食事の中の牛乳と乳製品の摂取方法について

乳製品について
牛乳や、チーズやヨーグルトなどの乳製品は、タンパク質とカルシウムの素晴らしい供給源です。低脂肪乳や低脂肪乳製品はより健康的です。
牛乳と乳製品はタンパク質とカルシウムの良い供給源なので、健康的な食生活の一部に欠かせないものです。身体を適切に動かし、成長や修復をしたりするためにはタンパク質が必要です。カルシウムは骨や歯を強く保つのに役立ちます。乳製品のカルシウムは体内に吸収しやすいので、特に良いです。
豆乳や豆乳ヨーグルト、豆乳チーズなどの、無糖でカルシウム強化された乳製品の代替品も、この食品群の一部としてカウントされます。
大人のための健康的な乳製品
乳製品の総脂肪含有量は製品によって大きく異なるでしょう。乳脂肪は乳児にとってカロリーの供給源であり、ビタミンB2やビタミンB12などの必須ビタミンも含んでいます。
しかし、牛乳や乳製品の脂肪の多くは飽和脂肪です。大きな子どもや成人の場合、脂肪が多すぎるとエネルギーの過剰摂取につながり肥満になる可能性があります。食事で飽和脂肪を摂りすぎると血液中のコレステロール値が上昇することがあり、これにより心臓発作や脳卒中のリスクが高くなります。
ほとんどの乳製品の脂肪や塩分、糖分の量は、ラベルの栄養表示で確認できます。似た製品を比較すると、より健康的な物を選べます。さまざまな種類の脂肪について、詳しくは脂肪の真実をご覧ください。
低脂肪牛乳を選ぶ
摂取脂肪を減らそうとしているのなら、低脂肪牛乳を選びましょう。
セミスキムド、1%脂肪およびスキムミルクには、牛乳の重要な栄養素はすべて含まれていますが、脂肪が少なくなっています。スキムミルクが最も脂肪分が少なくなっています。
チーズは脂肪と塩分が高いことがあります
チーズは健康的な食生活の一部になり得ますが、食べる量と頻度を把握することをお勧めします。
ブリーやスティルトン、チェダー、ランカシャー、ダブルグロスターなど、ほとんどのチーズは100gあたり20gから40gの脂肪を含んでいます。 100gあたり17.5g以上の脂肪を含む食品は脂肪分が多いとみなされています。
塩分が高いチーズもあります(100gあたり1.5g以上塩分が含まれていると高いとみなされます)。塩を摂取しすぎると高血圧になることがあります。
チーズで料理やソースの味付けをするときは、より風味の強い熟したチェダーやブルーチーズなどを使うと使用量が少なくて済みます。
または、脂肪分が通常100gあたり10gから16gの低脂肪のハードチーズを選びましょう。低脂肪コテージチーズや低脂肪クワルクなど、100gあたり脂肪が3g以下のチーズもあります。
その他の乳製品
バターは脂肪分が多いので控えめにお使いください。低脂肪のスプレッドをバターの代わりに使うこともできます。
クリームも脂肪分が多いので控えめにお使いください。料理のときには、クリームやサワークリーム、または生クリームの代わりに、プレーンヨーグルトやフロマージュ・フレを使用できます。
ヨーグルトやフロマージュ・フレを食べるときは、低脂肪のものを選んでください。しかし、あまり砂糖が添加されていないことを確認してください(普通の低脂肪ヨーグルトには糖分は通常含まれていません)。このような製品にも、タンパク質やカルシウム、ビタミンBやマグネシウムなどのビタミンやミネラルマグネシウムなど、少なくとも全脂肪のものと同じくらい含まれています。脂肪が少ないだけです。低脂肪のサワークリームや脂肪分が半分の生クリームを全脂肪のものの代わりに使うこともできます。
妊婦の乳製品
カルシウムは胎児の発達中の骨を正常に形成するのに重要なので妊娠中に重要な栄養素ですが、乳製品はカルシウムの良い供給源になります。
しかし、妊婦が病気になったり胎児を傷つける危険があるので、妊娠中に避けるべきチーズや乳製品もあります。
妊娠中は、牛乳は低温殺菌されている物のみ飲むべきです。店で売られている牛乳は殺菌されています。しかし牧場の直売所では、未滅菌または「生」のミルクが売られている可能性もあります。滅菌されているかどうか不明な場合は、ラベルを確認してください。低温殺菌されていないミルクしか入手できない場合は、まず沸騰させてください。
妊婦は殺菌されていないヤギや羊の乳を飲まないでください。また、柔らかいヤギのチーズなど、ヤギや羊の乳を使った食品を食べるべきではありません。低温殺菌について、詳しくはこちらをご覧ください。
妊婦は柔らかい青チーズを避けるべきであり、ブリーやカマンベールなど皮付きの柔らかいチーズは低温殺菌されていてもされていなくても避けましょう。流産や死産、新生児の重度の病気の原因となる細菌であるリステリア菌を高レベルで含んでいる可能性があるからです。
なお、コテージチーズやプロセスチーズ、フェタ、モッツァレラ、チェダーやパルメザンなどのハードチーズは、妊娠中に食べても安全だと考えられているので、避ける必要はありません。妊娠中に避けるべき食べ物については、こちらをご覧ください。
赤ちゃんと5歳未満の子供の乳製品
牛乳と乳製品は幼児の食事の一部分として重要です。
エネルギーとタンパク質の良い供給源であり、成長している子どもが健康な骨や歯を作るために必要なカルシウムも含めさまざまなビタミンやミネラルを含んでいます。
赤ちゃんが生まれてから6ヶ月は母乳だけを与えることが勧められています。赤ちゃんの食事については、詳しくはこちらをご覧ください。母乳育児ではない場合は、代わりに乳児用ミルクが使えます。乳児用ミルクの種類については、詳しくはこちらをご覧ください。
