「痩せる」を考える―成功のレシピ

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痩せる思考とは

最新の、最も効果的な減量方法を売り込みに来る人は後を絶ちません。ですが、本当の専門家、つまり減量し、それを維持している一般の人々の「成功のレシピ」を知りたくはないですか?そうすることで、一歩ずつ「痩せる」を考え、実際に痩せることに近づけるかもしれません。

痩せる思考は、日々の中に加えられる小さくて簡単な変化に関わるものです。年末までに10キロ痩せる、といったことではないのです。
「私たちを樽のように太らせることができる世界の中で、痩せる思考を持つのは至難の業です」とUniversity of Michigan Health Systemの健康増進課の責任者であるCatherine Fitzgerald, RDは述べます。

「食べ物はいたるところにあります。なので、長期的な目標体重に見合った、自分に合うライフスタイルを人生の中で遅かれ早かれ見つけなくてはならないのです。社会が作り出した非現実的な美の理想を追い求めるためでなく、健康体であるための手段としての減量に力を注ぐべきです。」

ダイエット成功者の思考

コロラド大学のNational Weight Control Registryは、長期的な減量に成功した一般の人々を調査しました。約20年前にJames O. Hill教授とその同僚たちによって始められたこの登記簿は、平均30キロ以上の減量に成功し、それを5年以上維持した3000人以上の人々の情報が登録されています。
登記簿の参加者を研究した結果、Hillは減量を維持した人々に共通する四つの行動を明らかにしました。
・低脂肪で、抗炭水化物な食生活をする。
・毎日朝食を摂る。
・しっかりと経過を見る。何を食べたか記録し、毎日体重を量る。
・一日一時間程度、身体活動レベルの高い運動を行う。

体重管理の専門家の多くは、非生産的になりうる上に、落胆に繋がりかねないことから、毎日計量を行うことには反対します。しかしながら、この登記簿の研究者によると、効果的なのです。

参加者が減量後に体重を維持した方法として、以下の点が挙げられました。
・92%の人は特定の食べ物の摂取を制限したといいます。
・一日に平均して1400キロカロリーを摂取していました。その24%を脂質、19%をタンパク質、56%を炭水化物から得るような大部分を炭水化物が占めた低脂肪な食生活をしていました。
・平均して、一日に5回食物を摂取していました。
・一週間に平均して、2800キロカロリーを運動で燃焼していました(一日400キロカロリー燃焼したのと同じです)。
・75%の人は、一週間に最低でも一度は計量していました。
・約三分の一の人々が体重維持を大変だとし、三分の一がまあまあ簡単、残りの三分の一は簡単だという人々でした。
・42%の人が、減量後の体重を維持することのほうが当初の減量よりも簡単だと答えました。

Fitzgeraldは、減量に集中することもしくは体重を維持することの大部分を占めるのは、ただ単に常に前向きでいることだと言います。
「できないことよりも、できることをするのがより良い策といえるでしょう。果物や野菜を一人前分多く摂取する、というような達成できる目標を立てましょう。より健康的な選択をする、ということもできます。多くのファーストフード店では、より健康的なものがメニューに載っています。例えば、バーガーキングの野菜バーガーやウェンディーズのサラダです。今や、健康的な選択をすることは、そうでないものを選ぶのと同じくらい簡単になっているのです。」とFitzgeraldは述べます。

遺伝子の影響

家族はどのような役割をするのでしょうか?もし、肥満の問題の家族歴がある場合、負け戦を闘っていることになるのでしょうか?
「遺伝学は確かに太りやすさを左右する要因にはなりますが、遺伝学が単独で身体が脂肪を蓄えるか否かを決めるわけではありません」と内分泌学の教授で、ミシガン大学肥満リハビリセンターの責任者であるDavid Schteingart医学博士は言います。「とりわけ、人の体重と脂肪の蓄え方は、その人の生物学上の母親のものと最も密接に関わっている、という結果を示す研究はいくつもあります。」

それでも、肥満の家族歴は痩せることをあきらめる理由にはなりません。
これらの研究の多くは、遺伝学が肥満のリスクの25%にしか関与していないとSchteingartは述べています。「残りの75%は様々な面、特に文化的な影響、個人のライフスタイル、食べ物の供給を含みます。」
「行動とライフスタイルを変えることはとてつもなく難しいかもしれません。特に年を重ねるにつれてそうなりえます。ですが、簡単なことを続けることが効果を生むのです。」とSchteingartは言います。

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