痛みを引き起こす20の症状について

症状について
ひどい痛みを伴う病気も存在します。以下に深刻な痛みを引き起こすものとして知られている20の症状を挙げます。(特定の順位に基づいて並べられているわけではありません)
1.帯状疱疹
帯状疱疹は最も痛みを伴う医学的状態のひとつです。これは水疱瘡の原因でもある水痘・帯状疱疹ワクチンによって引き起こされるもので、赤みや水ぶくれが体の片側あるいは腰周りに現れるのが特徴です。
帯状疱疹による痛みは、焼けるようなものあるいはちくちくしたものであることが多く、身体の片側にしか影響が出ないこともあります。ひどいときには、誰かが疱疹の出ている肌に軽く触れたり、息を吹きかけただけで突き刺すような耐え難い痛みが生じることもあります。
症状が治った後でも、帯状疱疹後神経痛という持続的な痛みが生じる人もいます。
2.群発頭痛
10週間の間、1日に1~2回鎮痛剤を使わずに子どもを生むことを想像してみれば、群発頭痛がどんなに悲惨なものであるかなんとなく分かるでしょう。
群発頭痛は「自殺的な頭痛」とも呼ばれます。痛みがあまりに耐え難いものであるため、その痛みで患者が自殺しようとさえしてしまうことで知られているからです。この頭痛は予兆なしに突然襲ってきて、片目の周りに鋭く、突き刺すような痛みが生じます。痛みは最低でも15分続き、3時間以上続く場合もあります。
群発頭痛は最も痛みが大きい頭痛として知られており、その痛みは重度の偏頭痛をも上回るとされています。実際、専門家たちは群発頭痛が医学で知られている中で最も痛みを伴う症状であると述べています。
3.五十肩
この症状は極度の痛みを伴うだけでなく、適切な治療を受けない限り何年間も続く可能性があります。
五十肩になると、関節がとても堅い状態になるため、腕を上げるなどの簡単な動作を行うことができなくなってしまいます。Tシャツを脱ぐ、やかんを持ち上げる、コートを着る、髪をとかすなどの日常的な動きをすることさえもほとんど困難になってしまうのです。
五十肩の原因が何であるかは明らかになっていませんが、肩や腕に怪我をした後に起こることがあり、糖尿病の人はよりかかりやすくなっています。
どちらの肩でも五十肩は起こり得ますが、通常は利き腕でない方の肩が五十肩になります。つまり、右利きであれば左肩、左利きであれば右肩が五十肩になるということです。
薬局の薬や処方鎮痛薬の服用とともに肩の運動を行うことによって症状を和らげることができます。
4.骨折
骨折の主な例としては、足首の骨折、股関節損傷、腕の骨折、鼻の骨折などがあります。
骨折が軽度のものであれば、まったく痛みを感じないこともありますが、一般的に骨を折るということはとても痛いものです。その骨を動かそうとするときには特に痛みます。その痛みは、深部痛のようであるというように表現されます。
骨折は自然に治るものですが、適切な位置に骨を戻すために、骨の位置を変える必要がある場合があります。一般的に、年を重ねるほど折れる骨は大きくなるので、治るまでには長く時間がかかるようになります。
5.複合性局所疼痛症候群(CRPS)
骨や軟組織を怪我したあと、ひどい痛みとともに生じるのが複合性局所疼痛症候群(CRPS)です。どんな年代の人にでも起こる可能性があるものですが、40~50代の女性がもっともかかりやすくなっています。
CRPSによる焼けるような痛みは、継続的で激しいものであり、もともとの怪我の激しい痛みを上回ることもあります。通常、手足のいずれか一箇所に影響が出ます。
もともとの怪我が指1本だったとしても、痛みは脚全体または腕全体に広がることがあります。痛みが怪我をしたのと反対の手足に移ることもあります。
CRPSによる痛みは数年間続くことがあり、この症状に対する治療法は現在見つかっていません。理学療法、トーキングセラピー、医薬品などによる治療を受けることによって、生活の中でCRPSとのうまい付き合い方を見つけることができるかもしれません。
6.心臓発作
心臓発作が起こった場合、通常胸の中央に痛みを感じます。この痛みは、重く、きつく、締め付けるようであると表現されることがあり、悪化すると倒れてしまいます。
痛みはひどい胃痛のように感じることがあり、顎、首、背中、腕、胃に広がることもあります。
自分あるいは周りの人が心臓発作になりそうだと感じた場合、すぐに救急車を呼んでください。
7.椎間板ヘルニア
