良くない姿勢とその改善方法について

姿勢について
以下のように、座っている姿勢や立っている姿勢が悪いことから生じる筋肉の緊張を和らげるためのヒントについて説明します。
・浅く座って背もたれに寄りかかる
・お尻を突き出して立つ
・背中を平らに前かがみで立つ
・片足に体重を乗せて立つ
・猫背とストレートネック
・あごを突き出して座る
・肩が丸まっている
・受話器を肩で挟む
理学療法士のニック・シンフィールド氏は、以上のような悪い姿勢を提示しています。また、これらを筋肉トレーニングやストレッチによって改善するための方法を示しています。
腰痛がある場合、姿勢の改善は痛みの根本を取り除くことにはならないものの、筋肉の緊張を和らげることにはなります。
「正しい姿勢は、最初は慣れないという感じがすると思います。長いこと、間違った姿勢でいることに体が慣れてしまっているのですから」とシンフィールド氏は話します。
「ですが、少し訓練するだけで、自然と正しい姿勢になることができますし、長い目で見て腰によいでしょう。」
浅く座って背もたれに寄りかかる
このような姿勢がいつも腰痛などの不快な症状を引き起こすわけではありませんが、この姿勢は筋肉や軟組織を緊張させてしまう恐れがあります。これが続くと、筋肉に負担がかかり、やがて痛みに発展してしまいます。
正しく座る習慣をつけましょう。正しい姿勢でいるための筋肉がまだ発達していないですから、すぐにできるようにはならないと思います。
インナーマッスルやお尻の筋肉を鍛えたり、背中を伸ばす体操をすることで、姿勢を改善させることができます。
お尻を突き出して立つ
立つときにお尻が突き出てしまったり、腰が極端にカーブしている場合、脊柱前彎過度である可能性があります。これは、腰が極端に内側にカーブしていて、立つとドナルドダックのような姿勢になる症状です。
ハイヒールを履いたり、おなか周りに肉がつきすぎていたり、妊娠などによってなります。
インナーマッスルやお尻の筋肉を鍛えたり、股関節や太もものストレッチをしたり、立っているときの姿勢を意識して改善する努力をすることが、このような姿勢の改善に役立ちます。
立っている姿勢を矯正するには、頭のてっぺんから糸でつられているようなイメージをしてみましょう。
良い姿勢とは、背骨の自然なカーブを保ちつつ、首と肩が腰に平行に来るように、まっすぐ立つことです。
・リラックスした状態で肩を後ろに持っていく
・腹部を引っ込める
・足を肩幅に開いて立つ
・両足で均等に立つ
・頭を前後左右に傾けないようにする
・膝に力を入れないで脚をまっすぐに伸ばす
背中を平らに前かがみで立つ
背中が平らになっていると、骨盤が内側に入り込んでいて、背骨が自然なカーブを保っておらず、前かがみになってしまいます。
このような人は、長時間立っていられない人が多いです。
これは、筋肉のバランスが悪いことでこのような姿勢に発展してしまうことが多いです。また、長時間座りっぱなしの生活をしていても、背中が平らになってしまう可能性があります。
これによって、首や頭が前に傾いてしまうことが多く、首の凝りや背中の痛みに発展してしまうこともあります。
平らな背中を改善するには、インナーマッスル、お尻の筋肉、首や肩の筋肉を鍛えるほか、背中を伸ばす体操が有効です。
片足に体重を乗せて立つ
立っているときにどちらかの足に体重を乗せるのは、長時間立っているときには楽に感じるでしょう。
しかし、お尻の筋肉やインナーマッスルを使ってまっすぐに立たないこのような姿勢は、腰や背中のある一点に負荷をかけてしまうことになります。
骨盤の周りの筋肉のバランスが悪くなってしまうことが多く、腰やお尻の筋肉を緊張させてしまうことにつながります。
その他の原因としては、重いリュックをどちらかの肩だけで背負ったり、赤ちゃんを抱っこしている時間が長いとこのような姿勢になりがちです。
改善するには、両足に同じだけの体重をかけて立つ意識をしましょう。
お尻やインナーマッスルを鍛える体操も効果的です。
猫背とテキストネック
猫背の人は、胸部が圧迫され、上背部が弱い傾向にあります。
猫背が続くと、上背部が丸まってしまい、肩こりや背中の痛みに発展してしまう恐れがあります。
たとえば、デスクワークでパソコンのキーボードの方に前かがみになっていると、頭が前方に傾いていることになり、姿勢が悪くなります。スマートフォンをよく使う人は、ストレートネックと呼ばれる状態を引き起こすことがあります。
猫背を矯正するには、首や肩、胸のストレッチや、首を正しい位置に保つ訓練が効果的です。
・あごを引きながら、首を上方に伸ばす体操
・懸垂
・胸部ストレッチ
あごを突き出して座る
この姿勢は、椅子が低すぎたり、パソコンの画面が高すぎたり、猫背の場合、またはこの3つ全てがそろってしまうことで引き起こされます。
あごが突き出ないようにするには、座っているときの習慣を改善したり、姿勢を正しくするための体操が効果的です。
・あごを引きながら、首を上方に伸ばす
・肩甲骨を脊髄に向かって後ろに引く
・おなかの下の筋肉に力をいれ、腰に自然なカーブができるように保つ
肩が丸まっている
肩が丸まっているかを調べるには、鏡の前に立って、体の側面に自然に腕をたらしてください。
手の甲が前を向いていたら、胸部が圧迫されていて上背部が弱く、結果として肩が丸まっていることを意味します。
悪い姿勢が習慣になってしまっていたり、筋肉のバランスが悪い、また、胸部ばかりを鍛えて上背部をまったく鍛えないなど、一箇所ばかりを鍛えてしまっていると、肩が丸まってしまいやすい傾向にあります。
インナーマッスル、上背部、胸部の筋肉を鍛える体操が改善には効果的です。
受話器を肩で挟む
受話器を耳と肩の間で挟むと、首、上背部、肩の筋肉を緊張させてしまいます。
首や肩は、本来はこのような姿勢を保てるような構造になっていません。
これを続けていくと、筋肉やその他の軟組織を緊張させ、首の左右で筋肉のバランスが崩れてしまいます。
受話器は手で持つように習慣づけるか、ハンズフリーのデバイスを使うようにしましょう。
首の凝りに効く体操は、以下のとおりです。
・胸部のストレッチ
・首のストレッチ:左の耳をゆっくりと左の肩に近づけ、そのまま10~15回深呼吸する。反対側でも同じようにする。
・首をまわす:あごをどちらかの肩の方向にまわし、そのまま10~15回深呼吸する。反対側でも同じようにする。