卵の健康的な食べ方についての基礎知識

その他

卵について

卵は、健康的な食生活の一部を構成するものです。タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルも含まれています。素早く簡単に作ることができる健康的な食事の材料にもなります。
しかし、食中毒のリスクを避けるためには、常に信頼の置けるお店から卵を購入し、適切に保管し、取り扱い、調理することが重要です。乳幼児や体調の優れない人、妊婦や高齢者などの衛生面に気をつけなければならない人は特に注意しましょう。

卵と食事

卵には、タンパク質やビタミンD、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、ヨウ素が含まれています。

卵はいくつ食べても大丈夫ですか?

食べる卵の数に制限はありません。
卵は健康的でバランスの取れた食事の一部として食べることができますが、塩分や脂肪を加えないで調理するのが一番よいです。例えば、
・塩を加えない固ゆで卵、ポーチドエッグ
・飽和脂肪の多いバターを使わないスクランブルエッグ
卵を揚げると、脂肪含有量が約50%増えます。
必要な栄養素を得るために、できるだけさまざまな食事を食べるようにしてください。健康的な食事について、詳しくはバランスの取れた食事のページをご覧ください。

卵とコレステロール

血液中のコレステロール値が高いと、心臓病のリスクが高くなります。
卵にはコレステロールが含まれていますが、卵から得られるコレステロールよりも、飽和脂肪の方が血液中のコレステロール値に大きな影響を与えます。
主治医からコレステロール値に気をつけるように指示されている場合は、食事の飽和脂肪量を減らすことが最優先事項です。摂取脂肪量を少なくする方法は、こちらをご覧ください。
バランスの取れた食事をしているなら、卵を減らすのは主治医や栄養士から指示されたときのみに限ります。

生卵と食中毒

生卵や半熟卵、生卵を含み火が入っていないかほとんど入っていない食品を食べると、食中毒になる可能性があります。乳幼児や高齢者、妊婦、体調の優れない人など「リスクのある人」は特に気をつけましょう。これは、重篤な病気を引き起こすサルモネラ菌が卵に含まれている可能性があるためです。
生の、または軽く火の入った卵を食べるなら、低温殺菌された卵を使用すれば、サルモネラ菌が殺されるので危険性が低くなります。
低温殺菌は、高温で細菌を殺す熱処理です。しかし、お店で買える卵のほとんどは低温殺菌されていません。低温殺菌された卵は、液状や乾燥状態、冷凍状態のこともあります。
料理をするなら、特に、火を入れないかほとんど入れない料理を作るなら、「リスクのある人」には、低温殺菌卵を使うのが一番安全です。
低温殺菌していない卵を使用する場合、以下に注意してください。
・卵を安全に保管する
・卵から他の食品や道具、作業台への細菌の拡散を避ける
・卵を適切に調理する―白身も黄身も固まっていれば、細菌は死滅しています
半熟卵や軽く火の入った卵を含む料理を健康な人が食べる分には、食中毒になることはないはずですが、心配なら徹底的に火を入れるのが一番安全です。

生卵を含む食品

生卵を入れた後に火を入れないかほとんど入れない食品は、食中毒になる可能性があります。卵の中の細菌が殺されていないためです。
生卵が含まれている可能性がある食品としては、以下のものがあります。
・手づくりマヨネーズ
・オランデーズソース、ベアルネーズソース
・サラダドレッシング
・アイスクリーム
・アイシング
・ムース
・ティラミス
これらを自分で作るなら、低温殺菌卵を使うのが一番安全です。
市販のマヨネーズ、サラダドレッシング、ソース、アイスクリーム、デザート、既製アイシングの多くは低温殺菌された卵で作られています。材料の卵は低温殺菌されているかどうか不明な場合は、ラベルを確認するか製造元にお問い合わせください。外食や食品を買うときに生卵が低温殺菌されているか心配な場合は、店員に尋ねてください。

卵を安全に保管する

卵を安全に保管することは、卵や卵殻の細菌が広がらないようにするのに役立ちます。
卵を安全に保管するためのアドバイスをいくつかご紹介します。
・涼しく乾燥した場所、理想的には冷蔵庫に卵を保管してください。卵は常に温度が20℃以下の場所で保存する必要があります。ほとんどのご家庭のキッチンの中なら、冷蔵庫が最適な場所です。
・卵を他の食品から離して保管してください。冷蔵庫に卵用トレイがある場合は、それを使うことをお勧めします。卵を分けておきやすくなります。
・卵料理は調理後できるだけ早く食べましょう。すぐには食べない場合、卵料理はすぐに冷やして、最大2日間冷蔵庫に保管してください。ケーキは、カスタードやクリームなどの添加物が含まれていない限り、涼しく乾燥したところに安全に保管することができます。
・冷蔵庫に調理済みの卵を入れる場合も、2〜3日以上放置しないでください。

細菌の蔓延を避ける

細菌は、卵から他の食品、手、調理器具、作業台へと非常に広がりやすいです。
卵殻だけでなく卵の内部にも細菌が存在することがありますので、取り扱う際には注意してください。
細菌の拡散を避けるためのアドバイスを挙げます。
・卵を割る前であっても割った後であっても、他の食べ物から遠ざけてください。
・卵が他の食べ物や作業台、または皿にかからないように注意してください。
・卵に触れたり作業した後は、いつも暖かい水と石鹸で手をよく洗い拭いてください。
・卵を使った後は、暖かい石鹸水を使用して、作業台や食器、調理器具をきれいにしてください。
・汚れや細菌が内部に入り込んでいるかもしれないので、殻が傷ついている卵は使わないでください。
詳しくは、食品を安全に保管する方法をご覧ください。

卵の賞味期限

卵の保存可能期間(生まれた日から賞味期限まで)は28日です。白身と黄身の両方が固まるまで火を入れるか、ケーキのように完全に火が入る料理に使うなど、徹底的に調理される限り、賞味期限が過ぎた後1日か2日経っても食べられます。
白身と黄身の両方が固まるまで卵に火を入れれば、サルモネラ菌などの細菌が死滅します。「リスクのある人」は、完全に火の入った卵や完全に火の入った卵料理のみを食べるべきです。

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