10人中8人の人が日常のある時点で背中の痛みに襲われており、その痛みの最も一般的な理由が椎間板ヘルニアです。これは捻挫やものを持ち上げたときの怪我が原因で起こることもあります。この症状になると、背骨の中の椎間板のひとつが破裂し、その中のゲルが漏れ出します。
椎間板ヘルニアになった人のほとんどは、腰に突然痛みを感じますが、これは通常横になると和らぎます。後ろを振り返ったり、咳をしたり、くしゃみをしたりすると痛みが悪化することがあります。背中の痛みの代わりに脚に痛みを感じる場合もありますし、その両方の症状が出ることもあります。
たいていの場合、痛みは数週間かけてだんだんと良くなっていきます。鎮痛剤を使うことで痛みを和らげることもできます。
8.がん
進行がんを抱えている人のほとんどは痛みを経験します。この痛みは腫瘍からきているものであったり、化学療法や放射療法などのがん治療からきているものであったりします。
痛みは非常に深刻なものですが、痛みがあるからといってがんが進行しているとは限りません。神経を圧迫している腫瘍があればひどい痛みを生じることがありますし、反対に大きな腫瘍が少しの痛みしか引き起こさない、あるいはまったく痛みを引き起こさないこともあります。
がんによる痛みの感覚、持続期間、激しさはそれぞれのがんの種類や進行段階によってさまざまですが、処方鎮痛剤で痛みを制御することがほぼすべての場合で可能です。
9.関節炎
関節炎を持つ人は、断続的で、ひどくなることもある痛みと闘っています。その痛みは通常、腰、ひざ、手首や指に現れます。
痛みは突然あるいは徐々に生じ、筋肉痛や関節の硬化に繋がることもあります。
さまざまな関節炎が、リューマチ性関節炎、骨関節炎、ろうそうを含む関節損傷を引き起こす可能性があります。
Arthritis Careによると、どのような関節炎でも、運動をすることが痛みを避けるためには最善の方法です。主治医や理学療法士に相談すれば、自分に適した運動プログラムを選ぶことを手助けしてくれるでしょう。
10.偏頭痛
偏頭痛は通常の頭痛よりもはるかに痛みがひどく、より長い間続く傾向にあります。最悪の場合、3日以上続くこともあります。
偏頭痛は嘔吐や光にたいする極度の過敏性の原因にもなり、激しくずきずきする痛みを生じさせるので、多くの偏頭痛に対して効果的である対処法は、静かで暗い場所で頭痛が治まるまで寝ていることです。
薬を服用することによって、偏頭痛の頻度や深刻さを軽減することができるかもしれません。過去に薬を服用したものの効果が得られなかった場合は、別の頭痛薬を試してみるということを主治医に相談しましょう。
11.坐骨神経痛
坐骨神経痛は、脚に広がっていくうずくような痛みにつけられた名称です。坐骨神経(身体の中で一番長い神経。背中から脚にかけてを伸ばしている)が背中への痛みによって損傷、あるいは炎症を起こすことで起こります。椎間板ヘルニアによって起こることもあります。
坐骨神経痛は通常の背中の痛みとは異なります。坐骨神経痛の痛みは背中には現れず、その代わりに腰から放射状に広がります。その痛みは臀部へ、そして片脚あるいは両脚に、そしてふくらはぎの方までまっすぐに広がっていきます。
ほとんどの場合、数日~数週間で痛みは自然に消えていきます。市販の鎮痛剤、運動、温湿布や例湿布などのセルフヘルプによる処置を組み合わせることによって、たいていの場合は一定の間痛みを和らげることができます。
12.腎臓結石
腎臓結石が通過することによって、突然驚くほど鋭い激痛が走ることがあります。この痛みは腰やわき腹、場合によっては生殖器に生じ、痛みのない時間を挟みながら数分~数時間続きます。
痛みは真夜中に生じることがあり、非常に激しいものなので救急車を呼ぶ必要があると感じるかもしれません。
実は、ほとんどの腎臓結石は小さく、手術等を受けずとも自然と尿道を通過することができます。ありがたいことに、尿道を結石が通過した後には痛みが消えます。
13.虫垂炎
虫垂炎は、虫垂と呼ばれる腸壁に付いている指のような形をした袋が痛みを伴ってはれる症状です。これは子どもにもっとも一般的な症状です。典型的に、子どもたちは消えたり生じたりする腹部の痛みを訴えます。痛みはその後腹部の右下の方へ移動し、悪化していきます。
虫垂炎は内科救急疾患であり、通常の場合虫垂を破裂する前に取り除くために緊急手術を行う必要があります。
ほとんどの子どもたちは、虫垂を取り除いた後数日以内に回復し、手術による弊害を引き起こすことはありません。
14.三叉神経痛
