多毛症についての基礎知識〜症状、原因〜

症状

多毛症とは?

女性の顔や体に通常より多くの体毛が生えてくる症状を、多毛症と呼びます。

症状

多毛症の女性は、顔、胸、腹部、背中に濃くて太い毛が生えてきます。これは、上唇、顎、胸、お腹に生える薄い毛や、全身に生える細かい「うぶ毛」とは異なります。
多毛症は、中東、南アジア、地中海などの特定の民族の女性に多くみられます。
多毛症には他にも、
にきび
不規則な月経周期
声の深化
筋肉量の増加
乳房のサイズの減少
といった症状があります。

原因

多毛症は、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの過剰な分泌によって引き起こされると考えられています。通常、女性が持つ男性ホルモンの量は低いですが、それを増加させる原因には、次のようなことが考えられます。
多毛症は、男性ホルモンに過度に敏感である毛包によって引き起こされる可能性があります。現在は、なぜこれが起こるのか分かっていません。
薬が原因で多毛症を引き起こすこともあります。これらの医薬品には、ホルモン、アナボリックステロイド、ダナゾールと呼ばれる子宮内膜症の治療薬などがあります。
多毛症はまた、遺伝も関係しているといわれています。
多毛症をお持ちの場合は、原因を突き止めるためにいくつかの検査が必要な場合があります。
【多嚢胞性卵巣症候群】女性の体内のホルモンレベルの不均衡が卵巣に嚢胞(「sist」と呼ばれる)を形成させる
【クッシング症候群】体が高レベルのホルモンコルチゾールに長期間さらされたときに起こる
【卵巣または副腎の腫瘍】異常細胞が制御不能になり、一緒に塊になったときに形成される

診断

月経が不規則になったり、声が太くなったりした場合、顔や体の毛が急に増えた場合は医師に相談してください。

多毛をなくすためにできることはありますか?

肥満の人は、体重を減らしてください。体重を減らすと、毛の成長を促すホルモン量が減少します。
顔や体の多毛を排除または隠す他の方法には以下のものがあります。
脱毛するのに最も安全で簡単な方法はシェービングです。しかし、シェービングは毎日しないと、無精ひげになってしまいます。肌は頻繁に剃ると敏感になることがあります。肌が刺激を受ける場合は、少量の1%ヒドロコルチゾンクリームを塗布してください。
脱毛剤や脱毛クリームを使用することもできます。これは、剃り残しを防いでくれます。しかし、こうしたクリームも肌を刺激する可能性があります。肌がどれくらい敏感であるかをテストするには、少量のクリームを手首の内側に塗り、体の他の部分にクリームを塗布する前に一日様子を見てください。手首にクリームを塗ってみて特に異常がない場合、使用しても問題はないでしょう。
漂白ペーストを使用することもできます。ラベルの指示に従って本製品を使用してください。漂白製品もまた、肌を刺激する恐れがあります。
ピンセットやワックスも効果的です。ピンセットは小さな浮遊毛を除去するのに適しており、ワックスはより広範囲の脱毛に有効です。皮膚への刺激は、特にワックスで起こることがあります。
電気分解は、毛包に入れられた針を通して小量の電流を流すことにより、毛を永久に取り除きます。電気分解は高価で時間がかかることがあります。必ず施術の有資格者のいる店であることを確認してください。(家庭用の電気脱毛製品を試す場合、医師に相談してから使用するようにしてください)
レーザー脱毛は、レーザー光を使用して毛嚢を損傷させることで、不要な毛が落ちていきます。これは、毛が再び成長するのを防ぎます。この治療は通常、数週間にわたって複数のレーザー治療を必要とし、その結果が永久的に保たれるとは限りません。レーザー脱毛は高価であり、認可された開業医によってのみ行うことができます。処置の副作用には、皮膚の赤み、瘢痕化、黒ずみ、または孔(穴のようにくぼむこと)があります。

多毛症を治療する薬はありますか?

多毛症を治療するための薬はいくつかあります。医師は、多毛症の原因となる男性ホルモンが体内で産生されないようにするために、抗アンドロゲン剤と呼ばれる薬を処方することがあります。一般的な抗アンドロゲン薬には、スピロノラクトンおよびフィナステリドが含まれます。抗アンドロゲンは、通常、効くまでに最低3〜6ヶ月かかります。これは、新たに生える毛の量を減らすことはできますが、すでに生えている毛の量を減少できる可能性は低いです。抗アンドロゲンは出生異常を引き起こす可能性があるので、これらの薬を服用している間は、避妊をしてください。
また、体内のアンドロゲンを減少させるのに役立つ避妊薬を処方される場合もあります。この治療法は、近い将来に妊娠を望まない女性に適用されます。避妊薬と抗アンドロゲン薬は同時に処方することが可能です。
顔の毛の成長を遅らせるために特別に作られた処方薬もあります。これはエフロルニチンと呼ばれ、顔や顎の患部に使用できるクリームです。この薬は、治療を開始してから早くて4〜8週間後に効き始めます。副作用には、皮膚刺激、発疹および刺すような感覚があります。

医師に質問すべき事項

多毛症の原因は何ですか?
最適な治療法は何ですか?薬は必要ですか?
多毛症を治療する薬を服用することのリスクとメリットは何ですか?
ホルモンバランスをとるにはどうすればいいですか?ライフスタイルを変える必要はありますか?
顔や体の多毛が恥ずかしいです。どうしたらいいですか?

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