帝王切開(Cセクション)について

抵抗切開について
日本においては、妊婦全体の約2割弱の人が帝王切開による出産を行います。ここでは、何故外科出産が必要なのか、また術中・術後にどんなことが起きるのかをご説明しましょう。
自然分娩(経膣分娩)を望む妊婦にとっては、帝王切開によって赤ちゃんを出産する必要がある、と聞いてがっかりされるかもしれません。赤ちゃんを産道から押し出すのだ、という想像や夢が一掃され、手術や長い入院生活、回復への辛い道のり、といったこと(傷跡はいうまでもありません)に対する不安が突如やってくるのです。現在日本では約2割弱の赤ちゃんが帝王切開によって分娩されています。つまり他の条件を揃えれば、5人に1人はこの方法を採用しているということになります。
帝王切開中に起こること
どの程度のものであれ、手術とは深刻性の高い選択肢であります。しかしCセクションに関しては、精神面や感情面で多少の覚悟をしさえすれば、自ら好んで選ぶ分娩法の一つだと見ることもできるでしょう。
1. 予定帝王切開が行われる要因
医者は妊婦の予定分娩日に合わせて手術日程の目星をつけるでしょう。
以下は、帝王切開が必要になる要素やケースです。
特定の健康状態
糖尿病、高血圧、腎臓病などの慢性の健康状態を抱えているせいで、経膣分娩を行った場合に身体に負担がかかり、危険である(そして帝王切開を行えばより安全となる)場合
感染症
HIVや性器ヘルペスウイルス感染症に感染している場合、これらのウイルスは分娩の過程で赤ちゃんに伝染する可能性があるため、帝王切開を行う必要があります。
赤ちゃんの健康状態
赤ちゃんの健康上の問題や先天的な状態によっては、ただでさえ困難な経膣分娩が、更に危険性の高いものとなる場合があります。
大きな赤ちゃん
赤ちゃんが、産道を通るには大きすぎて(巨人症等)危険である場合があります。(とりわけ妊婦が妊娠中、推奨増量よりも多く体重を増加させてしまった場合にみられる。)
妊婦の体重
肥満体であると、帝王切開の必要性が大幅に増大します。これは、肥満に伴うその他のリスク因子(妊娠性糖尿病等)にある程度起因します。また、肥満体である女性は分娩に要する時間が長くなる傾向がある(故に、手術の必要性が高くなる)ということも理由の一つです。
妊婦の年齢
高齢の妊婦は帝王切開が必要になる、という確証があるわけではありませんが、年齢が高くなるにつれて帝王切開による分娩が行われる確率が上昇するのは事実です。
骨盤位分娩(逆子)
赤ちゃんの足や尻が先に出てくる体勢にあり、且つその向きを変えられない場合は、医者は帝王切開が必要だと判断する可能性があります。
多胎児
抱えている子の数が増えるにつれて帝王切開の必要性も高まります。
子宮の問題
子宮が部分的に、或いは完全に子宮頸をブロックしている(前置胎盤)場合、また子宮が部分的、或いは完全に子宮壁から離れてしまっている場合(胎盤早期剥離)、帝王切開を行うことが妊婦と赤ちゃんの両方にとって安全でしょう。
その他の合併症
子癇前症(妊娠性高血圧)や痙攣(子癇前症が進行した場合に稀に見られるもので、中枢神経系に影響を来し発作をもたらす。)を発症していて、治療が上手くいっていない場合は、医者が妊婦と赤ちゃんをまもるために帝王切開を選ぶ可能性があります。
帝王切開を受けたことがある
過去に帝王切開を受けたことのある人は次回以降も帝王切開を受ける可能性が高くなりますが、逆に二度目以降に経膣分娩を行う(VBAC)もまた成功例は多く、勧められることが多いです。
帝王切開が必要だと医者に言い渡された場合は、その理由やその他に残されている選択肢について詳しく聞きだしましょう。
2. 予定外の帝王切開が行われる要因
妊婦の分娩が本格的に始まらない限り、帝王切開が必要か否かということははっきりしません。これはとても一般的なことです。以下によく見受けられる要因をご紹介しましょう。
分娩が始まらない
第一子出産の妊婦は24-25時間、第二子以降出産の妊婦はそれ以下の時間に渡って、分娩が進行する様子がない(陣痛は感じるにも関わらず、子宮頸が膨張しない)場合、医者は手術に踏み切る可能性があります。
分娩が停止する
分娩の初期の段階(膨張3cmまで)は一気に進んだのに、急に止まってしまった、という場合です。オキシトシンやその他の分娩を刺激する物質を用いて陣痛をジャンプスタートさせることも可能ですが、赤ちゃんの頭が大きすぎて骨盤腔を通らないことが問題である場合(半数以上はこのケース)は、帝王切開が必要になります。