赤ちゃんが一歳になるまで、牛乳は飲み物として与えてはなりません。牛乳には赤ちゃんに必要な栄養素のバランスがとれていないためです。
しかし、生後6ヶ月以降になれば、原料に全脂肪乳が使われている食品を食べることができます。例としては、チーズソースとカスタードがあります。
1歳未満の乳児には、練乳や無糖練乳、ドライミルク、または米や麦、アーモンドなどが原料の乳系飲料を与えてはいけません。生後12ヶ月までの母乳に代わる代替品は乳児用ミルクだけです。
低脂肪牛乳からは必要なカロリーや必須ビタミンを得ることはできないため、2歳になるまでは全脂肪の牛乳と乳製品を与えなければなりません。
2歳以降は、多様でバランスの取れた食事をしていてよく成長している限り、セミスキムミルクを飲み物として徐々に与えていくことができます。
少なくとも5歳になるまでは、子どもに飲み物としてスキムミルクや1%脂肪ミルクを与えないでください。スキムミルクや1%脂肪ミルクにはビタミンAが十分に含まれておらず、スキムミルクには子どもに十分な量のカロリーが含まれていません。
1歳から3歳までの子供は、1日に約350mgのカルシウムが必要です。約300mlのミルクがこれに相当します。
赤ちゃんの食べ物とヤギと羊の乳
牛乳のように、ヤギや羊の牛乳は栄養分のバランスが子どもには適切でないため、1歳未満の乳児には適していません。
低温殺菌されているものなら、普通の全脂肪ヤギと羊の牛乳は一歳以降飲み物として与えられます。チーズソースやカスタードなどの食品の材料としてなら生後6ヵ月から与えることができます。
低温殺菌とは何ですか?
低温殺菌は、細菌を殺して食中毒を防ぐための熱処理のプロセスです。
ほとんどのミルクとクリームは低温殺菌されています。低温殺菌されていないミルクは生乳と呼ばれることがあります。低温殺菌されていないミルクには、低音殺菌されておらず有害な細菌を含んでいる可能性があるということが明示されています。牧場の直売所などから殺菌されていない牛乳やクリームをは買えます。しかし、食中毒を引き起こす細菌が含まれていて有害である可能性があります。
冷蔵庫に入れれば殺菌できるので、殺菌されていない牛乳やクリームを使う場合はきちんと冷蔵保存してください。
チーズなどの乳製品は、殺菌されていないミルクで作ることもあります。たとえば、カマンベールやブリー、ヤギのチーズのメーカーでは、低温殺菌されていない牛乳を使う場合がありますので、ラベルを確認してください。
子どもや体調の優れない人、妊婦、高齢者は特に食中毒に弱いので、低温殺菌していないミルクやクリーム、または低温殺菌していないミルクで作られた乳製品を摂取しないでください。
しかし、チェダーやパルメザン、スティルトンなどのハードチーズは、たとえ低温殺菌されていないミルクから作られたものであっても妊婦は食べることができます。
牛乳アレルギー
牛乳や乳製品は重要な栄養素の良い供給源ですので、主治医や栄養士に相談せずにあなたや子どもの食生活から除去してはなりません。
ミルクへのアレルギー反応を引き起こす原因としては3つあげられます。
乳糖不耐症
乳糖不耐性は、主に牛乳および乳製品に見られる糖の一種であるラクトースを身体が消化できないで起こる一般的な消化器疾患です。
乳糖不耐症は、鼓脹や下痢などの症状を引き起こすことがありますが、重度の反応は引き起こしません。
IgE介在牛乳アレルギー
牛乳アレルギーの1つとしてIgE媒介牛乳アレルギーとして知られています。通常、牛乳を飲んで数分以内に反応がおこります。重度の反応を引き起こすこともありますが、症状は軽いことが多いです。
症状としては、発疹(じんましん)、唇の腫れ、下痢、嘔吐、胃痙攣、呼吸困難があります。
場合によっては、牛乳アレルギーがアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。これは生命を脅かすアレルギー反応であり、呼吸困難、唇や口の腫れ、意識喪失を引き起こします。食物アレルギーについて、詳しくはこちらをご覧ください。
非IgE介在牛乳アレルギー
非IgE媒介性乳牛の乳タンパク質アレルギーとして知られているものもあります。以前は牛乳タンパク質不耐性と呼ばれていたものです。
このタイプのアレルギーは、IgE媒介乳アレルギーおよび乳糖不耐性とは異なります。成人で発生する可能性がありますが、一般的には乳幼児や子供で発生します。
このアレルギーの子供は、初めて牛乳を飲むときに症状が出るかもしれません。 症状としては、湿疹、嘔吐、下痢、胃痙攣があります。 発疹(じんましん)や呼吸困難は起きません。 これらはIgE介在牛乳アレルギーの症状です。
IgE介在牛乳アレルギーよりも症状の発生には時間がかかります。 牛乳を飲んだ後数時間から数日経ってから起こることもあります。症状が出るのが遅いため、このアレルギーが判明するまでには時間がかかることがあります。アレルギーの検査は容易ではありません。
非IgE介在性の乳牛の乳タンパク質アレルギーを患っている子供は、就学するころにはアレルギーがなくなっていることもあります。 まれなケースでは、成人期まで持続します。
すべての食物アレルギーと同様に、あなたやお子さんが牛乳アレルギーかも知れないと思う場合は、主治医に相談してください。