の尿路感染症と呼ばれています。)

尿路感染症の症状としては、痛みを伴ったり、不快感を感じるがありますが、通常は数日以内に経過し、抗生物質で簡単に治療することができます。

尿路感染症の症状

膀胱または尿道で起こる感染は、下部尿路感染症として知られており、症状としては以下が見られます。

・尿の回数が多くなる
・排尿時の痛みや不快感
・突然尿意を催す
・完全に尿を出し切っていない感覚がある
・下腹部の痛み
・尿のにごりや悪臭、血尿
・気分が優れなかったり、疲れがみられる

腎臓や尿管(腎臓と膀胱をつなぐチューブ)の感染は、上部尿路感染症として知られています。
上部尿路感染症は、上記に加え、以下の症状を引き起こす可能性があります。

・38C以上の高熱
・わき腹や背中の痛み
・寒け
・吐き気
・混乱
・興奮や情緒不安

下部尿路感染症は一般的であり、通常はそれほど深刻ではありません。一方、上部尿路感染症は、腎臓に損傷を与えたり血流に広がる可能性があるため、未治療のまま放置すると、深刻な状態になる可能性があります。

医師に相談するタイミング

尿路感染症の疑いがある場合は、医師の診断を受けることをお勧めします。具体的には、以下の場合です。

・上述した尿路感染症の症状がある(上記参照)
・症状が悪化している
・数日たっても、症状が改善しない
・頻繁に尿路感染症になる

医師は、尿検査によって、症状の特定を行います。感染している場合は、抗生物質が処方されるでしょう。特に未治療の尿感染症は感染が拡大した場合、重大な症状につながる可能性があるため、通常は抗生物質が推奨されています。

尿路感染症の治療

尿路感染症は通常、抗生物質の短いコースで治療されます。女性には通常、抗生物質のカプセルまたは錠剤を3日間投与します。男性、妊婦、さらに重度の症状を持つ人々は、少し長いコースが必要になることがあります。

症状は治療を開始してから3〜5日以内に治ることが殆どです。ただし、自分で治ったと思ったとしても、処方された抗生物質は完全に飲みきるようにしてください。パラセタモールのような市販されていない鎮痛剤は、どんな痛みにも役立ちます。水分をたくさんとると、痛みが改善されるかもしれません。

症状が改善しなかったり、悪化したり、または再発するようであれば、再度医師に相談しましょう。

尿路感染症の原因

尿路感染症は、通常、細菌による感染が原因で起こります。大抵の場合、腸からの細菌は尿道を通して尿路に入って感染します。
お尻を拭いたり、性交したときに感染することがありますが、感染の原因がはっきりしないこともよくあります。

以下の場合、尿路感染症のリスクが高くなります。

・腎臓結石などで、尿路が塞っている
・膀胱を完全に空にするのが難しい
・避妊ゼリーでコーティングされた避妊具やコンドームを使用している
・糖尿病
・免疫系が弱体化している。(化学療法やHIVによって)
・尿道カテーテルを入れている
・男性の前立腺肥大

女性は尿道が男性よりも短く、肛門に近いため、尿路感染症になる可能性が高いといわれています。

尿路感染症の予防

尿路感染症に頻繁になるようであれば、以下のことが再発防止になるかもしれません。しかしながら、これらの措置のほとんどは、実際の所どれだけ効果的なのか明らかになっていません。

・性器の周りは芳香性の石鹸やタルクパウダーは避ける。
無添加で無香性のものを選び、浴室につからずシャワーで済ませましょう
・尿意をもよおしたら、すぐにトイレにいく
・水分をしっかりとる
・トイレでお尻を拭くときは、前から後ろに拭く
・セックスをした後は、できるだけ早くおしっこをする
・避妊ジェルのついた避妊具やコンドームを使用しない
・ナイロンのような合成素材ではなく、綿製の下着を着用し、きついジーンズやズボンを避ける。

これらの措置がうまくいかない場合は、医師に相談してください。抗生物質の長期的なコースを取るかもしれませんし、症状がでるとすぐに使用できる抗生物質を処方してくれるかもしれません。 今のところ、クランベリージュースを飲んだりプロバイオティクスを摂取することで尿路感染症の確立が大幅に減るという証拠はほとんどありません。

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