疲弊や胎児切迫仮死
医者が、妊婦が限度を超して疲弊していると判断した、或いは胎児心拍数陣痛図から赤ちゃんが仮死状態にあるという徴候を読み取った場合は、帝王切開が選ばれる可能性があります。
臍帯脱出
臍帯が赤ちゃんよりも先に産道に入り込んでしまうと、赤ちゃんが通ってくるときに臍帯が圧迫されてしまい、酸素供給が絶たれてしまいます。
子宮破裂
子宮が破れた場合、帝王切開が必要になります。
3. 選択的帝王切開
帝王切開は安全で出産の痛みを防げるため、あらかじめ経膣分娩ではなく帝王切開を選ぶ女性(とりわけ帝王切開を過去に経験している者)もいるくらいです。しかし、このような人の数は減っています。これは2013年にAmerican Congress of Obstetricians and Gynecologists (ACOG) が発表した、医療上、帝王切開が必要でない限り、必ず経膣分娩を計画すべきだと推奨する政策文書に大きく起因しています。またACOGは2017年にも更にガイドラインを発表しており、そこでは母子の分娩が正常に進行している場合は人工的な干渉は遅らせるか、或いは全く行わない方が良いとされています。
帝王切開はとても安全ではありますが、リスクを伴う大きな手術の一つなのです。言い換えれば、帝王切開は他の選択肢があるにも関わらず選ぶべき分娩法ではないということです。究極的には、赤ちゃんが出てこれる準備が整う瞬間を待つべきなのです。選択的帝王切開が計画される場合、赤ちゃんが不本意に早く産まれてきてしまう可能性が必ずあるのです。
選択的帝王切開の選択の有無を医者に聞くべきか迷っている場合は、まずは以下の質問に対する自身の意見を考えてみましょう。
分娩・出産の痛みを恐れているのか
殆どの女性はこのような恐れを抱いています。しかし、痛みを経験せずに出産するための方法は選択的帝王切開だけではないのです。経膣分娩を行う女性のための、痛み止めの効果を見込める方法がたくさんあるのです。
経膣分娩は尿失禁を起こすと聞いたことがあるか
経膣分娩を行うと尿が漏れやすくなるということは本当ですが、定期的に骨盤底筋エクササイズ(ケーゲル体操など)を行うことでそうしたリスクを大幅に軽減することが出来ます。
決まった日に確実に出産を行いたいのか
帝王切開は重大な腹部手術なのです。つまり、回復にはより多くの時間がかかり、それだけ長期間入院する必要があるのです。妊婦はまた、手術の特質上避けることのできない危険性を覚悟する必要があるのです。
将来的にもう一人(或いはそれ以上)赤ちゃんを産むつもりがあるのか
帝王切開後の経膣分娩(VBAC)は一般的に安全(水平に開腹された女性の95%に関してとりわけこのことがいえる)ではありますが、帝王切開を選ぶことで今後経膣分娩をすることがなくなるかもしれない、という事を念頭においておきましょう。また、帝王切開を行うことによって、今後第二子以降の子をはらんだ際に前置胎盤、癒着胎盤、胎盤停滞といった合併症が発症する可能性が高くなります。
更なる詳細に関しては医者に相談しましょう。妊婦自身と赤ちゃんにとって何が最善かは医者と共に決めましょう。
4. 過程で起こること
予定された手術であれ、土壇場の決定で成されるものであれ、帝王切開は典型的に過程が明白であり、医者は確固とした手順に従います。作業は速やかで、手術自体は10分かそれ以下で終わり、その後母体を縫い合わせるのにかかる時間が30分ほどです。
ほとんどの病院のスタッフは、出来る限り家族全体のことを考えた手術を行おうと努力します。例えば、妊婦は起きた状態(但し適切な麻酔により感覚を失っている)で手術を見守ることができ、パートナーは部屋に居合わせることができ、新生児を抱きかかえることができ、特に医療上の問題がない限り出産後すぐに授乳をすることができる、といった状態を保障します。お母さんが圧迫や痛みを感じていないのだから、(最低でもある程度)リラックスして赤ちゃんが産まれることに驚くことができるでしょう。これは予測できることの逐次報告です。
5. 準備と麻酔