三叉神経痛によって引き起こされる痛みは、電気ショックが額を直撃しているような痛みであると形容されることがあります。焼けるような、あるいは突き刺すような激しい感覚であると表現する人もいます。三叉神経痛を抱える人は、自分の顔の中に痛みの引き金となる場所があり、その場所がとても過敏であるためそこに触れる、あるいは風が当たるだけで痛みが引き起こされると説明することがあります。
三叉神経痛は、フォザーギル病としても知られていますが、顔の片方に極度にひどい痛みが発作的に生じることが特徴です。この痛みは予測不可能で、突然生じ、突然消えます。
通常の鎮痛剤は効果がありませんが、処方抗痙薬によって痛みを和らげることができます。
15.膵炎
膵炎は膵臓で起こる炎症です。膵臓とは、バナナほどの大きさの臓器で、消化系のひとつです。膵炎のもっとも一般的な症状はひどい腹痛です。
1回限りの激しい痛みとして起こる(急性膵炎)こともあれば、再び膵炎が起こる(慢性膵炎)こともあります。しかし、急性膵炎はより痛みがひどく、痛みの制御などの病院治療を必要とするため内科救急疾患となる場合もあります。
急性膵炎の痛みは胆嚢炎(胆嚢が炎症を起こすもの。たいていの場合胆石が原因)と呼ばれるほかの深刻な症状と似たようなもので、最初は混同しやすいです。
16.痛風
痛風は最も痛みを伴う関節炎のひとつで、関節や親指の付け根にはれや痛みが生じます。親指の付け根にこの症状が出た場合、親指に触れたり、動かすことすら辛くなってしまいます。
多くの人は痛風と聞くとヘンリー8世や裕福な暮らしを連想するかもしれませんが、飲みすぎやこってりしたものの食べすぎが痛風を引き起こすというのは神話にすぎません。赤肉を食べたりビールを飲んだりする人の方が痛風にかかりやすくはありますが、誰でも(完全なベジタリアンでさえも)痛風にかかる可能性があるのです。
Arthritis Careによると、痛風に一度かかると、関節が痛み始め、はれて赤みを帯びて熱くなり、ひどい痛みが生じます。関節はその部分を煮ているかのように見えるかもしれませんし、肌の皮がむけることもあります。
痛みは1~10日間続く可能性があります。症状が頻発すると関節に生涯持続する損傷を与えることもあります。そのため、痛風の再発を食い止めるために薬の服用も考慮に入れておくとよいでしょう。
17.子宮内膜症
英国では、10人中1人の女性が子宮内膜症という痛みを伴う症状を経験しています。子宮の中にあるような細胞が身体のどこか他の場所に存在しているというものです。
子宮内膜症になっている女性の中には、症状がまったく現れない人もいますが、骨盤の痛み、月経痛、性行為中または性行為後の痛みなどの多くの痛みを生じる人もいます。
子宮内膜症に対する治療法はありませんが、痛みを和らげ、症状の進行を軽減あるいは遅くする治療はあります。
18.胃潰瘍
潰瘍とは、胃の内部で起こる炎症や胃の内部に空く穴のことを言います。私たちの10人に1人が胃潰瘍になります。食間や早朝に、腹部に鈍痛または焼けるような痛みが生じます。
胃潰瘍による痛みは通常、食事をすること、または制酸剤と呼ばれる薬品を服用することによって和らぎます。
治療を受けていない胃潰瘍は胃に穴を空けてしまい、非常にひどい痛みを伴う状態になり、潰瘍が胃壁を酸化させることによって消化液が食物を腹腔に漏れ出してしまうため、治療を受けることがとても大切です。胃に穴が空いてしまった胃潰瘍は内科救急疾患となり、直ちに手術を受ける必要があります。
19.繊維筋痛症
繊維筋痛症の正確な原因は分かっていませんが、身体中に広がる痛みを引き起こします。この痛みはたいていの場合、首の後ろの敏感な場所、肩、腰、臀部、頸骨、ひじ、ひざに生じます。繊維筋痛症の人は、そこらじゅうが痛いと言うことが多いです。
痛みと硬化は朝に悪化することがよくあり、繰り返し使用している筋郡に痛みが現れる可能性があります。
繊維筋痛症は生涯続く症状ですが、鎮痛剤や運動などの治療によって痛みを和らげることができます。
20.手術後の痛み
手術後に痛みが生じることはよくあるケースですが、痛みの大きさは手術の種類によって異なります。
しかし、手術後に痛みが出すぎることは芳しくない状況であるので、耐え抜かなければならないと考えては絶対にいけません。
手術後の痛みを抑制するために入手することのできる効果的な鎮痛剤はたくさんあります。専門家によれば、痛みを十分に抑制することで早期回復が見込め、長期的な問題を防ぐことができます。