妊娠中に尿中のブドウ糖検査で陽性が出たら

ブドウ糖検査について
ブドウ糖に関する尿検査で陽性が出ても、ほとんどの場合心配することは何もありません。以下になぜ検査結果が陽性になるのかという理由と将来陽性になるのを避けるためにできることについて挙げます。
妊娠中の検査で病院を訪れると、ほぼ毎回尿検査をすることになるかもしれませんが、この尿検査によって、医者は妊娠糖尿病(高血糖)の指標となるブドウ糖、子癇前症(妊娠によって誘発される高血圧)の指標となるタンパク質を検査します。
結果が陽性になる理由と意味
尿検査で1度ブドウ糖(あるいは糖や炭水化物)に対して陽性が出たとしても、これは1人だけに限った事態ではありません。50%に至るまでの女性が、妊娠中のいずれかの時期にこのような状態を経験します。ですので、1度陽性が出たからといって自分が妊娠糖尿病であると決めつけないようにしましょう。医者は、この結果を「医学的には些細なこと」、つまり妊婦は糖尿病ではなく、胎児には何の影響もないというように診断することがあります。単に尿検査の直前に糖分の多い食べ物(デニッシュ、カップケーキ、ベーグルなど)をたくさん食べたためにこの結果が出たという可能性も大いに考えられます。妊娠中の女性でもそうでない女性でも、尿検査の直前に糖分の多い食べ物を摂取することで、検査結果が陽性になってしまうことがあるのです。このような事態は妊娠第二期になるとよりいっそう起こりやすくなります。インスリンというホルモンが妊婦の摂取したブドウ糖をすべて血液から細胞に運ぶというはたらきをしているのですが、身体が胎児にブドウ糖を与えるためにこのはたらきを阻止してしまうのです。必要とするブドウ糖をすべて吸収してしまうと、腎臓は尿を通して余分なブドウ糖を処理します。
しかし、妊娠糖尿病になる何らかの可能性がある場合や、1度の検査であまりにも多いブドウ糖量が検出された場合、医者はブドウ糖負荷検査を通常より早い段階で実施するかもしれません。妊娠糖尿病のための通常的な検査であるこのブドウ糖負荷検査では、甘い飲み物を飲み、その1時間後に血液を採取することで、ブドウ糖値を調べます。つまり、妊娠糖尿病であるかどうかをより正確に示すことができるのです。
結果を得てからできること
尿検査で「医学的に些細な結果」が出た場合でも、この結果は妊娠中に健康的な食事を心がけるよい注意喚起となります。後に血糖値スパイクになるのを避けるためには、以下のことを心がけましょう。
・単純糖質や精製炭水化物の量を減らしましょう。マフィン、オレンジジュース、砂糖をまぶしてあるシリアルなどの精製炭水化物は血糖値スパイクの原因です。血液中に素早く入り込み、尿中に過剰な糖が含まれる状態を作り出してしまうからです。
・健康的な炭水化物を摂取しましょう。全粒粉のパンやシリアル、果物やベイクドポテトなどの複合糖質や未精製炭水化物は、血液中によりゆっくりと吸収され、尿中のブドウ糖量が過剰になるような大量の糖を作り出す可能性が低いです。実際、複合糖質は食物繊維の含量が豊富であることをうたっているので、血液中の糖の吸収を遅くするのです。さらに、複合糖質を摂取することによって、妊娠に必要な多くの栄養素(葉酸、食物繊維、鉄分など)を摂取することもできます。
妊娠中の食事の好みの影響で妊娠後も炭水化物をたくさん食べたいと感じる場合、正しい食生活を送りながらでも炭水化物を摂取することができます。以下のようなことから始めることもできるでしょう。
・バナナスプリットを食べたい場合は、バナナのスライス、牛乳、氷を混ぜて健康的なシェイクを作ってみましょう
・ピザを食べる代わりに、全麦のイングリッシュマフィンにトマトソースと低脂肪のモッツァレラチーズをのせてトーストを作ってみましょう
・特大サイズのオレンジジュースを飲むより、グレープフルーツを半分に切ってハチミツをかけて炭酸水と一緒に食べたり、オレンジを絞った生ジュースを作ったりしましょう
小さなアイディアで、自分や赤ちゃんに必要な栄養素を確実に摂ることができるようになります。また、健康的な食事をこれからもずっと続けていくというきっかけにもなるでしょう。