高血糖症についての基礎知識〜症状、原因〜

その他

高血糖症とは

高血糖症とは、血中のグルコース(糖)濃度が高くなることです。高血糖は、体内のインシュリンが少なすぎる場合、または体がインシュリンを適切に使えなくなる場合に起こります。

高血糖症の原因とは何でしょうか?

高血糖症の原因は下記のようにいくつかあります。

1型糖尿病の場合、体内のインシュリンが十分ではない可能性がある。
2型糖尿病の場合、体内のインシュリンは十分ですが、効果的に作用していない。
計画していたよりも沢山食べてしまったり、計画していたよりも運動量が少ない場合。
風邪やインフルエンザ等の病気から受けるストレスがある。
家族内の不和、学校生活や恋愛関係で問題を抱えている等、ストレスがある。
夜間に分泌されるホルモンの影響により、体が早朝4時から5時頃に毎日、血糖値が急上昇する曙現象になっている場合。

高血糖症の症状とは何でしょうか?

高血糖症の兆候と症状は次の通りです。

高血糖
尿に高レベルの糖が出る
頻尿
喉の渇きが酷くなる

糖尿病の管理の一部として、血糖値を適時測定するようにします。医師にどのぐらいの頻度で測定すべきか、また適切な血糖値の値について確認をしましょう。血液を測定し、高血糖を早めに治療することは、高血糖症に関連する問題を避けるのに役立ちます。

高血糖症はどのように治療すればよいのでしょうか?

通常、運動することで、血糖値は低くすることができます。しかしながら、血糖値が240mg/dl以上である場合、尿中ケトン体を確認してみましょう。ケトン体が出ている場合は、運動をしないでください。

ケトン体が出ている時に運動することは、血糖値をさらに高くしてしまいます。医師と共に血糖値を安全に下げる方法を探す必要があります。

食事の量を減らすことも役立ちます。食事療法士と協力して、食事の内容を変えましょう。運動と食事療法が効果がない場合、医師は薬剤もしくはインシュリンの量を変更したり、服用する時間を変更したりするかもしれません。

高血糖症を治療しなかった場合はどうなりますか?

高血糖症は治療をしないと深刻な問題となることがあるため、わかった時点で治療をしなければなりません。高血糖症を治療しない場合、ケトアシドーシス(糖尿病性昏睡)と呼ばれる状態に陥る可能性があります。ケトアシドーシスは、体が十分なインシュリンを作り出せない場合に起こります。インシュリンがないと、体はグルコース(糖)をエネルギーとして使えなくなるため、体は脂肪を分解してエネルギーとすることができなくなります。

体が脂肪を分解する時、ケトン体と呼ばれる老廃物が産生されます。体は大量のケトン体には耐えられないため、尿によってそれを取り除こうとします。残念なことに、体は全てのケトン体を排出することができないため、ケトン体は血液に蓄積されていき、ケトアシドーシスの原因となります。

ケトアシドーシスは生命を脅かす状態のため、早急な治療が必要となります。ケトアシドーシスの症状には次のようなものがあります。

息が切れる
息がフルーツのようなにおいがする
吐き気と嘔吐
口が非常に乾燥する

医師にケトアシドーシスの症状がでたらどうすればよいのか相談してください。

糖尿病カード(糖尿病患者用IDカード)と糖尿病手帳

特にインシュリンを使用している糖尿病患者の多くは、糖尿病カード、糖尿病手帳を常に持ち歩くように医療機関から交付されているかもしれません。

高血糖症の症状が強くでた時、交通事故、その他の緊急事態の時、自分が糖尿病に罹っていること、インシュリンを使用しているかいないか、アレルギーがあるかないか等の重要な健康情報が書かれた糖尿病カードがあると適切な情報がわかります。緊急医療従事者は、患者自信が話をできなくても、こうした医療情報が書かれたものを見て判断をすることができます。海外では携行しやすい医療用身分証明書(メディカルID)として、基本情報が刻印されたブレスレットやネックレスタイプになっているものがあり、それを持ち歩く人が多くいます。

どうすれば高血糖症を予防できるのでしょうか?

糖尿病の管理を適切に行うことが最適です。高血糖症を測定する方法を覚え、罹ったとしても悪化する前に早期に治療することです。

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