血尿はどのように診断されますか?

血尿について
医療従事者は、血尿または血尿の原因として以下のようなものを挙げています。
・病歴
・身体検査
・尿検査
・追加の検査
病歴
病歴を取ることは、医療従事者が血尿の原因を診断するのに役立ちます。医療従事者は、病歴、症状の確認、処方箋および店頭薬のリストを患者に提供するように求めます。また、現在および過去の病状についても質問するでしょう。
身体検査
身体検査中、医療従事者は、腹部および背中をなんどもたたき、膀胱および腎臓周辺の痛みや圧痛をチェックします。医療従事者は、前立腺の問題を探すために、男性には直腸検査を行うことができます。また医療従事者は女性に対して、尿に含まれる可能性のある赤血球の源を探すために骨盤検査を行うことができる。
直腸検査
直腸検査は、男性の前立腺および直腸の身体検査です。検査を行うために、医療従事者は、男性にテーブルの上で身をかがめてもらうか、膝を抱えた状態で片側に横たわったりします。医療従事者は、患者の直腸内に手袋を装着し、潤滑剤を塗った指を入れ、直腸の前にある前立腺を触ってみます。直腸検査は、前立腺炎、前立腺肥大、あるいは前立腺がんをチェックするために用いられます。
骨盤検査
骨盤検査は、女性の骨盤に対する視覚的および身体的検査です。医療従事者はあおむけの状態で女性を検査台に載せ、足をテーブルの角または支持具の上に置きます。医療従事者は骨盤の器官を見て、手袋を装着し、潤滑剤を塗った指を膣に入れて、血尿の原因となっている可能性のある症状をチェックします。
尿検査
医療従事者は、検査棒を使って、診察室で尿を検査したり、分析のために検査室に尿を送ることができます。患者の尿に血液が含まれていなかったとしても、検査棒を使うと陽性になることがあります。その結果、「偽陽性」検査になることがあります。医療従事者は、追加の検査を行う前に、顕微鏡で尿を検査することで赤血球を探すことができます。
尿サンプルを入手する前に、医療従事者は、直近の生理(医学的には月経というのが一般的です)がいつだったかを尋ねることがあります。場合によっては、女性の生理の血液が尿サンプルに入ることがあり、その結果血尿検査で偽陽性という結果がでることがあります。生理が終わった後に、もう一度検査を行うことが必要です。
追加検査
場合によっては、医療従事者が患者の尿を再検査することがあります。尿サンプルが赤血球を過剰に検出すると、医療従事者は再検査を依頼する可能性があります。
血液検査
血液検査は、医療従事者のオフィスまたは商業施設で血液を採取し、サンプルを分析のために研究室に送ることを含みます。血液検査は高濃度のクレアチニン(正常な筋肉が壊れたときにできる老廃物)を検出することができます。この物質が検出されると、腎臓病を発症している可能性があります。他の血液検査は、狼瘡(ろうそう)などの自己免疫疾患、または血尿を引き起こしうる前立腺がんなどの他の疾患の兆候を検出することができます。
コンピュータ断層撮影(CTスキャン)
CTスキャンでは、X線とコンピュータ技術を組み合わせて、尿路、特に腎臓の画像を生成します。医療従事者は、患者に飲用液と造影剤の注射をします。CTスキャンでは、患者はX線画像を取るために、トンネル型の装置にスライドする台の上に横たわる必要があります。X線技師は、外来センターまたは病院で撮影を行い、放射線医が画像を診断します。患者に麻酔は必要ありません。CTスキャンは、医師が尿路、閉塞、感染症、囊胞、腫瘍、および外傷による傷害を診断するのに役立ちます。
膀胱鏡検査
膀胱鏡検査は、泌尿器科専門医(泌尿器の疾患を専門とする医師)が、患者の膀胱や尿道の内部を調べるために、膀胱鏡(チューブ状の道具)を使って行う検査です。医療従事者は、自分の診察室、外来センター、または病院で膀胱鏡検査を実施します。患者は鎮痛薬を必要とするかもしれません。膀胱鏡検査は、患者の膀胱にあるがんを見つけることができます。
腎生検
腎生検は、腎臓から小さな組織片を採取する検査です。医療従事者は、外来センターまたは病院で生検を実施します。医療従事者は、患者に軽い鎮静剤と局所麻酔剤を投与します。場合によっては、患者は全身麻酔を必要とすることもあります。病理医(病気の診断を専門に行う医師)が研究室で組織を調べます。生検は、血尿が腎臓病によるものかどうかを診断するのに役立ちます。
磁気共鳴イメージング(MRI)
MRIは、X線を使わずに患者の内臓および軟部組織の画像を撮影するテストです。 特別に訓練を受けた技師が、外来センターまたは病院で検査を行い、放射線医が画像を診断します。患者に麻酔は必要ありませんが、閉所恐怖症の患者の場合、軽い鎮静剤を処方してもらえるかもしれません。MRIは、造影剤の注射を含んでいます。ほとんどのMRI装置では、患者は台の上で横になり、開放型もしくは一方がふさがっているトンネル状の装置に入ります。装置の中には、患者がもう少し広い空間で横になることができるものもあります。MRIの間、患者は技師が画像を撮影している間はずっと静止したままでいる必要があります。検査中、患者は機械から出る騒々しいノック音や振動音を聞きます。MRIは、膀胱や腎臓などの個々の内臓器官の問題を診断するのに役立ちます。