帝王切開は静脈内投薬と麻酔で始まります。これらはたいてい硬膜外もしくは脊髄を阻害するので、下半身はしびれますが目覚めたままでしょう。そして(もし必要であれば)お腹を剃り消毒液で洗ってもらい準備をしましょう。手術室のスタッフはカテーテルを膀胱に差込み無菌布をお腹にかけます。バースパートナーかパートナーの方は無菌服を着て頭の周りに座り手を握ることを許可されるでしょう。
救急救命室のスタッフはお腹が視界に入らないよう短い幕を設置するでしょうから、視界はきれいなままで自分自身が切られていくのを見なくて済みます。もしさらに以下で説明する「ジェントルCセクション(gentle C-section)を選んだら、布はどけられます。そうすればお腹を見るために鏡をお願いすることもできます。もし切られているのを見たくなくても、赤ちゃんが出てきたら一目見たいでしょうから、お医者さんに出産後に赤ちゃんを持ち上げてちらりと見せてくれるよう頼んでみましょう。
緊急帝王切開をなさるのなら、この場合(幸いなことに滅多にない場合ですが)普通数分もない手順の継続のために全身麻酔で完全に失神させられるでしょうから痺れる時間は無いかもしれません。目覚めた時、ふらふらして、混乱して場合によっては胃の辺りが気持ちが悪いかもしれません。手術中に挿入されていた気管内挿入管のせいで喉が渇いているかもしれません。
6. 切開と出産
全くの麻痺状態か完全な睡眠状態に陥ったら、お医者さんは陰毛のラインのすぐ上の下腹部に小さな切開をなさるでしょう。皮膚のジッパーが開けられていくような感覚かもしれません。丁寧な縫合で、傷跡は見事に目立たなくなり時間をかけて消えていきます。お医者さんは別の切開を子宮の下方にも行われるでしょう。どちらの切開も、2つの選択が可能です(そして2つはまったく同じではないかもしれません)。
下方横切開
この子宮の下方部を横切る切開は、帝王切開の95%で使われる手法です。子宮の底部の筋肉は薄く(このため出血が少なくなります)、またその後の経膣分娩の最中でも破れにくいためです。
垂直切開
この子宮の真ん中の切開は、普通赤ちゃんが子宮の下部にいるか他の異常な体制をとっている時にのみ必要とされます。
次に、羊水が吸い出されその直後赤ちゃんが取り上げられます(少し引っ張られる感じがするかもしれません)。赤ちゃんの気道の余分な粘液が産道を通り抜ける長旅の間搾り出されておらず、小さな肺をきれいにするための追加の吸出しが赤ちゃんの産声を聞く前に必要になるだろうからです。
7. 赤ちゃんを迎える
臍帯が切られたのち、お医者さんは胎盤を片付けお母さんの生殖器の習慣的チェックを速やかに行います。子宮を吸収性縫合糸(後々取り除く必要の無いものです)で縫われ腹部切開に縫合か外科用ステープルが施されます。この手順は30分かそれ以上かかることがあります。抗生物質(感染のリスクを最小にするため)とオキシトシン(出血を抑え子宮を収縮するため)を静脈内投与されるかもしれません。血圧、心拍、呼吸速度と出血量が定期的に確認されるでしょう。
そのあと、お母さんは生まれたての子と知り合う時間を得られるでしょう。最低でも回復室で赤ちゃんを抱くことが出来るでしょう(手術室で抱ける女性もいます。) あまりにも疲弊している場合は、無理をする必要はありません。赤ちゃんとの絆を深める時間はいくらでもあります。赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に連れていかれてしまっても、落ち込む必要はありません。これは帝王切開後に様々な病院において取られる標準的な過程であって、赤ちゃんに異常があることを示唆するものでありません。あくまでも検査・予防です。
8. ジェントルCセクション
近年、ジェントルCセクションと呼ばれる手術法を提供する(或いはそれを促す)病院が増えています。ノイズは最小限に抑えられ、透明のドレープがお母さんの前に設置され、お母さんは赤ちゃんが誕生する瞬間を見ることが出来ます。(このようなドレープの中には、赤ちゃんのための出入り口がついているものもあり、滅菌された手術環境を危うくすることなく赤ちゃんをお母さんの手に直接渡すことが出来ます。)誘導心電図がお母さんの背中に設置されているため、赤ちゃんがお母さんの胸に擦り寄るスペースがあります。また、片方の腕が測定器やモニター、点滴等からフリーの状態にあるので、産まれたばかりの赤ちゃんを抱きかかえることや、授乳することさえも可能です。経膣分娩において理想とされるのと動揺、臍帯を通して胎盤からの血液が赤ちゃんに届けられるまでは臍帯を切りません。また、助産師も緊急治療室に入ることが出来ます。これらの要素のおかげで、初めて出産(或いは帝王切開)を行う妊婦達が想像するよりも遥かに満足度の高い外科手術が可能となるのです。
