出産の過程について知っておきたいこと

分娩・出産について
ここでは、初めての陣痛から最後の一押しにいたるまで、分娩・出産において知っておくべきことをご紹介しましょう。
9ヶ月の妊娠と一生の育児に比べれば、出産時に要する数時間など大したことは無い、と思われるかもしれませんが、他人事ではないのです。あなたの身体が出産するのです。呼吸が乱れ動悸が激しくなり、押し出し、回復しなければならないのです。こう考えてみると、途端にその数時間が途轍もなく大きく、長くなってのしかかってくるわけです。
出産の過程
出産が行われる数時間というのはまさに、妊婦にとって出産前の人生から出産後の人生への過渡期に当たるのです。この数時間はまた、(まるで出産後に切られるまで肉体的に母子を繋ぎとめているへその緒のように)母と子を生涯結び続けるものなのです。出産は実に長い時間のかかる大きな挑戦ですが、同時にこれは他には無い感情的・精神的・肉体的な快感でもあるのです。この経験はあなたにとって憂慮・戦慄の対象であるかもしれませんが、終わってしまえば、真の喜びを(そしてもしかすると安堵の念をも)もって思い返すことができるでしょう。
幸い、妊婦は絶対に一人ではありません。居合わせる医療関係者ら以外に、パートナー、そして赤ちゃんと体験を共にするのです。もちろん、平等に体験を分かち合うわけではありません。出産の過程において重い労働の殆どに妊婦が携わり、また肉体的な衝撃は確実に妊婦がほぼ全てを被ることになるのです。痛みを伴うでしょう(充分な投薬処置を受けていない限り)し、暫く長続きするでしょう。分娩・出産は数時間から数日に渡る可能性のあるものではありますが、一般的な所要時間は第一子出産の場合に14時間ほど、第二子以降の場合に8時間ほどです。この長時間を乗り越える際に役立つことを二つお教えしておきましょう。一つ目は、ゴールを想像することです。全てが終わったときには腕の中に新生児がいて、それ以降はよちよち歩く必要もなくなるのです。二つ目は、起こり得ることに実際に直面したときに驚かない(或いは驚きすぎない)よう、いつどんなことが起こる可能性があるのかを良く知って自身を慣れさせておくことです。
子どもの出産は分娩、出産、胎盤娩出という三つのステージで進行します。