コーヒーとお茶を飲むことによる健康上の恩恵

その他

共通の背景

真水はさておき、コーヒーとお茶は世界で一番飲まれている飲料です。両者とも健康増進に寄与してくれるはたらきがあり、友達作りのきっかけにすることもできますよね。

コーヒーの基礎知識

コーヒー豆はアメリカ合衆国(ハワイ)など世界50カ国以上で見られる花木の上になります。採集された豆は炒られた後、挽いて粉にします。そうしてできあがったものを、好みや各地方の色に合わせてゆでたり、ドリップしたり、蒸したり、浸したりして、コーヒーを淹れているのです。

お茶の基礎知識

現在、世界の3分の2以上の人がお茶を飲んでいます。お茶は全てCamellia sinensisという葉っぱから作られています。通常、お茶を淹れるときにはその茶葉を数分間沸騰した熱湯に浸し、あつあつのままで飲んだり冷して飲んだりします。

緑茶、ウーロン茶、紅茶。その違いとは

お茶の生産者たちは茶葉を乾燥させ、粉にします。葉から油分を飛ばすためです。そのあと、どの種類のお茶を作りたいかに応じて空気にさらす時間を変えていきます。この工程は「発酵」と呼ばれていて、そのお茶の風味や色を変える化学反応が起きている工程です。
空気にさらされる時間が長ければ長いほど、カフェイン量は増加します。緑茶の茶葉を作るときには茶葉に発酵の工程を全く通さないため、緑茶にはほぼカフェインが入っていないのです。ウーロン茶は一定期間発酵された茶葉を使用し、紅茶は最も長時間発酵された茶葉を使用しています。

フリーラジカル

フリーラジカルという化学物質は細胞にダメージを与え、病気を引き起こすことがあります。この物質は特定の食べ物をエネルギーに変えるときと、肌に太陽光が当たったときに体が勝手に作ってしまうものですが、さらに食べ物や飲み物から直接体内に入るってしまうこともあります。しかし、お茶やコーヒーをを飲んでいれば、それに含まれる抗酸化物質がフリーラジカルに抵抗するのを助けてくれます。

2型糖尿病

体を動かす燃料として血中の糖分(グルコース)をどのように使うかに影響を与えるのが2型糖尿病ですが、お茶とコーヒーは両方とも2型糖尿病になる可能性を低下させるのに効果があります。血糖値の低下とその安定は糖尿病治療にとって一番の難題となりますが、
コーヒーには、血糖値を低下させた上、それを安定させるはたらきをする抗酸化物質がたくさん入っています。また、お茶に入っている抗酸化物質は体内の糖分処理を助けるはたらきがあるかもしれません。

パーキンソン病

パーキンソン病は、脳の神経細胞をだめにしてしまい随意運動を困難にする病気ですが、コーヒーとお茶を飲めばこの深刻な病気に抵抗するのを助けてくれるかもしれません。カフェインを摂取すればパーキンソン病の初期症状を軽くすることができるという研究もありますし、コーヒーとお茶を飲めばそもそも脳をパーキンソン病から守ることができるかもしれないとする研究もあります。

心臓疾患

カフェインの摂取を避けるため、心臓疾患を持った人はコーヒーとお茶を飲まないほうが良いと、かつての医者は考えていたのですが、今ではカフェインは心臓疾患を防ぐはたらきがあると考えられています。ある研究で、一日にコップ3~5杯のコーヒーを飲んでいた人たちは心筋に血を運ぶ血管にカルシウムがたまりにくい傾向があることが分かりました。つまり、心臓疾患になりにくくなるということです。

肝臓疾患

朝のコーヒーを飲むことで肝臓にもメリットがあると考えられています。一日にコップ3杯以上のコーヒーを飲むと慢性的な肝臓疾患や肝硬変、肝臓がんになる確率を下げることができるかもしれませんので、こうした病気を抱えている人にとってはコーヒーは代替薬になるかもしれません。コーヒーには100種類以上の化学化合物が入っているので、科学者たちはその諸物質がどのようなはたらきをしているのか、どのように肝臓のはたらきを助けているのかを解明しようとしています。

脳卒中

脳卒中は脳のある部分に血液が行かなくなったときに起こりますが、一日にコップ1杯でもコーヒーないしお茶を飲めば脳卒中になる確率を下げることができます。その理由はコーヒーが炎症を抑え、血糖値をコントロールすることができることにあります。また、紅茶を飲むと血圧を下げることができ、脳卒中になりにくくしてくれます。

がん

全てのお茶に卵巣がんや胃がんなどを防ぐ効果があるようです。特にコーヒーと緑茶は乳がんや前立腺がんを防ぐのを助けるはたらきがあるかもしれません。ポリフェノールなどといったお茶に含まれる抗酸化物質がこれに関係していると研究者は考えています。

アルツハイマー病

アルツハイマー病は脳の神経細胞(ニューロン)を攻撃してしまい、発言や挙動に変化を与えたり記憶喪失を起こさせたりする病気です。コーヒーにはニューロンを守るはたらきをする抗酸化物質が、緑茶にはアルツハイマー病の原因になると考えられているタンパク質のかたまりができるのを防ぐはたらきがある抗酸化物質がそれぞれ含まれています。

胆石

硬化したコレステロールなどの物質からなる小片が胆嚢の内部でできます。なお、胆嚢とは腹部周辺にある小さなナスの形をした器官で、消化を助けるはたらきがあります。きちんと治療していないと、胆嚢内部の小片はときどき激しい痛みと健康問題を引き起こす可能性があります。でも、コーヒーを飲んでいれば胆石ができる可能性を下げることができます。コーヒーは液体が胆嚢を通過するのを助け、コレステロールが結晶化して胆石となる可能性を下げてくれるからです。

減量

甘い飲み物の代わりにコーヒーやお茶などといった低カロリーな飲料を飲むようにすると、体重を減らすのは簡単だと気づくでしょう。コーヒーやお茶は、ほぼノーカロリーで満足感の得られる飲み物となってくれます。もちろん、砂糖やクリームを追加したら意味が無いので淹れたらそのまま飲みましょう。

飲みすぎは禁物

コーヒーやお茶の健康上のメリットとは引き換えに、カフェインを摂取しすぎると不安症になったりいらいらしたり、眠りにつきにくくなったりします。また、カルシウムを体内に残しにくくなってしまい、骨折しやすくなるかもしれません(カルシウムは骨を強くするからです)。自分にとっての適正量がどれほどかはかかりつけの医師にご相談ください。

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