赤ちゃんの脱水症状の発見と予防について

赤ちゃんの脱水症状
赤ちゃんの体は、水分をたくさん溜めておくことができないため、簡単に脱水症状を起こしてしまう恐れがあります。赤ちゃんを守るために、脱水症状の兆候について知っておきましょう。
赤ちゃんのしていることといえば、寝て、食べて、排泄するくらいしかないように思えるかもしれませんが、赤ちゃんの体の仕組み上、それで精一杯なのです。赤ちゃんのおなかは、もう少し大きな子供や大人と比べるととても小さく、体内に溜めておける水分の量も少ないのです。また、代謝も非常に早いため、時間が来ると母乳を飲まなくてはいけない理由も頷けるでしょう。赤ちゃんは、必要な水分量は、すべて定期的にお母さんの母乳を飲むことで補っていますが、気温が極端に暑かったり寒かったりした場合や、嘔吐、下痢、汗、排泄によって水分を失ってしまい、脱水につながってしまいます。ここでは、赤ちゃんの脱水症状の兆候と、それをどのように予防および治療したら良いのかについてお話します。
赤ちゃんに必要な水分量はどれくらいですか?
赤ちゃんが5~6ヶ月(離乳食を食べ始める頃)になるまでは、必要な水分や栄養はすべて母乳あるいは粉ミルクから摂取しています。そのため、どんなに暑くても、その頃までは水やジュースをあげる必要はありません。
離乳食が始まったら、ミルク以外の液体、つまりジュースや水分を多く含む野菜や果物、そしてもちろん水からも、水分の摂取が始まります。ミルクを飲む量が減ってきても、赤ちゃんが摂取する水分の全体の量が減らないようにしなければなりません。とくに、暑い日には摂取する水分量を増やす必要がありますので、水やフレッシュジュースをもっと飲ませるようにしましょう。つまり、外出するときはお子さんのための飲み物をたくさん用意しておく必要があるということです。
暑い日に脱水症状を予防するためには
外が暑い場合、赤ちゃんの脱水症状を予防するために最も重要なことは、そもそも極端に暑い日に暑さから守ってあげるということです。直射日光が当たらないようにしてあげたり、通気性の良い薄い服を着せてあげましょう。また、寝ているときに毛布にくるまないようにしてください。寝ているときに暑すぎると、乳幼児突然死症候群(SIDS)につながる恐れもあります。
体調不良が原因の脱水症状を予防するためには
赤ちゃんが病気になった場合は、脱水症状を起こしやすい傾向にあります。嘔吐や下痢があったり、喉が痛いなどの理由で食べ物を食べたがらない場合、体内からたくさんの水分を失ってしまいます。こうした症状は、ウイルスが原因であることがほとんどです。季節性の風邪やインフルエンザを完全に予防することが難しくても、手洗いをしっかりすることは必ずためになります。また、赤ちゃんの定期健診や予防接種を毎回しっかり受けることも大切です。
赤ちゃんの脱水症状の兆候
赤ちゃんが嘔吐したり(ミルクを少量吐き出すのは嘔吐に入りません)、下痢をしていたり、暑い日に一定の時間を外で過ごした場合、脱水症状になっていないか注意しましょう。
赤ちゃんに以下のような症状が見られた場合は、12時間以内に医者に連絡をしてください。
・24時間でオムツが湿る回数が6回未満の場合、もしくは2~3時間おしっこが出ない場合(尿量が非常に少ない恐れがあります)
・おしっこの色が濃い黄色で、濃度が濃い場合
・粘膜が乾いている場合(唇が乾燥しているなど)
・泣いているときに涙が出ない場合
・肌の弾力がなく、乾燥しているように感じる場合(優しく押してみたときに、跳ね返ってこない)
・目がくぼんでいる
・だるそうにしている
・泉門(頭のてっぺんのやわらかい部分)がくぼんでいる
深刻な場合、治療がすぐに必要となり、点滴によって体内の水分量を元に戻す必要があります。以下のような症状が見られた場合、直ちに小児科あるいは救急外来に行ってください。
・6時間以上オムツを塗らしていない
・極端に機嫌が悪い
・異常な眠気
・手足が冷たいか、斑点が見られる、もしくはその両方
・粘膜が非常に乾いている(口、唇、目が乾いている)
赤ちゃんの脱水症状の治療法
ミルクをあげると吐いてしまったり下痢をしてしまっても、定期的にミルクをあげ続けてください。少なくとも、普段あげている量と同量か、それ以上あげるようにしましょう。
離乳食を食べ始めたもう少し大きくなった赤ちゃんについては、症状が軽い場合は、水や薄めたジュースがおすすめです。相当な水分量が失われている場合、特に下痢も嘔吐もある場合は、もう少し大きくなった赤ちゃんには、医者は電解質の補給のための液体を与えることもあります。これは、下痢で失われたナトリウムとカリウムを補うためです。与える際は、やり方と時間帯については医者の指示に従ってください。