妊娠悪阻について知っておきたいこと

妊娠悪阻について
吐き気と嘔吐が止まらないとき、つわりが悪化した妊娠悪阻になっているかもしれません。
ほとんどの女性は、妊娠中に吐き気や嘔吐を経験します。これは、消化管の筋肉を弛緩させ、消化効率を低下させるプロゲステロンと、妊娠中に産出されるhCGホルモンのレベルが急激に上昇することが原因です。しかし、妊娠悪阻になる妊婦は200人に1人以下です。それは、重度で継続的な嘔吐および吐き気で、通常のつわりよりも身体を衰弱させます。
軽度の症例はしばしば普通の自宅療養で処置できますが、重度の症例では体重減少、電解質異常、栄養失調、脱水などが起こります。そのため、あなたと赤ちゃんの健康を守るために入院が必要となることはよくあります。
いつ起こりますか?
妊娠悪阻は、妊娠前期に通常のつわり(妊娠4、5週目頃に始まる)より早く始まり、通常は12~20週目の間に落ち着き始めますが、妊娠期間を通して継続することもあります。
どのような人が最もリスクが高いですか?
この妊娠合併症は、始めて出産する女性、若い女性、肥満女性、多胎妊娠している女性、過去の妊娠で妊娠悪阻を発症した女性によく見られます。研究によると、母親が妊娠悪阻を経験した女性は、自分自身も経験する可能性が高いことが示されています。また、極度の精神的なストレス、内分泌の不均衡(多嚢胞性卵巣症候群のようなホルモンの不均衡)、ビタミンB欠乏症およびヘリコバクターピロリ感染(しばしば潰瘍を引き起こす、細菌性の胃の感染症)は、リスクを高める可能性があります。
つわりとの違いは?
妊娠悪阻の症状は持続的で、通常のつわりよりもはるかに深刻です。次のような症状があります。
・ひどい吐き気がなくならない
・1日に数回の嘔吐
・食べ物や飲み物さえ受けつけない
・食欲の減退または食欲が全くなくなる
・意識もうろうまたは失神
・脱水の兆候(尿の回数が減る、尿の色が濃い黄色になるなど)
・5%以上の体重減少
・嘔吐物に血が混じっている
妊娠悪阻かどうかわからない場合は、必ず医者に相談してください。症状について話し合い、血圧と脈を測り、肝臓や胃腸の問題がないことを確認するために、他の検査を行うことになるでしょう。
知っておくべきこと
あなたが妊娠悪阻に苦しんでいても、幸い、赤ちゃんには影響がなさそうです。ほとんどの研究で、妊娠悪阻を経験した女性と経験していない女性の赤ちゃんに、健康や発達の差は見られません。
症状が軽い場合にできること
症状が比較的軽く、食べ物や飲み物をいくらか摂取できる場合は、次のつわりを解消するための自然療法を試してみましょう。
・本物のショウガを使った食べ物を摂取する(ジンジャーティー、ジンジャーキャンディ、ジンジャーエール、ジンジャークッキーなど)
・吐き気を引き起こす可能性が高い、脂肪分の多い食べ物や辛い食べ物を排除して、食事を調整する
・嫌いな匂いや味覚を避ける
・6〜8回に少しずつ分けて、高炭水化物、高タンパク質の食事を1日中食べる。一度にたくさん食べるよりも消化しやすくなり、胃の内壁に酸が分泌されて、吐き気が起こるのを防ぎます
・水分をしっかりとって、尿量に注目する(濃い少量の尿は、水分を十分にとれていない兆候です)
・鍼灸
・指圧
・シーバンドや指圧バンドをつける
これらが効かない場合は、薬を服用する前に医者に相談してください。つわりがひどい場合、医者はビタミンb6(吐き気とストレスを和らげることが示されている)と睡眠薬を処方するかもしれません。
症状が重い場合にできること
継続的に嘔吐したり、体重が大幅に減っている場合、医者は点滴や入院の必要性を判断し、吐き気止めの薬を処方するかもしれません。再び食べ物を食べられるようになったら、それほどひどくないつわりを軽減するのと同じやり方に従うことが最善です。
うれしいことに、適切な治療を受ければ、赤ちゃんは妊娠悪阻の影響を全く受けないはずです。