自身の病院がジェントルCセクションを公式に提供していない場合は、前述のオプションを自分の出産において適用してもらえないか医者や病院のスタッフに聞いてみましょう。
9. 合併症
帝王切開はとても安全ではありますが、稀に合併症を伴います。これはお母さんにとっては、分娩の過程で用いられた薬剤や麻酔への反応、失血や感染等があります。(だからこそ、手術後のケアについての医者の指示はきちんと守ることが重要なのです。)足や骨盤内の臓器、肺等において血塊が出来ることも稀にあります。このようなことが起きないよう医者も予防策を施しますが、手術が終わってからできるだけ早く歩くことも予防に繋がります。腸、膀胱などの臓器が傷ついて、二次的な手術が必要になることもあります。また、極稀ではありますが、子宮の内面が炎症や過敏症を起こすことがあります(子宮内膜炎)。出産後に骨盤内の痛みが増したり、排泄に異常が見られたりする場合は直ちに医者に連絡しましょう。
帝王切開で産まれた赤ちゃんは、肺に残された液体により一過性多呼吸、呼吸促迫のリスクが高くなります。この状態は聞こえこそ悪いものの、通常この症状は産後一日程しか続かず、自然に消えます。妊娠39週間よりも前に手術が行われていて、肺が成熟していない場合は、赤ちゃんが呼吸障害を抱えるリスクが更に高くなります。但し、病院にいる間は医者が常に赤ちゃんを監視して、どんな問題にも対処してくれるはずです。
10. 回復
出産を終えて、いますぐ大事な新生児の面倒を見たい、という気持ちになっているかもしれませんが、早まってはなりません。帝王切開を受けた後の体力的・精神的な回復には、経膣分娩のときよりも長い時間が必要なのです。気分が元通りになるまでには、病院で3, 4日、家に帰ってから最低でも4-6週間かかるでしょう。
覚えておきましょう。「急がば回れ」です。このようなことは医者にも言われるはずです。状態に応じて活動量を減らすことで、(手術時の)切り口や体力に不相応な負荷をかけずに済むのです。こういった指示を守らないと、帝王切開からの回復に要する時間がより一層長くなるだけです。痛みに対処し速やかに回復できるよう、以後数週間はこのことを念頭において過ごしましょう。
期待を持ってはいけません。(手術時の)切り口の痛みだけでなく、経膣分娩後に対処せねばならない症状の数々とほとんど変わらないものが、帝王切開後にも生じるのです。これには、産後疲労(手術と睡眠不足に起因する)、後陣痛(子宮が縮小することによる。この過程を促進するためにオキシトシンを処方される可能性がある)、産後出血や悪露、生理痛(特に、手術前に経膣分娩を試みていた場合)、胸の肥大、ホルモンの荒れ等が該当します。回復に必要な充分な時間を用意すれば、問題はないでしょう。
慎重にいきましょう。傷口の痛みは少なくとも数週間に渡って続くだろうと考えてください。したがって、赤ちゃんを除いて、物を持ったり運んだりすることは控えるべきです。赤ちゃんを抱きしめたり面倒をみたりするとき(持ち上げたり運んだりする段階ではありません)は、軟弱な部位を守るために切り口の上にクッションをおき、その上に赤ちゃんをのせましょう。
自身をいたわりましょう。気にかけねばならない赤ちゃんがいることは事実です。但し、自分自身の面倒をみる必要もあるのだということを忘れてはなりません。手を抜けるところでは手を抜くことが大切です。例えば、自分で赤ちゃんを取り上げに行くのではなくパートナーや親戚に運んできてもらいましょう。自分の体力を削ってまで調理をする必要はないのです。パートナーに調理してもらうか、出前を頼みましょう。洗濯物は業者にお願いしましょう。皿洗いをせずに済むよう、プラスチック・プレートを使いましょう。また、パートナーに赤ちゃんを預けて、自身の睡眠を確保することも当然重要です。生活が楽になる方法はなんでも行ってみましょう。後ろめたさなど感じる必要はないのです。
