妊娠中の胸焼けについて〜原因、予防〜

妊娠中の胸焼け
妊娠中、多くの女性が胸焼けを感じます。胸焼けの改善方法を学びます。
妊娠中の女性は、胸焼けを感じます。それは、脂っこい物を食べた後に起こる通常の胸焼けではありません。口から胃や腸まで、焼けるような感じや不快感があります。これは、珍しいことではありません。妊娠中の女性のほぼ半分が、この胸焼けを感じます。
妊娠中の胸焼けの原因とは?
通常、胃の上部の筋肉は、消化を助ける酸が食道に逆流するのを防いでいます。しかし、妊娠中、体内を循環するホルモンが原因で、消化管のほかの筋肉や全身の筋肉同様、胃の上部の筋肉は緩みます。これにより、酸性の消化液が逆流し、食道が炎症を起こしたり焼けるような感覚がします。さらに、妊娠30~36週目頃から、大きくなった子宮が腹腔を占領し、胃が押し上げられると、胃酸がこみ上げるような感じがするでしょう。
知っておくべきこと
妊娠中に胸焼けがまったく起こらない可能性は、ほとんどありません。幸い、妊娠によって消化不良が起こっても、まったく心配する必要はありません。赤ちゃんが生まれたら、すぐに改善します。その間にも、可能な予防策と改善策はたくさんあります。
妊娠中の胸焼けの予防
妊娠中、胸焼けを緩和する方法はいくつかあります。時間をかけて、次のことを試してみましょう。
・喫煙しない。喫煙は身体に良くありません。まだやめていないなら、これを機にやめましょう。
・体重をチェックする。消化管の圧迫を最小限に抑えるため、妊娠中の体重増加は、少しずつ緩やかにしましょう。余分な体重は、胸焼けをさらに悪化させる可能性があります。11~15キロの推奨範囲内に抑えるようにしてください。
・胸焼けを引き起こす食べ物を避ける。食べ物の中には、確実に胸焼けを引き起こしやすい物があります。味の濃い辛い食べ物、カフェイン(これは食道弁も弛緩させます)、アルコール、あらゆる脂っこい食べ物は断ってください。また、柑橘類の食べ過ぎもいけません。オレンジジュースで問題が起こった場合は、少し水で薄めたり、クエン酸の少ない物を買うようにしてください。ペパーミントで胸焼けが起こる女性もいますが、すべての女性に起こるわけではありません。
・食事の前後に水分をとる。食事中は、飲み物を飲まないでください。飲む場合は、ほんの少しにしてください。多量の水分がたくさんの食べ物と混ざり合うと、胃を膨らませ、胸焼けを悪化させます。
・食事を分割する。一度にたくさん食べるのはやめてください。1日の食事を6回に分けて少しずつとると、胸焼けから膨満感、体力低下にいたるまで、妊娠中のあらゆる症状を解決してくれます。
・枕を使って頭を高くしておく。最後に食事をとってから寝るまでに数時間あるとしても、頭を15センチほど上げて寝てみてください。こうすると、胃液が逆流しなくなります。
・ゆったりとした服を着る。妊娠中の胸焼けを和らげるために、通気性の良い服を着てください。きつい服は、胸焼けを起こしやすくなるだけです。
・早起きをする。夜寝る前に胃が消化を始められるように、自宅で食べるかどうかにかかわらず、就寝時間の少なくとも2時間前に最後の食事を取ってください。軽くて消化しやすい物であれば、寝る前に食べても大丈夫です。
・背筋を伸ばして座る。食事中は、背筋を伸ばして座るようにしてください。そして、食べ終わってからも、数時間はその状態でいるようにしてください。横になったり、猫背になったりしないようにしましょう。前かがみになる必要があるときは、腰ではなく膝を曲げてください。そうしないと、何度も食道に胃酸が逆流することになります。
・よく噛む。身体の声を聞き、ゆっくり食べてください。咀嚼は消化プロセスの第1段階ですが、急いで食事をするときは忘れがちです。噛めば噛むほど、胃の負担は少なくなります。さらに、早食いをすると、空気を飲み込んでしまい、お腹にガスが溜まることになります。
胸焼けの緩和と治療
食後にシュガーレスガムを食べてください。過剰な酸を減らすのに役立ちます。唾液が増えると、食道の酸を中和することができます。妊娠中に人工甘味料をとるのを不安がる必要はありません。適度であれば問題ありません。
薬を準備しておいてください。胸焼け用の薬を備蓄しておきましょう。しかし、ナトリウムや重炭酸ナトリウムを含む医薬品は避けてください。
胃酸の分泌をブロックしてください。胸焼けが続く場合は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーのような酸産生を制御する市販の胸焼け薬について、医者に相談してください。一般的に、妊娠中でも安全だと考えられていますが、ほかの薬と同様、最初に医者の許可をもらい、推奨用量を知りたいと思うでしょう。
市販の胸焼け用の薬を避けたい場合は、代わりに妊娠中の胸焼け改善のための、以下の一般的な民間療法を試すことができます。
・パパイヤ:パパイヤがよく熟していることを確認してください。未熟なパパイヤは、子宮収縮を引き起こす可能性があります。または、かみ砕けるタイプのパパイヤ酵素サプリメントの安全性について、医者に相談してください。それは、健康食品店で見つけられます。
・アーモンド:カルシウムを取れるだけでなく、胃袋も満たしてくれます。
・温めた牛乳に大さじ1杯の蜂蜜:おいしいくてリラックスできます。乳製品はすべて胸焼け改善に効果があると言う人もいれば、反対の人もいます。
胃酸の逆流が1週間に2回以上起きる場合や、市販の医薬品を2週間以上にわたって服用しても改善しない場合は、胃食道逆流症と呼ばれる症状の可能性があり、生活習慣の改善や薬物治療が必要です。医者の診断と治療を受けてください。