膀胱炎についての基礎知識〜原因、治療法〜

その他

膀胱炎について

膀胱炎は膀胱が炎症を起こしていることで、膀胱感染症により、通常起こります。尿路感染症(UTI)の中でも一般的なもので、女性が発症することが多く、厄介なものではありますが、通常は深刻な問題を起こすものではありません。軽度の膀胱炎であれば、数日以内に自然に治癒する場合が多いです。
しかしながら、膀胱炎を頻繁に発症する人もおり、その場合は定期的または長期の治療が必要な場合もあります。
また、膀胱炎が深刻な腎感染の原因となる場合もあり、症状が改善しない場合は医師の診察を受けることが重要です。

膀胱炎の兆候と症状

膀胱炎の主な症状には次のものがあります。
痛み、排尿時にチクチク感や燃えるような感覚がある
通常に比べて、頻尿になったり、急に排尿したくなる
尿の色が濃く、濁っており、強いにおいがする
下腹部に痛みがある
気分が良くなく、痛み、疲労、吐き気がする
小さな子供の場合は38度程度もしくはそれを超える高熱がでることがあり、衰弱、痛み、嘔吐、食欲の減退がある

かかりつけ医の診察を受けなければいけない場合

膀胱炎がある場合、女性は必ずしも医師の診断を受ける必要はありません。軽度の膀胱炎は治療しなくても良くなります。下記に示されたセルフケアを試してみるか、薬局で相談をしてみてもよいでしょう。

かかりつけ医の診断を受けたほうがよい場合は次の場合です。

膀胱炎かどうかわからない時
症状が2、3日経ってもよくなり始めない時
膀胱炎を頻繁に発症する場合
尿に血液が出る、熱や体の両側に痛みが出る場合など、重い症状が出る場合
妊娠中に膀胱炎の症状が出る場合
男性で膀胱炎の症状が出る場合
子供に膀胱炎の症状がある場合
かかりつけ医は症状を聞くことにより、膀胱炎かどうかを判断します。尿検査をして尿内のバクテリアを検査して、診断を確定することもあります。

膀胱炎の原因は何でしょうか?

多くの場合で、通常は無害に腸内もしくは肌の上に生息しているバクテリアが尿道を通って膀胱に入りこむことで起こります。
なぜこれが起こるのかということははっきりとはわかっていませんが、次のようなことで起こることがあります。
セックスをする
トイレでお尻を拭くこと(特に、お尻から前側に向かって拭いたとき)
タンポンの使用や尿道カテーテル(これは細いチューブで尿道に挿入し、膀胱から尿を排出するためのもの)を挿入した場合
避妊具としてペッサリーを使った場合
女性は男性よりも膀胱炎になりやすい。これは肛門と尿道の距離が近く、また尿道の長さも短いため、膀胱まで簡単にバクテリアが入り込みやすいため。

膀胱炎の治療法

膀胱炎でかかりつけ医に診察してもらう場合、感染を治療するための抗生物質が通常は処方されます。1-2日で効果が現れてきます。
以前にも膀胱炎になったことがある場合で、医師の診断を求めなくてもよいと感じる場合は、自宅で症状を改善させることもできるでしょう。
症状がよくなるまで、次のようなことが効果的です。
イブプロフェンやパラセタモールを服用する
水分を多く摂る
湯たんぽをお腹の上や太ももの間に置いてあたためる
セックスを避ける

尿の酸度を減らすことに役立つ市販薬を使ってみると効果のある人もいますが、本当に効果があるという証拠は欠けています。

膀胱炎の症状が続いているようであれば、かかりつけ医が抗生物質を処方することもあります。医師は低量の抗生物質を処方することがあり、患者はそれを数ヶ月続けて服用することもあります。

膀胱炎の予防

膀胱炎を頻繁に繰り返すようであれば、繰り返さないように試してみることができる方法があります。しかし、以下に示す方法がどれほど効果的なものかどうかははっきりしていません。
香料の入った入浴剤や石鹸やボディパウダーを使用しない、無香料のものを使用する
バスタブに入らず、シャワーを浴びるようにする(これはバスタブに浸かっていると長い時間、洗浄剤に入っている化学物質に性器が曝されることを防ぐため)
尿意を感じたらすぐにトイレに行き、常に膀胱を完全に空にするようにする
十分な水分を摂る(水分を多く摂ることは、膀胱でバクテリアが増殖することに役立つ)
排泄後は、お尻は前から後ろに向かって拭くようにする
セックスした後、できるだけ早く膀胱を空にする
避妊具としてペッサリーを使わない(別の避妊方法・避妊具を使用する)
下着は綿でできているものを着用し、ナイロンなどの合成繊維を使用しない
ぴったりとしたジーンズやパンツを穿かない

クランベリージュースを飲むことは、膀胱炎にならないように勧められている昔からの方法です。しかし、大規模な調査の結果ではあまり効果がなかったことが示唆されています。

間質性膀胱炎

長期間もしくは頻繁に骨盤に痛みがあり、排尿に問題があるようであれば、間質性膀胱炎の可能性があります。
主に中年女性がかかるものですが、間質性膀胱炎はあまり知られていません。一般的な膀胱炎とは違い、膀胱に目に見える感染はなく、抗生物質も効きません。しかしながら、医師は症状をなくすために、他の治療方法を勧めます。

関連記事一覧