切り口に気を配りましょう。帝王切開による傷口の回復を早めるため、傷口を清潔に保ち(医者に方法を詳しく聞きましょう。)、腹部をこすらない、ゆるい衣類を着用しましょう。傷口周りのかゆみ、引きつり、麻痺した感覚などは全て正常で、自然に消えます。(ピンク色や紫色の皮膚も時とともに薄れます。)熱が出たり、強い痛みを感じたり(医者に予告されたよりも程度の甚だしい痛み)、傷口が赤みを帯びたりじくじくしたりする場合は、感染の可能性があるため、医者に連絡しましょう。透明な液体が少量排泄されることは、大抵の場合正常ですが、とりあえず医者に伝えましょう。
薬を接取しましょう。手術後すぐに医者に処方された痛み止め剤を取りましょう。授乳をする場合でも、心配する必要はありません。薬剤は初乳には浸入しません。母乳が出るようになったら、医者に勧められる市販の痛み止めを使用しましょう。
ガスの出る食物は避けましょう。腸内でガスが発生すると、切り口を圧迫されて不快な状態に陥る可能性があります。また、麻酔は腸内の活動を遅めかねません。ですから、ガスを発生させる飲食物は取らないよう注意しましょう。また、消化不良だと感じる場合は、左半身や背中を下にして寝つつ、膝を腹部のほうへ移動させ、切り口をおさえて大きく息を吸い込むとよいでしょう。
規則正しい排泄が大切です。便秘は妊娠期間終了後に見られる症状の一つです。リラックスするよう努め(トイレで踏ん張ってはいけません)、繊維が豊富な食物(全粒小麦パン、野菜、果実等)を接取して、水分をたくさん取りましょう。必要であれば、便軟化剤や微緩下薬を医者により処方される場合もあります。
栄養補給を行いましょう。健康的なスナックや水を常に身近に用意し、体力やエネルギーを維持しましょう。良いものとして、ナッツ、全粒小麦プレッツェル、ストリングチーズ、繊維豊富な果実(新鮮且つドライ)、ベビーキャロット等があります。(腸が詰り気味の場合、バナナ等の、便秘を引き起こす食物は何の助けにもならないので接取を避けましょう。)
少しずつ身体を動かしましょう。数週間(傷口が完治するまで)の間は、医者に運動をする許可はもらえないでしょう。但し当分の間は、寝転がっている状態でも血行と筋緊張を増進することによって回復の速度を上げることが出来るのです。まずは、定期的に足を曲げる、ふくらはぎの筋肉をのばす、足を揺らす、といったことを可能な限り行うことが大切です。気が向くのであれば、家の周りをゆっくりと歩き回りのが良いでしょう。(ガスの溜まりや便秘に効果的です。)疲れを感じたら座ればいいのです。毎日、気分が許す限り外を歩き回ってみましょう。こうすることでスタミナがついていきます。気分が乗ってきたら、外出もしてみましょう。まもなく、身体が元通りに歩けるようになるでしょう。
ケーゲル体操をしましょう。すぐにやることのできる運動があります。ケーゲルです。妊娠期間を経て、骨盤底筋量が少なくなっているのです。しかしながら、セックスを行うなど、膣の中にものを入れることは4-6週間は避けるべきです。
家でなんでも自分が率先して仕事を行わねばならない以上、難しいことは事実ですが、出来る限り自分をいたわって、リラックスすることを忘れないようにしましょう。数週間もすれば、母親としての生活が本格的にスタートするのです。
11. おわりに
帝王切開は大きな手術だと考えられてはいますが、通常はとても安全なものです。実際、医療上その必要性が認められる場合は、赤ちゃんを迎える方法の中でも最も安全なものなのです。さらには、美容の問題になってしまいますが、産まれてくる赤ちゃんの頭の形状は、狭い産道を通ってあちこち角ばってしまったものではなく、とても綺麗で丸い状態であるはずです。また、帝王切開は妊婦にとって健康的である場合も多いのです(特に経膣分娩が危険を伴う可能性があった場合)。加えて、帝王切開は一般的に、痛々しい状態(裂けや会陰切開に起因する)を導きかねない骨盤のすれ等を防止できます。要するに、経膣分娩に比べて、座ることがずっと楽になるということです。それに、些細ではありますが得をすることがまだあるのです。息むことをあまりする前に帝王切開を行うと、目の充血や顔のあざが出来るのを裂けることができるのです。最後の朗報です。研究によれば、帝王切開は出産後の生殖能力やどれだけ多くの赤ちゃんを作ることが出来るかということに悪影響を及ぼすことがないそうです。
詰る所、出産の最善策とは最も安全な方法のことです。健康的な赤ちゃんをお母さんのもとへ届けられる方法であれば、どんな分娩法でもよいのです。