幼児(歩き始めた子)の喘息について

症状

幼児の喘息について

幼児の喘息を特定するのは簡単なことではありません。ここでは、喘息の症状を見分けて、その後の対策を考えるための指針を提供いたしましょう。

幼児の健康と安全

真っ先に気づくのは、幼児のしつこい咳かもしれません。或いは、幼児が呼吸する際に漏れるゼイゼイという音かもしれません。また、幼児の風邪がいつも長続きすることが気になる、ということもあるでしょう。これらはみな、幼児が喘息をもっているという徴候なのでしょうか。

喘息とは

喘息は、人の気道に侵入するアレルゲンやその他の刺激が原因で気管支が炎症を起こし、腫れあがって、粘液で満たされた状態を指します。喘息の発作は息切れ、胸の圧迫感、咳、ゼイゼイと呼吸する状態などを引き起こします。幼児にこれが起こるのは、その子にとっても親御さんにとっても恐ろしいことです。自分の子どもが目の前で呼吸を出来ないでいるのを目の当たりにすることほど怖いことはないのですから。

なぜ子どもは喘息にかかるのか

喘息は最も良く知られた子どもの慢性的な病気の一つであり、小児喘息の70%以上は子どもが3歳になる前に発症します。何事もない子どももいる一方で、一部の子どもがこのような状態に陥るのは何故なのでしょうか。研究者らによると、小児喘息を患うかどうかは子の遺伝子と(或いは)生活環境に依存するといいます。言い換えれば、特定の遺伝・環境リスク因子によってあらかじめ子どもが喘息に罹患しやすくなってしまうということです。このようなリスク因子には以下のものがあります。

・家族が喘息やアレルギーにかかった過去を持つ
・湿疹やその他のアレルギーをもっている
・喫煙者とともに暮らしている
・子宮内にいる間に煙草の煙にさらされた
・都市部の、汚染された地域に住む
・低体重出生
・肥満

喘息の発作を引き起こすものは何か

幼児が喘息を患う原因は複数ありますが、喘息の発作に関してはこれを引き起こすものは人によって異なります。
最も一般的な要因を以下に示します。

・ダスト、花粉、動物のふけ
・副流炎、大気汚染、塗料の煙霧といった刺激原
・風邪やインフルエンザなどの感染症
・冷たい空気
・運動
・かんしゃく等の激しい感情

喘息はどのように特定されるか

幼児の喘息を特定することは容易ではないことが多いです。これは、肺機能検査(幼児が短い時間でどれだけ多くの息を吐き出すことができるかを測る)が6歳未満の子どもに関しては結果の正確性が低いからです。したがって、医者は幼児の症状について保護者が打ち明ける内容に頼ることになります。

ですから、幼児の症状がどのようなもので、どのような頻度で起こって、またどのような状況下で現れるのか、といったことを詳しく記録して、診療時に持参しましょう。また、幼児が遺伝的に喘息に罹患するリスクをもっているのかどうかを判断するため、医者は家族の病歴(父母は喘息やアレルギーをもっているか等)についても聞くでしょう。

喘息を患った幼児はどのような処置を受けるのか

三歳未満の子どもに関しては、対喘息用薬剤の使用を出来るだけ長い間(喘息症状が悪化するまで)禁じる医者もいるでしょう。これは、喘息用の薬剤がとても協力で、専門家らは薬が子どもに与える長期的な影響を懸念しているからです。但し、幼児の発作が激しくて、薬を服用することで得られる効果が薬剤使用に伴う潜在的なリスクを上回る可能性がある場合においては、医者は投薬措置を施して幼児の症状が改善するかどうか調べるでしょう。

子どもの喘息の性質に応じて、医者は以下に示される薬剤を処方する可能性があります。

・気管支拡張薬
即効薬で、喘息発作中において腫れている気道を速やかに開通させる
・コルチコステロイド(抗炎症薬)等
予防薬で、長期的な効果を見越しており、幼児はこれを毎日服用することで気道がそもそも炎症を起こさないようにする

子どもが簡単に飲み込める液状の薬剤とは違い、喘息用の薬剤のほとんどは吸引式です。これは、薬剤が直接幼児の気道の送り込まれるようにするためです。年齢の高い子どもや大人は吸引器を用いてこれを行います。(吸引器の中には薬剤が入っていて、手で持ってマウスピースをくわえ、吸い込むと吸引器からミスト状の薬剤が放出されます。)吸引器は幼児にとっては使用が困難かもしれません。したがって、幼児の口や鼻を覆い、且つ吸引器或いはネブライザー(噴霧器で、機能は吸引器と同等ですが、携帯性は低いです)に連結されるマスクが必要になるでしょう。マスクがあると、幼児が薬剤を正しく吸引しやすくなります。

幼児が薬剤を服用するかどうかとは関係なく、喘息発作を引き起こすアレルゲンや刺激原を可能な限り除去することが非常に重要になります。これには、家を常に綺麗にしてハウスダストがたまらないよう心がけることが必要になるかもしれませんし、或いは犬や猫を飼っている家で幼児が遊ぶことがないようにすることも必要かもしれません。準備や計画をすることが多くなるかもしれませんが、そうした努力は子どもを助けることに大いに役立つのです。また、喘息を患った子どもの多くは思春期に突入する頃には症状を克服するのです。これは気道が大きくなるからでしょう。
継続的に医者の診療を受け、幼児の症状を監視しましょう。こうすることで、病状が(良い方向、或いは悪い方向に)変化しても対応することができます。

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